徒然なか話

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映画「あなたへ」 ~ 健さん映画を懐かしむ ~

2012-08-25 19:43:50 | 映画
 これはかつて高倉健さんの映画を観て青年期・壮年期を過ごした世代が「健さん映画」を懐かしむ映画だ。僕も健さんが大好きだし、降旗康男監督は、僕は昔、監督の弟さんと同じ職場にいたこともあってずっと注目し続けている監督さん。だからこの二人が組んだ映画はたしか全部観ているはずだ。この「あなたへ」という映画は、今まで二人の作品を観たことのない世代と僕らとでは受けとめ方が随分違うかもしれない。ただ、この映画そのものはどちらかというと「幸福の黄色いハンカチ」などの山田洋次監督風な物語だ。多くの映画ファンが好むロードムービー仕立てもいいし、キャストも豪華で楽しめるのだが、僕は観ながらなぜか、涙が流れて仕方がなかった。それはこの映画の物語を感受したからというより、自分の人生も重ね合わせながら、過ぎゆく時代を再確認しているような複雑な涙だった。また、この物語は種田山頭火の俳句がモチーフとなっているようだが、僕にはどうしても健さんと山頭火のイメージが合わなかった。しかも劇中で健さんに山頭火の句を教えるのがビートたけしというのも違和感を感じた原因かもしれない。