NOHEA 'ILIO

僭越ながら、屋号犬神屋を名乗らさせていただいております。
19年春、ホノルルからラスベガスに転居してまいりました。

GURURI

2015年03月23日 | Weblog
海。
眺望美しく、吹き過ぎていく風暖かく。
波音、心地良い。
椰子の葉擦れ、ゆったりそよぐ。
犬たちを従えて、緑の丘の上、筆者は一息ついていた。

ふと気がつけば。
ぐるり。
囲まれているではないか。
グレーの細足、白い羽根、黄色いくちばし。
体高50㎝ほどの、キャトルイグレット。(小鷺)
至近距離である。
目算、数十羽。
鷺の視線、微動だにせず、筆者を射る。
「麦の穂ひとつ、すいっちょんの一匹、私は今、持ち合わせがございません…」
至近距離で、ぐるり囲まれては、身動きひとつままならず、無駄に敬語である。

犬たち。
この状況を打開せよ。
なんとか事なきを得て愛車に戻る。

駐車場。
ゲートに向かえば。
ぐるり。
囲まれているではないか。
赤虎、鯖柄、錆び毛、三毛。
八割れ、白黒、斑柄、鈍く輝く蛇縄もよう。
進行方向目の前に、悠然と寝そべったり、端然と座ったり。
老いも若きも、太いも細いも、群れなしてミャウとも動かない。
ざっと23匹。(←カウントしてみた)
地域猫軍団。
ボランティアの方々が手を差し伸べて、避妊手術を施していたりいなかったり。
「煮干し一匹、鰹節の一片、またたびの屑葉すら、私は今、持ち合わせがございません…」
至近距離で、ぐるり囲まれては、身動きひとつままならず、無駄に敬語である。

犬たち。
車内のケージに居るため、この状況を打開するためには、ジッグザッグ運転で切り抜けるほかはない。

銀行ATM。
手持ちが、悲しいありさまだったので寄る。
車内に戻り、水分補給。
虚を突かれてハッとした。
アワアワと、ボトルウォーターのフタ、なかなか上手く閉められない。
ぐるり。
囲まれているではないか。

身震いするほど鋭い眼光、金茶色の羽毛、鶏冠振り立て、尾羽てらてら黒碧の濡れ羽。
それは邪道だ。
ピヨピヨ♪と、あどけない雛子連れ。
懇請なのか威嚇なのか、母鶏、バッサバッサと羽ばたいた。
雄鶏は、時間外に、耳をつんざく大音声大絶叫。
野性、野良可した、闘鶏の一族である。
「トウモロコシの一粒、稗や粟のたぐい、干ッからびたミミズの破片(ちぎれっぽ)すら、私は今、持ち合わせがございません…」

筆者。
ここでも無駄に敬語である。

しかも、ほとんど涙目。

そんな休日。
テイクアウトのラージピッツァは、げん直しのため
トリプルチーズスタッフィングクラストを頼んでみた。

涙よ乾け。
GURURI相手に好戦した、勇者ではないか私は。





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