徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

海響風唄 ~現代民俗歌謡とは~

2014-10-08 23:19:15 | 音楽芸能
 端唄や俚奏楽など多方面で活躍している本條秀太郎さんの、もう一つのジャンルが「現代民俗歌謡」。聞き慣れない言葉だが、この「海響風唄」もその中の一つのようだ。何の説明も聞かずとも日本海の荒波を連想するし、どこか懐かしい響きの中に、よく聞いていると今までにない新しさも感じる。クセになりそうな音楽世界だ。当の本條秀太郎さんは「現代民俗歌謡」について次の様に語っている。

▼現代民族歌謡
 Pure & Innocent な民謡(民謡歌謡)へ回帰し、そこから“いま”を生きる音楽を作る必要があります。伝統的な作・編曲法で民族音楽の持つ心を醗酵させ、絶えず“回帰”しつつ日本人の感性を感じ取れる音楽を表現したいと考えます。
日本音楽(邦楽)にはビート感の無い時代遅れの音楽のように云われるが、ビートをきかせた作曲、編曲の方法は、単に日本音楽の中に広がりを加えた一つのテクニックでしかないように思います。この方法でなされている多くの日本音楽は本来の日本音楽の持つ感性とは隔たりを感じます。また、あたかも新しい出来事のように思われている音楽も、ほんの少しの時間を過ぎてしまうと、色褪せて痩せた音楽になってしまい伝統に繋ぐことの出来ない単に“はやり”のものでしかないものになってしまいます。西洋の音楽の縦に重ねる表現法ではなく、他聞的に横に豊かな広がりを持たせる日本独自の音楽表現を取り戻す作業が大事なように思います。忘れかけている日本人の生活の中、そこここにあった“しぐさ”や“ことば”の美しさをも音楽表現に生かすべきだと考えます。現代に生きようと、安易に洋楽化させるのではなく、伝統と継承に恥じることなくしっかりと根ざし、そこから生まれた音楽それが“現代民族歌謡”なのです。日本人の日本人のための音楽でありたいのです。現代であっても過去であっても、日本の“う・た”でなくてはならないのです。
 過去と未来にまたがる“うた”“うたあそび”がJ-TRAD「現代民族歌謡」なのです。