日本農業新聞e農ネットに「活力創造プラン 現場踏まえ議論を (2014/6/26)」という記事が出ていた。
内容は以下の通り
政府の農政改革の全体構想となる新たな「農林水産業・地域の活力創造プラン」がまとまった。
「農業・農村全体の所得倍増」を大きな目標に掲げ、需要拡大や生産コスト削減に加え、農協など組織の見直しにも新たに着手する方針を打ち出した。
ただ具体的な制度設計はこれからで、目標実現は今後の議論が鍵を握る。
農協改革をはじめ結論次第では所得倍増に逆行する恐れもあり、現場の声をよく踏まえた慎重な議論が求められる。
・需要の増大 輸出と6次化に力点
農業所得を増やすには農畜産物の付加価値を高め、国内外の需要を取り込む必要がある。
そのためにプランでは輸出と6次産業化を重点に需要拡大を進める姿を描いた。
輸出では「20年までに農林水産物・食品の輸出額を1兆円に倍増」という従来の目標に加え「30年に5兆円」という新たな目標を設定した。
日本で使われている食品添加物や日本産畜肉エキスが含まれる食品を欧米に輸出可能にしたり、危害分析重要管理点(HACCP)やイスラム教の戒律に沿った生産・流通を確認する「ハラール」などの認証に取り組む地域を輸出モデル地区として支援したりする。
6次化では特に酪農分野をてこ入れする。
20年までに酪農分野の6次産業化の取り組みを500件に倍増させる目標を掲げ、15年度に生乳の流通制度である「指定生乳生産者団体制度」を見直す。
国が定めた指定生産者団体に生乳を全量出荷するという原則は維持する一方、例外的に一部を自らの加工用に回せる枠を日量3トンに倍増させる。
同制度では近隣農家や乳業メーカーへの直接販売を禁止しているが、販売先の日量処理能力が3トン以下の小規模な場合に限って解禁する。
・コスト削減 担い手へ農地を集積
昨年12月の最初のプラン策定で中心テーマになったのが、その直前に政府・与党で合意した農政改革だ。
今回の改訂でも位置付けの重要性は変わっていない。
(1)農地中間管理機構の創設(2)経営所得安定対策の見直し(3)水田フル活用(4)日本型直接支払制度の創設――の4本柱だ。
農地中間管理機構は、昨年の臨時国会で関連法が成立した。
機構が、出し手から一時的に借り受けた農地をまとめて担い手に貸す仕組みで、分散した農地が集約されることから、政府はコストダウンへの期待を強くする。
政策目標では、機構を活用しながら、今後10年間で担い手が利用する農地面積が全農地の8割を占めるようにする。
集約化の効果と併せ、資材・流通面での産業界の努力も反映し、今後10年間で担い手の米生産のコストを、現状の全国平均と比べて4割削減する目標も掲げている。
経営所得安定対策の見直しにも着手した。
主食用米の需要減で将来的に不作付け地が増えるのを回避するため、飼料用米の増産を誘導する助成制度を導入する。
こうした政策方向に沿って努力すれば所得が維持・向上される仕組みにした。
・組織見直し 経済事業を最重点に
農業所得を増やしていくためには、農協や農業委員会といった現場で農業者を支える組織の機能強化も不可欠になる。
プランではそうした組織の見直しに着手する方針も打ち出した。
単位農協については、農産物の有利販売と生産資材の有利調達に最重点を置いて事業運営を行う必要があると指摘。
農産物の買取販売を数値目標を定めて段階的に拡大するとし、生産資材については全農・経済連と他の調達先を徹底比較して有利なところから調達するとした。
金融事業の負担やリスクを極力軽くし、人的資源などを経済事業にシフトできるようにする。
経済活動を積極展開するため理事会は、理事の過半は認定農業者と農産物販売や経営のプロとする。
・今後の課題 農協改革の行方懸念
「攻めの農林水産業を展開していくための道 筋ができた」。
農水省幹部は仕上がりに胸を張るが、懸念も少なくない。
プランはあくまで大まかな方向性を示したもの。
農水省ではプランを踏まえ、来年度予算編成や来年3月の食料・農業・農村基本計画の見直し、秋から年末にかけての農協改革をめぐる議論に臨み、具体的な制度設計を急ぐ方針だ。
ここで現場の理解を得られないような結論を導けば、所得倍増に逆行する結果を招きかねない。
とりわけ懸念が大きいのが首相官邸を中心に「抜本的な見直し」が迫られる農協改革だ。
例えば金融事業の見直しで、実質的に単協が総合事業を展開できなくなれば、経営を揺るがしかねない。
農産物販売や経営のプロの理事登用についても、協同組合の事業に理解がなければ経営に大きな混乱を招きかねず、現場の声をよく踏まえた慎重な議論が必要になる。
・「自律的な」新制度 どう説明 自民・農林議員が困惑
政府が24日に改訂した「農林水産業・地域の活力創造プラン」。
農協改革をめぐっては、政府・与党間の調整を経て、農協法上の中央会制度について「現行の制度から自律的な新たな制度に移行する」とした。
だが、この文言の解釈をめぐって、自民党農林議員に困惑が広がっている。
安倍晋三首相は24日夜のテレビ東京の番組で、「JA全中の権限を廃止しなければ、(農協改革の)中身は骨抜きになるのではないか」というアナウンサーの質問に、「今までのような法定の形の中央会の在り方は廃止していく」と述べた。
プラン改訂を決定した同日の「農林水産業・地域の活力創造本部」(本部長=安倍首相)では「農協法に基づく現行の中央会制度は存続しないことになる」と述べていた。
一方、林芳正農相も20日の同本部では「農協法に基づく中央会制度は存続しないことになる」と述べていた。
ただ24日の閣議後会見では、これを「(プランの文言を)分かりやすく、当然のこととして申し上げた」と説明。
「今後の中央会制度は農協法上に基づいた団体ではなくなるのか」と記者に問われると、「プランにはそう書いていないので、そこも含め、これ(プラン)に基づいて検討する」と答えた。
同じプランに対するこうした発言に対し、ある自民党農林議員は「プランには廃止と書かれていない。地元の農家やJAにはどう説明したらよいか分からない」と困惑する。
別の議員は「総理は以前、米の生産調整の見直しをいわゆる減反廃止と言っていた。今回も、一般の人にも分かりやすいように言ったのだろう」と受け止めている。
というもの。
判ったようで、判らない。
どの程度の効果が出るのかも、漠然としていて判らない。
なんか、これに肉付けをしても、大したものにならない感じがしているが・・・・
内容は以下の通り
政府の農政改革の全体構想となる新たな「農林水産業・地域の活力創造プラン」がまとまった。
「農業・農村全体の所得倍増」を大きな目標に掲げ、需要拡大や生産コスト削減に加え、農協など組織の見直しにも新たに着手する方針を打ち出した。
ただ具体的な制度設計はこれからで、目標実現は今後の議論が鍵を握る。
農協改革をはじめ結論次第では所得倍増に逆行する恐れもあり、現場の声をよく踏まえた慎重な議論が求められる。
・需要の増大 輸出と6次化に力点
農業所得を増やすには農畜産物の付加価値を高め、国内外の需要を取り込む必要がある。
そのためにプランでは輸出と6次産業化を重点に需要拡大を進める姿を描いた。
輸出では「20年までに農林水産物・食品の輸出額を1兆円に倍増」という従来の目標に加え「30年に5兆円」という新たな目標を設定した。
日本で使われている食品添加物や日本産畜肉エキスが含まれる食品を欧米に輸出可能にしたり、危害分析重要管理点(HACCP)やイスラム教の戒律に沿った生産・流通を確認する「ハラール」などの認証に取り組む地域を輸出モデル地区として支援したりする。
6次化では特に酪農分野をてこ入れする。
20年までに酪農分野の6次産業化の取り組みを500件に倍増させる目標を掲げ、15年度に生乳の流通制度である「指定生乳生産者団体制度」を見直す。
国が定めた指定生産者団体に生乳を全量出荷するという原則は維持する一方、例外的に一部を自らの加工用に回せる枠を日量3トンに倍増させる。
同制度では近隣農家や乳業メーカーへの直接販売を禁止しているが、販売先の日量処理能力が3トン以下の小規模な場合に限って解禁する。
・コスト削減 担い手へ農地を集積
昨年12月の最初のプラン策定で中心テーマになったのが、その直前に政府・与党で合意した農政改革だ。
今回の改訂でも位置付けの重要性は変わっていない。
(1)農地中間管理機構の創設(2)経営所得安定対策の見直し(3)水田フル活用(4)日本型直接支払制度の創設――の4本柱だ。
農地中間管理機構は、昨年の臨時国会で関連法が成立した。
機構が、出し手から一時的に借り受けた農地をまとめて担い手に貸す仕組みで、分散した農地が集約されることから、政府はコストダウンへの期待を強くする。
政策目標では、機構を活用しながら、今後10年間で担い手が利用する農地面積が全農地の8割を占めるようにする。
集約化の効果と併せ、資材・流通面での産業界の努力も反映し、今後10年間で担い手の米生産のコストを、現状の全国平均と比べて4割削減する目標も掲げている。
経営所得安定対策の見直しにも着手した。
主食用米の需要減で将来的に不作付け地が増えるのを回避するため、飼料用米の増産を誘導する助成制度を導入する。
こうした政策方向に沿って努力すれば所得が維持・向上される仕組みにした。
・組織見直し 経済事業を最重点に
農業所得を増やしていくためには、農協や農業委員会といった現場で農業者を支える組織の機能強化も不可欠になる。
プランではそうした組織の見直しに着手する方針も打ち出した。
単位農協については、農産物の有利販売と生産資材の有利調達に最重点を置いて事業運営を行う必要があると指摘。
農産物の買取販売を数値目標を定めて段階的に拡大するとし、生産資材については全農・経済連と他の調達先を徹底比較して有利なところから調達するとした。
金融事業の負担やリスクを極力軽くし、人的資源などを経済事業にシフトできるようにする。
経済活動を積極展開するため理事会は、理事の過半は認定農業者と農産物販売や経営のプロとする。
・今後の課題 農協改革の行方懸念
「攻めの農林水産業を展開していくための道 筋ができた」。
農水省幹部は仕上がりに胸を張るが、懸念も少なくない。
プランはあくまで大まかな方向性を示したもの。
農水省ではプランを踏まえ、来年度予算編成や来年3月の食料・農業・農村基本計画の見直し、秋から年末にかけての農協改革をめぐる議論に臨み、具体的な制度設計を急ぐ方針だ。
ここで現場の理解を得られないような結論を導けば、所得倍増に逆行する結果を招きかねない。
とりわけ懸念が大きいのが首相官邸を中心に「抜本的な見直し」が迫られる農協改革だ。
例えば金融事業の見直しで、実質的に単協が総合事業を展開できなくなれば、経営を揺るがしかねない。
農産物販売や経営のプロの理事登用についても、協同組合の事業に理解がなければ経営に大きな混乱を招きかねず、現場の声をよく踏まえた慎重な議論が必要になる。
・「自律的な」新制度 どう説明 自民・農林議員が困惑
政府が24日に改訂した「農林水産業・地域の活力創造プラン」。
農協改革をめぐっては、政府・与党間の調整を経て、農協法上の中央会制度について「現行の制度から自律的な新たな制度に移行する」とした。
だが、この文言の解釈をめぐって、自民党農林議員に困惑が広がっている。
安倍晋三首相は24日夜のテレビ東京の番組で、「JA全中の権限を廃止しなければ、(農協改革の)中身は骨抜きになるのではないか」というアナウンサーの質問に、「今までのような法定の形の中央会の在り方は廃止していく」と述べた。
プラン改訂を決定した同日の「農林水産業・地域の活力創造本部」(本部長=安倍首相)では「農協法に基づく現行の中央会制度は存続しないことになる」と述べていた。
一方、林芳正農相も20日の同本部では「農協法に基づく中央会制度は存続しないことになる」と述べていた。
ただ24日の閣議後会見では、これを「(プランの文言を)分かりやすく、当然のこととして申し上げた」と説明。
「今後の中央会制度は農協法上に基づいた団体ではなくなるのか」と記者に問われると、「プランにはそう書いていないので、そこも含め、これ(プラン)に基づいて検討する」と答えた。
同じプランに対するこうした発言に対し、ある自民党農林議員は「プランには廃止と書かれていない。地元の農家やJAにはどう説明したらよいか分からない」と困惑する。
別の議員は「総理は以前、米の生産調整の見直しをいわゆる減反廃止と言っていた。今回も、一般の人にも分かりやすいように言ったのだろう」と受け止めている。
というもの。
判ったようで、判らない。
どの程度の効果が出るのかも、漠然としていて判らない。
なんか、これに肉付けをしても、大したものにならない感じがしているが・・・・
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