知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

生産の委託を受けた会社が他社に製品を供給した事例

2011-09-04 10:34:54 | 不正競争防止法
平成22(ワ)2723 損害賠償請求事件  
平成23年08月25日 大阪地方裁判所
裁判長裁判官 山田陽三

 通常,生産を委託された場合に,同じ金型から製造した商品を委託した者以外の者に譲渡することが許されるとは考えにくいところである。仮に,A社が原告商品を他に供給してはならない旨の義務を課せられていなかったとしても,A社としては,原告商品を単に製造しているだけで,同商品の形態について,法2条1項3号の権利を有しない以上,A社が,日本国内で原告商品を販売することは,法2条1項3号に該当する行為というべきである。
 A社から原告商品と同じ商品を購入し,日本国内において販売する行為は,他人の商品の形態を模倣した商品であることを知らず,かつ,知らないことにつき重大な過失がない場合を除き,同じく,法2条1項3号に該当するというべきである。

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