日本水工コンサルタント 社員ブログ

自然との調和に配慮し、農村と都市の新たな風景を創造する

通潤橋

2010年04月27日 | 農業土木遺産を訪ねて

今年の1月、蕨技術センターより西部支店へ出張に行ってきました。
3ヶ月半の滞在期間中に見学することが出来、感銘を受けた農業土木遺産があったのでここに紹介させてもらおうと思います。

 

Tsujunkyo_2
             Attribution :I,Masamic

 

 通潤橋は熊本県上益城(かみましき)郡矢部町、現在の上益城郡山都(やまと)町に位置し西部支店から車で1時間程の所にあります。
陸の孤島と呼ばれ水不足に悩まされていた白糸台地に水を送り届けるために惣庄屋、布田保之助によって約150年前に作られました。

 

橋の中央に土砂吐がついており、ダイナミックな放水が見られる事で観光地としても有名な場所となっています。
が、私も若輩ではありながら土木技術者のはしくれ。通潤橋の構造・機能について学んで来ました。
着目すべき点は以下の3点です。(西部支店のMさんの受け売り)

 
・「逆サイホン(連通管)の原理」の活用
・長さ約30mの石橋(アーチ橋)
・石橋を支持する側面石垣の構造(武者返し)

 

保之助を助け共に通潤橋を築いた「肥後の石工」は他にも多数のアーチ橋を造っており、蕨の同じフロアのM.Yさんも最近、自身のブログに取り上げようと作っていた資料を見せてくれました。

江戸時代末期、年号が大正を迎えるよりも前にこれらの技術を用い建造され今なお送水も可能だと知り先達の技術力にただただ感心するばかり。
水不足に苦しむ台地に希望を運ぶ。改めてこの仕事の必要性、価値について考えさせられ身が引き締まる思いでした。
皆さんも機会があればぜひ足を運んで頂きたいと思います。

 

本社技術部 T.H

 

放水に関しては次のURLをご覧ください。

http://www.town.yamato.kumamoto.jp/ka/syokokankoka/kanko/tujyunkyo/tsujunkyo.jsp

 

コメント (2)
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