のら猫の三文小説

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香奈とコシロの子供たち No.111

2013-09-17 00:03:01 | 香奈とコシロの子供たち



神太朗は、



今までも株式の自己売買は少なく、増資や出資対応が中心であった。ただ効率重視派は自己売買もした。多大な融資を受けたので、債権放棄されない部分は、少しずつ返済する必要があった。神太朗は急がず、取りあえず、証券会社の財務を充実させる事にした。



証券会社も自己売買を減らし、口銭稼ぎを中心としようと神太郎は当初思ってきた。ところがジブトラストの新宿の中でも取引のうまい連中も連れてきてしまっていた。連中のジブ時代の給料は高く、驚異的な給料を貰った後なので、頑張らないと実質的に受け取る給料は、大きく減少すると云う連中だった。



神太朗は仕方なしに、特別チームを編成し、自己売買特別チームとした。神子や神代のお告げがないので以前のようにも儲からないが、それでも優秀な連中なので、神ならぬ人間としてはそれなりの儲けを上げた。連中もお告げの有難さも分かったが、なんとかそれなりに利益も出た。証券会社もかすりをとれた。


神太朗は当初の計画通り、対面販売、相談しながら顧客の資産を増やす、コンサルテルティングビジネスを強化した。

一方ぐちゃぐちゃ言われるのが嫌いな人用に、売買手数料も大きくさげ、ネット対応も充実して、各相場へのアクセスも増やし、売買をし易くした。


ごきげんソフトは、神太朗の証券会社の取引システムを考え出していた。ジブトラストもこの証券を多く使い出して、手数料収入も増加した。株価も少しずつ元に戻り始め、証券会社は直ぐに成績が急速に上がっていった。


利益の三分の一を返済に廻したが、神太朗の例の自己売買特別チームに保有株の選別をさせ、保有効率が悪いとみた保有株を、時価換算で約束通り、返済金額の半分とした。証券会社はデッドストックのような株を処分しながら、返済金額を減らしたと思い、喜んでいた。




ところが、ただの人間ならぬ神子も、大化けする株が安値で労せず、大量に手に入ったので、喜んでいた。神二郎は、神二郎たちのチームで総合的な協力関係を築くように指導すれば、会長室枠の企業群も相互に成長していける会社の株も混じっていたので、神子に言って、新宿にもその株の一部を廻してもらったので、喜んでいた。三者が喜んで、結構な事だった。




銀行に行った正人は天下国家を論じる学者風ではあったが、奥女中たちの巣のようなところで出世した人間であり、元々、天下国家論が好きな社内もうまくまとめ、それなりに対応し、上品ながら上手く利益を上げていた。


落ち着いてみると、元々証券会社の問題がなければ、問題もなかったので、放棄されない債務は、自己資本比率の問題もあり、融資は早い速度で返還された。株式化したくても、株式が集中しすぎて出来なかった。正人は立ち回りや法解釈の裏読みには強かったので香奈ファインシャルらに返すとみせて、返済の一部はやや危ない、そして貸し付け利率の高い債権を、香奈ファイナンシャルへの債権分与と云う手段を考えた。正人は、香奈ファイナンシャルの株主ではあったが、組織人であり、もう一つの大きな銀行の利益を優先した。


香奈は。正人からの申し入れに難色を示していたが、神二郎がいい会社ですよ。ジブの新宿の保有している会社群と協調としていけば、相互に利益は出ますし、債権の一部を出資と切り替えれば、もっと利益になりますと香奈にいい、香奈はそれを信用して、正人からの申し入れを受けた。もっとも香奈も狸なので、債権を当然割り引いてもらった。もう一つの大きな銀行の大株主が香奈ファイナンシャルだったが、香奈ファイナンシャルの利益を優先した。香奈も組織人だった。