徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

シルクと三味線

2012-10-02 18:54:59 | 歴史
 歌舞伎音楽にしろ、長唄・端唄にしろ、民謡にしろ、邦楽には三味線が欠かせない。三味線の起源は諸説あるが、中国の「三弦」が14世紀末の明の時代に琉球に伝わり、琉球で「三線(さんしん)」となったものが、室町時代の終わり(1560年)頃、大阪の堺港に渡来したと言われる。それを琵琶法師たちが演奏したのが三味線の始まりで、その後、日本人好みの音色が出るように材質や形や大きさを変え、象牙や木製の撥を使うなどの改良が加えられ、江戸時代、庶民の間で普及した。
 しかし、さらにその起源を遡ると紀元前の古代ペルシアの時代に既に三弦の楽器が存在していたという。それがシルクロードをへて中国へ、そして琉球へ、さらには日本に伝わったとされている。
 シルクロードといえば、4年ほど前に公開された映画「シルク」は19世紀のフランスから一人の青年が、世界一美しい絹糸を吐く蚕の卵を求めてシルクロードを辿り、日本へやってくる物語だった。この映画には日本の三味線音楽の重鎮、本條秀太郎さんが三味線弾きの役で出演していたことを思い出した。


映画「シルク(2007)」の一場面。右端が本條秀太郎さん