のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1326

2017-11-15 00:44:47 | 新しい子猫たち 

瑠璃は 仕事には結構まじめ。香奈オフィスは、香奈の時代には基本的には仲介業者だったが、瑠璃はこれではあまり儲からないと思い、自主運営の資源の開発を進めていた。香奈オフィスが利権を基本的に握る資源は増えてきた、そういう工作の時にも奨学金システムは役に立った。


 


指導層のガキだけでなく、有望な研究者、各国政府の末端に至るまで、この奨学金システムをフルに使っていた


 


瑠璃直属の組織として、こうした自主運営の組織も健在だった。レアメタルを進める時にもこれが役にたった


 


香奈と瑠璃は反発しながらも 相手の凄さは知っていた。瑠璃を副会長にして、自主運営部門の統括にさせたのは実は香奈だったし、香奈オフィスの運営は任せたと言いながら、チェックする所はしつかりと見ていた。


 


それに実は瑠璃のピンハネ、瑠璃興業にゼニを流すのは、結構大きくなっていた。それに対する お仕置きの側面も実はあったし、恒常的に瑠璃興業に回す金についての調整が、香奈直属グループと瑠璃直属グループとの話し合いが実はあった。


 


程ほどならば、大目にみるという約束があった。香奈オフィスにとっても瑠璃経由、瑠璃の名前で獲得した資源、社内に強く蔓延る瑠璃一派の対応も難しいものであった。自主運営グループ、その他の瑠璃一派の処遇にはそのままと云う約束まであった。


 


瑠璃は、結構 増えていた、瑠璃一派の奴らの今後の事も考えて、副会長案を受けたのだった。瑠璃興業が香奈オフィスと対抗したとしてもコイツラ全部の面倒は見れない。子分たちの生活がある。それよりも香奈オフィスに残る方が、程ほどとは云え、金の流れも容認してくれる、自主運営グループの事も考えないといけない、ナンダカンダの考えがあった。


 


香奈から瑠璃、そして奈津美と云う、全く 自然な祖母、母そして娘と云う血の流れとかに見えて、結構ドロドロとして動きが背景にはあった。


 


奈津美は大体の権力は握ったが、瑠璃一派に対する処遇も変えなかったし、地位も変えなかった。いや変えようもなかった、何しろ瑠璃一派は頭が切れた。


 


香奈オフィス内の 香奈直属に近いグループの目、悪く云えば監視の目は、奈津美にも向けられていた。瑠璃は、ぱったりと全体の運営についてナニも言わなくなったのも、この監視の目が厳しいと知っていたからでもあったし、奈津美も実感していた。


 


そんな状況下で 瑠璃の決めた 利益の中に一定比率を 奨学金に回す事を奈津美が変える メリットはなかった


 


瑠璃は自主運営部門だけでなく、世界各地で増えていた瑠璃興業の資産を保持し拡大させる事も魅力的に見えた。


 


世界の瑠璃興業は、各国のファーストフード、コンビニのように小規模の販売システムに資本を出して、一部を自主運営する事で利益が増えていた。資源を香奈オフィスに流す、仲介のような事もしていたのだった。


 


こういう背景もあって、香奈オフィスの奨学金システムに回す金は、香奈オフィスの利益が増えるにつれて、莫大に膨れ上がっていった。


 


奈津美はむしろこの事を各国政府との間の取引材料に使うような事もしていた。


 


奈津美は公平な人と知られていたが、何しろ 香奈の孫、そして瑠璃の娘でもあって、建前の公平を強調したいだけとも言えた。