のら猫の三文小説

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香奈とコシロの子供たち No.117

2013-09-23 00:00:43 | 香奈とコシロの子供たち


神元は相場師だったので、相場に専念



ジブカミのヨーロッパの会社では、出資比率は、10%まで上がってきたが、ジブカミとスイスの貴金属会社は切り離された。そのため神元はファイナンシャルとして、商品相場で稼ぐ利益の5%程度は、金を安い時に買って、貴金属会社にジブカミ分として保管して貰っていた。冶部一族は、なぜか、金を保有しておくのが、当然のように感じている不思議な一族だった。


神元は生粋の相場師だったので、金の保有以外では儲かりそうな貴金属であれ、何の商品であれ、複数の市場で、取引し、為替も取引し、儲けるだけに専念した。せこい儲けの実業や取引能力の低い奴らに任せるよりは、自分一人で取引していく事を選んだ。取引では儲け続け、年間では、運用した額の5倍の利益を得る事もあった。実際の取引の処理とか管理手続きだけを現地法人からの人に任せていた。

 


聡美は、株式保有も始める




聡美は、語学のセンスがなく、ヨーロッパのマーケットでは、先物しか取引しなかった。神子や神代のレポートに基づき、自分の感性と相場の流れだけで、先物の売買をしていた。元々聡美は、株や先物と云うよりもゲーム感覚だった。そして先物を取引するうちに、いくつかの手法を知るようになった。それは、所謂、罫線屋に近い感覚だった。株式や先物も所謂生き物だと思うようになり、チャート分析が得意だった。


先物は会社が判らなくてもよかったが、株式は別物だった。株式をしたくても、第一会社の名前も分からず、何をしている会社なのかも分からなかった。アソコが丸見えで取引しているので、切人の妻のジャンヌが時々毛布やショールを膝に掛けてくれた。そしてジャンヌと話をするようになった。


ジャンヌの個人会社から始まっていたマリアホープでは、ヨーロッパの株式も保有しており、上がりそうな株などを保有していた。聡美も見えをはって、貯まってきたジブカミファイナンシャルの自分のお金で買いたくなり、この株は上がるわよとジャンヌが云っていた会社の株も少し買ってみようと思った。


聡美もパッパラパーとは云え、相場をしている人間なので、チャートを見て、低い時に買う事にしようと時々覗いていた。先物感覚でも全体の流れは上向きなのに、なぜか言われていた会社の株は下がり、チャートから見ても底のように見えた。


先物取引は好調だったので、先物取引の合間に、取りあえず買っておいたが、三つの財布で複数のマーケットで、先物の取引をしていたので、先物が忙しくなり、買った事すら、忘れてしまった。聡美は気前よく、一週間、安値で買いを出し続けた。ただ取引してくれと言ってきた証券会社をみんなお義理で、金額の差があるものの、みんな使った。


ジブシステム外の証券会社を使う事は、ごきげんソフトの総合口座システムに違反する行為であったが、聡美は先物専門だったので、特に意識もせずジブカミとして証券屋を使い、個人売買のような形で購入していた。ジブカミも管理は、現地法人に管理費を払い、管理して貰っていた。


聡美は、株は分からず、ただジブカミファイナンシャルの聡美分は、大量に貯まり、聡美は、ジブカミトラストと同量程度運用していたので、ジブカミファイナンシャルの口座残高は、余っていた。


ジャンヌの云った食品会社とは違い、オーストリアの鉱山会社の株と云う事は、初めから気がついていなかったし、倒産も噂され、猛烈な売りが続いていた事も知らなかった。当然発行株数も知らなかったし、50%を超える株を買っていた事なんか知るすべもなかった。聡美があまり買うので、浮動株もなくなっていた事なんか知らなかった。