日本水工コンサルタント 社員ブログ

自然との調和に配慮し、農村と都市の新たな風景を創造する

平成24年度農業農村工学会大会講演会(北海道大学)

2012年10月04日 | 農業農村工学会

9月18~20日にかけて、札幌市にある北海道大学にて開催された「平成24年度農業農村工学会大会講演会」に参加してきました。

北海道大学は、千歳空港よりJR快速エアポート号に乗り40分程で到着する札幌駅にありますが、広大な敷地を持つ北海道大学は、目的地によっては最寄駅が異なり、今回講演会が開催された高等教育推進機構棟へは札幌駅より地下鉄でさらに2駅ほど移動した北18条駅で下車、西へ向かって徒歩10分程度歩いて会場入りしました。

本講演会では、農業農村工学の中でも分野毎に、
1.農村計画
2.生態環境
3.灌漑排水
4.水理、土壌物理
5.農地造成・整備・保全
6.水文・水質・気象
7.応用力学、農業土木教育・農業情報
8.環境保全、土質力学
9.材料・施工
の9分野に分かれて発表が行われました。

全講演数は438件で6.水文・水質・気象分野の51件が最多で、23年度に行われた337件を超える大規模な講演会となっていました。

本大会では弊社から3名が発表を行いました。(口頭発表1、ポスターセッション2)
また、関連業務を実施した中で、講演会用資料の作成補助を行った口頭発表が1件ありました
発表題目は次の通りです。
弊社
・「東日本大震災による福島県内のため池緊急点検調査に基づく考察」[7-10]
・「平板載荷による硫化水素の影響を受けたコンクリート管の損傷度評価」[9-18(P)]
・「東日本大震災による農業水利施設の被災後施設機能調査」[9-43(P)]
関連
・「東日本大震災による被災ダムの調査湛水と管理手法の実証的検討」[7-04]

弊社の研究発表に当たっては新潟大学 鈴木哲也先生にご指導を頂きました。

発表は、機能診断に関わるもので、新技術の紹介と適用事例、また、先の東日本大震災による影響の報告です。

P9180253[7-10]の発表では、弊社にて実施した調査結果を基に、福島県内100箇所のため池における被災状況の整理、検討を行った結果について紹介し、ため池の形式等の緒元と被災度の関係についての考察を発表しました。

P9190280[9-18(P)]の発表では、既存利用・診断評価が重要となってきている動きの中で非破壊検査法を用い、既設管の残存強度を定量的に推定、管更生設計に生かす事を将来的な視野にいれた研究を発表しました。

P9190272[9-43(P)]の発表では、過去の業務にて機能診断を行った地区での被災調査を弊社独自に行った結果を用い、被災傾向・変状発生の要因・対象地域における特性等を検討した結果について発表を行いました。

P9180251[7-04]の発表は、被災後の重力式コンクリートダムにて調査を行った結果、漏水量・揚圧力の上昇傾向などの影響が見られたために、ダムの安全性確認のための調査湛水を実施。調査実施にあたり採用した管理手法について、検討プロセスと有効性の検討結果に関して報告が行われました。

私が発表を行ったポスターセッションでは2日目の昼過ぎに、コアタイムが設けられ、ポスター著者が閲覧者の質問に回答を行い、意見交換を行います。著者としてポスターの前へ立つのはこれで3度目となります。興味を示してくださった方からの質問への返答・検討方法に対する意見、アドバイスを受け、今後の学術活動において非常に参考になる時間となりました。

口頭発表では、各自15分の時間を与えられ、目安として12分間の発表、3分間の質疑応答・意見交換の時間が与えられます。
弊社の発表に対し、感心を寄せて頂いた方が多く、活発な議論が行われました。

聴講者としての参加を合わせると、弊社から7名が参加をしています。
本講演会では例年に勝り、技術研鑽の場として有益な時間を過ごせたと感じています。
技術者として見聞を広め、情報収集を行うには絶好の機会ではないでしょうか。一度足を運ばれるのもいいのではないかと思います。

by T.H

コメント
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