日本水工コンサルタント 社員ブログ

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(8)社会基盤情報標準化委員会

2008年11月20日 | 今さら聞けない建設CALSの基礎知識

 前述したように、今年から「建設情報標準化委員会」が「社会基盤情報標準化委員会」に名称変更されました。
これは、建設という言葉が、施工を連想させ、維持管理が対象外という誤解を生みかねないということから変更したものです。

昨年、策定された「第三次建設情報標準化推進三箇年計画」は、平成19年7月から平成22年6月を対象期間としているので、こちらの名称はそのままにして読み替えるのでしょう。
そして三箇年の目標は次のようになっています。

【標準化目標】
1.ライフサイクルの各段階や事業分野・組織間を連携して、情報を共有していくための標準を整備する。
2.意味内容まで踏み込んだデータ交換を実現するための基盤を整備する。

これらを推進するために三つの小委員会と各種のWG(ワーキンググループ)を設置していますが、小委員会では次のようなテーマを掲げ検討してます。

1)電子成果高度利用小委員会(小委員長:島崎敏一 日本大学教授)
 下流工程で求められるデータが、上流工程で適切に電子納品されるべき観点から、電子納品のあるべき姿を検討し、電子納品要領の改訂を検討します。

(2)図面/モデル情報交換小委員会(小委員長:寺井達夫 千葉工業大学 准教授)
 生産性と品質の向上効果が大きいと期待される、3次元データの利用を推進するため、3次元データに関する標準化活動に取り組みます。

(3)情報連携基盤小委員会(小委員長:柴崎亮介 東京大学 空間情報科学研究所 センター長・教授)
 異なる組織や異なる分野で分散管理されている情報を連携するため、建設情報を互換性の高いXMLで記述するためのルールを検討します。またそれぞれのデータベースの仕様の違いを参照できるような、メタデータレジストリについて検討します。

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(7)建設情報標準化委員会

2008年11月13日 | 今さら聞けない建設CALSの基礎知識
 今年から、社会基盤情報標準化委委員会と名称変更されましたが、その前身は、建設情報標準化委員会と呼ばれていて、その設立の経緯は次のようでした。
財団法人日本建設情報総合センター(JACIC)が2000年5月に「建設情報に係る標準化ビジョン策定懇談会」において策定、公表した「建設情報に係る標準化ビジョン」の趣旨にのっとり、建設分野全体という大きな視点から標準化作業をとらえ、標準化の調整や、必要な場合には新たな標準の開発を行う場として、2000年10 月4日に産学官共同の「建設情報標準化委員会」を設けました。この委員会には、対象テーマ別に、コード小委員会,電子地図/建設情報連携小委員会,成果品電子化検討小委員会,CADデータ交換標準小委員会の4つの小委員会が設置されました。
そして、第一次推進計画(平成13年度~平成15年度)の目標がほぼ達成されたのを期に、新たな課題を踏まえ第二次三箇年計画(平成16年度~平成18年度)、そして第三次三箇年計画(平成19年度~平成21年度)と推移しました。
 ここでは、第一次推進計画のなかでも特に読者にとって注目すべき項目を簡単に紹介します。
(1)CAD製図基準(案)
成果品電子化検討小委員会のなかのCAD製図基準検討WGにおいて、CADによる図面の描き方を基準化する「CAD製図基準(案)」を国土交通省直轄の34工種について策定し、「CAD製図基準に関する運用ガイドライン(案)」も昨年発表しました。
(2)SXF Ver.3 Level2
CADデータ交換標準小委員会では、CADデータを交換・納品するためのデータフォーマットであるSXFのメインテナンスおよびバージョンアップの活動が行われており、図面の表題欄から管理情報を抽出する機能や幾何図形に属性情報を与えて数量の算出などに利用できる属性付加機構が利用できるSXF Ver.3 Level2を策定しました。
(3)DM-CAD(SXF)変換仕様(案)
電子地図/建設情報連携小委員会では、「電子地図とCADの連携に関する標準化」と題して、地形測量の成果であるDMデータからCADデータへの変換ルールを策定し、測量成果をそのままCADに読み込み利用できる標準として、「DM-CAD(SXF)変換仕様(案)」を策定しました。
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(6)CADデータ交換標準開発コンソーシアム

2008年11月12日 | 今さら聞けない建設CALSの基礎知識
  公共事業の受発注者間における図面データの交換は、特定のCADソフトウェアに依存しない標準的なファイル形式で行う必要があります。
また、この前に述べましたように、政府調達協定においては、技術基準としてISOなどの国際規格の使用が義務づけられています。このためISO国際規格であるSTEPを用いて図面データの交換を行うための研究開発組織として、CADデータ交換標準開発コンソーシアム(SCADEC)が1999年3月に発足しました。
Wg_1  このコンソーシアムでは、異なるCADソフトウェア間の図面データ交換の実現に向けて、ISO国際規格STEP/AP202に準拠した標準フォーマット(SXF)およびこれをサポートする各種基盤ソフトの開発を目的に、産学官合わせて250を超える組織が参加して成果を出しました。
 1999年8月27日の仕様(案)公表以来、その活動はより活発化するとともにISO国際会議などでも大いに注目されるところとなりました。その後、標準フォーマットを用いたCADデータ交換の実証実験を経て、「実運用に耐え得る2次元図面データの交換標準の開発」という初期の目的を達成出来たことから、コンソーシアムの活動を、当初の予定どおり2000年8月31日をもって終了しました。 
コンソーシアムの成果の中には、共通ライブラリというものがあり、これは、現在市販されている多くのCADソフトウェアに実装されており、電子納品のCADデータフォーマット形式である、SXF(P21,SFC)として利用されています。同様に、SXFブラウザは、CADデータの電子納品チェック用として受発注者共に広く利用されています。
SXFブラウザソフトやSXFの仕様書などは、次のURLからダウンロードすることができます。
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(5)地方展開アクションプログラム

2008年11月07日 | 今さら聞けない建設CALSの基礎知識

 CALS/ECの国土交通省直轄事業への導入のみでは、その効果が著しく低いため、公共事業の7割を占める地方公共団体への普及が求められるとして、国土交通省は「地方展開アクションプログラム」を2001年6月1日に策定しました。

このプログラムで、CALS/ECの地方公共団体への普及スケジュールが明確化し、都道府県・政令指定都市では2001年度に準備を開始して、2002年度に実証実験を開始、2003年度には一部分を本運用としました。また、市町村では2002年度に準備を開始し、2003年度に実証実験を開始、2004年度には一部分を本運用としました。

地方公共団体でのCALS/EC本運用の目標は次の通りです。

    ・都道府県・政令指定都市 : 2007年度
    ・主要地方都市(中核市)   : 2008年度
    ・市町村            : 2010年度

この地方展開アクションプログラムの策定を受けて、国土交通省の各地方整備局は、地方公共団体へのCALS/ECの導入に向けた地方版CALS/EC推進協議会を設置しました。
同協議会において、より詳細なアクションプログラム(地方版)が策定されています。

20102007年度には国、都道府県、政令指定都市への普及が完了し、工事関係の総発注件数は約20万件となります。2010年度にすべての公共事業発注者への普及完了を目指しており、その時点で工事関係の総発注件数は約40万件となります。
国土交通省は地方展開アクションプログラムで、CALS/EC導入のキーワードとして、
 ・ 情報の電子化
 ・ 通信ネットワークの利用
 ・ 情報の共有化
の3点を挙げています。

「情報の電子化」では、これまで紙によってやりとりされていた図面や文書、計算書などの資料を電子データ化し、省資源、省スペースなどの効果を見込み、「通信ネットワークの利用」では移動コストの削減や防災・維持管理、住民への情報提供サービスの向上を挙げています。
「情報の共有化」では、コスト縮減・品質の向上・社会資本の有効活用に効果があるとしています。

さて、2008年11月、これを読んで頂いている読者の皆さん、あなたの地域ではどのような進捗になっていますか?

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(4)建設CALS/EC策定の背景

2008年11月06日 | 今さら聞けない建設CALSの基礎知識

 公共事業における情報化の推進は、公正で効率的な事業の執行を通じ、公共工事のコスト縮減と品質の確保を図るための有力な手段となります。

 従来(1990年代前半)の情報化やOA化は個々の必要性に応じて、それぞれの部署単位で行われたものであり、データの表現形式や媒体の標準化が行われず、部署や組織をまたがる情報の交換や共有を実現するまでには至りませんでした。
 一方、情報機器の発達や通信ネットワーク技術の目覚ましい発展により、データ流通・情報交換のための環境が整ってくるなか、国や企業の枠を越えた広い範囲での情報の共有や連携が可能となってきました。

 情報の電子化という点では、当時、世界的に注目されていたCALSという考え方があり、これを公共事業へ適用することが、公共事業の計画、設計、工事、管理の各段階で発生する各種情報の電子化と、組織および受発注者間の効率的な情報共有・活用化を図るシステムとなり、公共事業を支援統合する情報システム実現への早道であると考えられたのです。

そのため、「公共事業支援統合情報システムの構築」=「公共事業版CALSの実現」という観点から、旧建設省は、1995年5月に「公共事業支援統合情報システム(建設CALS/EC)研究会」を設置し、公共事業の調査・計画・設計・工事・維持管理の各段階で発生する各種の情報の電子化と、関係者間での効率的な情報の交換・共有・連携の環境を創出する「公共事業支援統合情報システム(建設CALS/EC)」の構築に向けた検討を始めました。
1996年4月には「建設CALS/EC整備基本構想」を策定し、さらに1997年6月には具体的な実施内容を示す「建設CALS/ECアクションプログラムを発表、テーマごとの目標などが明らかになりました。

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