のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1323

2017-11-12 00:36:09 | 新しい子猫たち 

香奈の家の家系の問題はあった。


 


香奈の母親の和子も才媛と云われた、当時としては珍しく東大も出た人なのに、学歴がドーダコーダと云う事は嫌った。元々学校がドーダと言うのは嫌いだったが、勝の奥さんの真理が勝と結婚した時に、真理が高校しか出てないと言った奴らには本気で怒った。


 


香奈の家系はほとんど東大にしか行かないが、学歴がドーダとか大学がドーダと言う奴はいなくなった。和子は機械の女帝と云われたが、機械では、技術屋がメインの会社ではあったが、出身大学に拘るのはご法度となった


 


この時では、まだ恵まれない人たちに積極的に支援していこうとする空気はなかった


 


真理が自分の問題として、この世に生まれたくても、出てこれない子供たちの問題に、自分の貯めたお金から、少しつづ寄付しているのを知って、和子も応援したし、香奈も応援していた


 


香奈は元々相場の鬼、ゼニの亡者として名を馳せたが、詳しくは知らない筈の父親が次官争いに負けた。香奈が世界の投機筋と云われているという噂も飛び交った。父の恭助の背後には政治家の大物がいて、その大物には反対派もいて、その争いが恭介が次官争いに負けた、大きな原因ではあったが、恭助は香奈が世界の投機筋と呼ばれていると知って、大変心配して。和子に相談していた。


 


香奈がたまたま過労で倒れた時に、和子は香奈に脱相場を強制した。和子は怖い、天下の相場師の香奈もその迫力には押された。そしてこの世に生まれたいと思っているのに生まれない子供を減らす運動に香奈も参加するようになった。これが後の 恵の財団となった。


 


ただ香奈が運営に参加するよりも遅れて、この財団に参加した恵の方が運営が段違いに上手く、香奈は香奈オフィスの仕事に専念するが、又結局相場に戻り、そしてジブの前身の一族の資産管理会社にも関係するようになって、ジブも生まれた。香奈オフィスだけでなくジブの利益の一定比率はこの財団に寄付するようになった。


 


香奈にとっては、恵の財団ではなく、自分の財団、社会福祉法人と云う意識が強かった。


 


香奈はある意味頑固だったので、ジブが飛躍的に大きくなってもその利益から寄付に回す比率には ほとんど手を付けなかった