のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1312

2017-11-01 00:00:26 | 新しい子猫たち 

土木会社の社長の心の中は色々と揺れ動いていた


 


デッカイ会社にして ジブとかの支援を受けて、バリバリと出世街道を突っ走るのも魅力的ではあった


 


ただ ジブとか土木建設業界のエリートたちと話あっていると。こんな奴らと付き合っていくのかと、正直思った


 


あの凛として厳しい庭を見ながら、こっそりと考えた。右腕と頼む奴の意見も聞いた。


 


その上での判断だった


 


土木会社は 技術畑のジイサンたちが話し合って運営していた会社だった。帳簿付けの積りで親父さんから頼まれた青年を雇ったが、甘い所はあるものの、なかなか頭が切れた。ジイサンたちの面子も考えてくれた。みんなに可愛がれて、部長そして、役員最後には、大物の技術畑のジイサンが退任する時に、社長にまでなった。みんなに可愛がれて育ったので、格闘しながら育ったのではないので闘争心は元々なかった。


 


庭をじっくりと見ていると、それがはっきりと判った。エリートたちと格闘しながら、生活していくのよりも、小さくても田舎に根付いた企業にしていった方が、自分としても 合っていると確信した


 


右腕と頼む奴も言った。


アイツらは結局は大した事はないですが、彼らは彼らなりに風向きを気にして、頭はフル回転してますね。そんな事をする積りは、少なくとも私にはないです。今の会社はみんな親切で、友達以上親戚未満で、暖かく見守ってくれている。たいした事のない私の判断も大切にしてくれている


 


アイツの心の中はもっと正直だった


この庭を見て 思ったのは、自分は結局 弱い人間だったと云う事が判った。自分を律して厳しく行う事から逃げて、小細工の猿知恵に走った。今はみんなの暖かい心で自由に仕事が出来るが、世間一般では、そういうワケにはいかない。厳しい世間の中に出ると、又逃げてしまうかもしれない、自分の弱さに気がついていた。


 


この小さい会社とは云え、ナンダカンダと、ロイヤリティーだとの名目で金が入るようにすれば いいだけだった