徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

さつまいものはなし。

2020-01-27 18:30:43 | 世相
 日本テレビ夕方のニュース・情報番組「news every.」で「品川やきいもテラス」の紹介をしていた。今年が4回目というこの「品川やきいもテラス」は全国から集結した人気やきいも屋さんが、100品目以上の様々なやきいもを出品するのだという。昨年のこのイベントにはなんと5万8000人の来場を記録したそうだ。中には1本1,000円もするやきいもがあったりして、さながらB級グルメだ。
 そんな番組を見ながら、僕は、父が天草の大矢野島(現在の上天草市)の上村小学校に赴任した昭和10年頃の様子を記した備忘録のことを思い出した。父が受け持ったクラスでは、40名ほどの生徒の4分の3が、弁当に「かんちょ(上天草の言葉でさつま芋のこと)」を持ってきていたと記されている。当時は家が貧しいために「口減らし」として子守奉公に出されたり、「からゆきさん」として売られていく少女たちもいた時代、「かんちょ」は貧しく哀しい当時の人々の生活の象徴だったのである。