徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

時分の花

2014-12-19 13:58:55 | 音楽芸能
 昨日の深夜、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀『狂言師・野村萬斎』」を観た。人気狂言師の舞台で見る顔からはうかがい知れない苦悩や、より高みを目指す芸の追究ぶりがヒシヒシと伝わる。師であり父である人間国宝・万作との葛藤や、自分と同じ道を歩む息子に対する思い。そしてこの秋、役者生命をかけて挑んだ狂言最高峰「狸腹鼓(たぬきのはらつづみ)」。稽古では、父から教わったものをそのままやるのではなく、萬斎の芸としてプラスαを試行錯誤する闘いが繰り広げられる。それは、まさに世阿弥のいう「真の花 時分の花」を咲かせるために。
※写真は「三番叟」における野村萬斎