
僕は防府在勤時代を通じて山口の女性は芯がしっかりしているというイメージが強い。それを象徴するものとして民謡「男なら」が印象深い。この唄を初めて聞いたのは高校3年生だった昭和38年の山口国体の時。宿舎だった美祢市の旅館で地元の女性の皆さんが、この唄と踊りを披露してくれた。それ以来、僕にとって忘れられない山口県の唄となった。この唄は幕末に起きた長州藩と、英仏蘭米の列強4国との武力衝突「馬関戦争」の際、萩の菊ヶ浜に防衛のための土塁を築いた武家の妻女たちによって唄われたという。つまり「男なら」は女性の唄なのである。
※写真は楫取素彦(小田村伊之助)と妻の美和(文)

▼菊ヶ浜
