のら猫の三文小説

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香奈とコシロの子供たち No.124

2013-09-30 00:00:05 | 香奈とコシロの子供たち

大介と神代は、奮闘した。





しかし、カミヨファイナンシャルの資金力では無理をしすぎた。不動ファイナンシャルより資金力が弱いカミヨファイナンシャルの余裕資金は全くなくなってしまった。カミヨファイナンシャルとしての運用資金さえ少なくなった。不動ファイナンシャルより小さいくせに神代が見栄を張って同じ規模の会社や財団を作ろうとしたつけがまわってきた。


ジブやカミカミの資金で少ない運用手数料も稼ぐ事が必要となった。神代は又金儲けに奮闘する事になった。神代は細かく取引すれば、短期予知の能力を活かして、せこい儲けは出来る人だった。大介も未来テクノロジーで頑張らなくてはいけなくなった。


折角作ったカミヨエンジニアリングなのに、シモンズとマルコイに丸投げの状態になり、二人は本業に没頭した。元々二人には、さしたる信念も指針もなかった。単なる神代の対抗心から始まっていた。


不思議な事に、結局二つのカミヨエンジニアリングは大きな会社になり、再生した企業が山のように出た。最も成功した再生ファンドとか言われるようになったが、神代も大介も知らなかった。


世界は広かったし、有能な人も一杯いた。カミヨファイナンシャルは、結果として多くの会社に、カミヨエンジニアリングを介在させて、資本を出しているとは長い間、神代も大介も知らなかった。大介は、その再生した会社を協力会社にして仕事していたのにそれすら知らないという不思議なおっさんだった。




神代と大介がアメリカに行って時間があったので、カミヨエンジニアリングアメリカに行く事になった。前もって連絡して住所は聞いていた。


タクシーの運ちゃんに渡して連れて行ってもらった。でっかい大きな高層ピルの大きな会社の前にとめられ、ここだと言われた。そんな筈はないと思った二人だったが、でっかい黒人の運ちゃんだった。根性なしの二人は、言われるように、大枚のチッブも払ったが、本当は、もっと小さいビルと思い、カミヨエンジニアリングアメリカのビルの周りをウロウロして探して回る事にした。


このビルは高層ビルのくせに、広い敷地だった。二人は疲れて、このビルのソファーで休む事にした。二人が休んでいる時に、創業者が来ると待っていた会社の人と会い、カミヨエンジニアリングアメリカの説明を受けて吃驚したと言う訳のわからない話まであった。




神代と大介は特に信念もなく、指針もなかったが、多くの人と多くのお金を集め、多くの会社を再生させた。カミヨエンジニアリングアメリカでは三分の一程度、ヨーロッパでもカミヨエンジニアリングの5割程度の出資比率にすぎなかったが、カミヨファイナンシャルが間接的に保有している会社は山のように多かった。


最大の出資者が成功したにも関わらず、配当を要求しないので、他の出資者も何も言えない状況になっており、カミヨエンジニアリングはより一層大きくなり、ついに焦れた他の出資者が配当を要求した時には、配当は出資の3割近く出せる状態になっていた。