今年のアカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞など主要5部門を受賞したフランス映画「アーティスト」は白黒のサイレント映画であることも話題になった。サイレントはともかく、白黒映画の良さが再認識されたことが僕は嬉しい。考えてみれば洋画、邦画を問わず、映画史に残る名作というのは古い時代に作られたものがほとんどなので大半が白黒映画だ。昨今の映画技術は驚くほど進歩したが、それでも昔の名作を凌駕するような作品はなかなか現れない。言ってみれば機械系の技術は進歩したけれど、人間系の技術はあまり進歩していないと言えるのではないだろうか。デジタル技術による鮮明なカラーが人を感動させるとは限らないのだ。僕はやっぱり白黒映画が大好きだし、これからも白黒映画をもっと見たいと思う。ちなみに僕が白黒映像の最高峰と信じて疑わないのがジョン・フォード監督の「荒野の決闘(1946)」だ。
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