小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



小田原市内にある全ての天然記念物を巡ってみようと始めた天然記念物巡りの17ヶ所目は飯泉の勝福寺境内にある大イチョウを見に出かけた。勝福寺の大イチョウは以前から好きな被写体で今までに何度も写真を撮っている馴染みのイチョウ。小田原市飯泉の勝福寺は平安時代の天長7年(830年)に現在の飯泉の地に千代から移転したと伝わる古刹。坂東三十三箇所第5番札所として江戸時代には庶民信仰の拠り所として多くの巡礼者が参拝した寺で、その境内でひときわ大きい樹木が大イチョウ。勝福寺の大イチョウは本堂前にあって根元周囲は防護柵で囲まれている。神奈川県の天然記念物で指定されたのは昭和32年2月19日。天然記念物のほかにかながわの名木100選にも選定されており案内版が設置されている。勝福寺の大イチョウは樹高約30mと県内のイチョウの中でも最大級の大きさ。樹齢は推定で約700年。根元周囲は9mを超える大木でどっしりとした風格を感じる。小田原市天然記念物に指定されている酒匂の上輩寺の乳イチョウ同様に乳柱が垂れ下がっている。イチョウの木は雌雄があるが勝福寺の大イチョウは雌木で銀杏が実る。樹齢700年を超える大木なので幹は過去に何度も折損している。近年では2011年の台風で主幹や大きな枝が折損し以降何度か枝打ちが行われている。そのため上部は葉が少ない。上の写真は大きな折損が出る前の2010年初冬の大イチョウ。こんもりと枝が生い茂り堂々とした樹形。現在の大銀杏は10年前と比べるとボリューム的に半分くらいになってしまい、少し寂しい状況。イチョウの木は枝の再生が早いので以前のように全体的に葉を茂らせて堂々とした樹形に戻ってもらいたいもの。

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