日本農業新聞e農ネットに「崩れるモデル経営 緊迫TPP1」という特集が始まり、その中に「稲作 銘柄産地さえ沈没 山形県寒河江市 (2013/9/27)」が出ていた。
内容は以下の通り。
環太平洋連携協定(TPP)で関税が撤廃されれば大きな打撃を受けるとされる米。
国の影響試算で「差別化可能で残る」と位置付けられた高級銘柄米も、価格の下落は避けられない。
食味を優先する栽培方法は生産コストの圧縮が難しく、「ブランド産地でさえも沈没する」と懸念が広がっている。
良食味から市場評価が高く、デビュー3年で高級銘柄米の仲間入りを果たした山形県産「つや姫」。
JAさがえ西村山管内の寒河江市では、この「つや姫」の生産に特化した団地が、昨年から相次ぎ誕生している。
団地は、同じ土壌条件の下で肥培管理を統一し食味や品質の高位安定化を図る。
県産「つや姫」の一層のブランド力向上へモデルとなる取り組みだ。
市内に3団地あり、生産規模は約30ヘクタールになる。
最も早く設立した「つや姫ヴィラージュ(仏語で村の意味)」は、14戸、1法人が集まり、16ヘクタールに作付ける。村長(代表)土屋喜久夫さん(60)は、「ブランド力があっても関税が撤廃されれば立ち行かなくなる。産地に担い手が育たない」と訴える。
県は4月、独自のTPP影響試算で県産「つや姫」の価格を、国内トップ産地の新潟「コシヒカリ」や有機栽培米と同様、3割近く下落すると算出した。
加えて2013年産米をめぐる全国的な販売環境の厳しさも、生産者の不安を色濃くする。
新米商戦は、卸などが例年以上に持ち越し在庫を抱えたまま突入。
過剰感から低価格路線が進み、ブランド産地は「高価格帯銘柄の販売環境が一層厳しくなる」(JA全農山形)と口をそろえる。
県は「TPPで輸入米が増えれば、今年以上の過剰になる」(県産米ブランド推進課)と危機感を抱く。
「つや姫」の生産意欲は、高い農家所得によるところが大きい。
全農山形が示した13年産の概算金は60キロ1万3700円。県主力銘柄「はえぬき」を同2700円上回る。
JAによると、10アール当たりの所得は「つや姫」が1万円以上高くなる。
国や県の試算は、ブランド米も一般銘柄もともに26%ずつ価格が下がり、「つや姫」の優位性は変わらないとする。
ただ生産者の中には違った見方もある。
食味を優先する県産「つや姫」は、一般銘柄に比べて生産のコスト圧縮が期待できない。
玄米のたんぱく質含有率を一定割合以下に抑えるなど、県の定めた出荷基準をクリアするには、収量減を覚悟し、窒素施肥を抑える栽培となる。
土屋村長は「低コストだけを求めれば、多収で直播(ちょくは)栽培できる品種に切り替える農家が出てくる」と推測。
銘柄米を旗印にした産地づくりは立ち行かなくなると危惧する。
「ブランド産地として生き残るには消費地と結び付きをより強める必要があるが、TPPの打撃をどれだけ食い止められるか分からない」と収穫期の水田を見詰める。
ヤマ場を迎えるTPP交渉。
農業生産現場では、極端な自由化が進めば、効率的で競争力があるとされる地域農業の担い手さえ無傷ではいられないとの懸念が広がる。
交渉の行方が見えぬまま、日々営農に向き合わざるを得ない各地のモデル的な経営体の「今」を報告する。
・業務用は輸入米に
政府試算では、米の関税が撤廃された場合、国産米と遜色ない品質の米国産米が210万トン、オーストラリア産米が60万トン輸入され、その分国産米の需要が失われる。
輸入米の価格は、米国産(中粒種)現地価格に輸入経費を加えた60キロ7020円と仮定。
割安な米の流入で、新潟「コシヒカリ」などのブランド米は60キロ1万7280円(06~08年の相対価格)から1万2840円に、その他銘柄は1万4460円から1万740円に下落するとしている。
大手輸入商社は「外食産業は経営環境が厳しく、仕入れコストを抑えられる輸入米を扱いたい会社が多い」と話し、関東の米卸は「業務用には輸入米を売っていくことが普通になるのでは」と指摘。
大量に流入する低価格米が米価全体を押し下げる構図が浮かぶ。
というもの。
山形の「つや姫」は、強い産地になるためのブランド米として誕生したはずである。
そのお米でも、TPPには勝てないという事だ。
各産地の生き残りについては、何とも言えないが、大変な事がお米という事だけは、ハッキリとしているのではないだろうか。
それと「業務用は輸入米に」というのは、当然の事だろう。
今まで業務用米に頼っていた産地は、国内での売り先を失くしてしまい、完全な敗北しかないだろうな。
内容は以下の通り。
環太平洋連携協定(TPP)で関税が撤廃されれば大きな打撃を受けるとされる米。
国の影響試算で「差別化可能で残る」と位置付けられた高級銘柄米も、価格の下落は避けられない。
食味を優先する栽培方法は生産コストの圧縮が難しく、「ブランド産地でさえも沈没する」と懸念が広がっている。
良食味から市場評価が高く、デビュー3年で高級銘柄米の仲間入りを果たした山形県産「つや姫」。
JAさがえ西村山管内の寒河江市では、この「つや姫」の生産に特化した団地が、昨年から相次ぎ誕生している。
団地は、同じ土壌条件の下で肥培管理を統一し食味や品質の高位安定化を図る。
県産「つや姫」の一層のブランド力向上へモデルとなる取り組みだ。
市内に3団地あり、生産規模は約30ヘクタールになる。
最も早く設立した「つや姫ヴィラージュ(仏語で村の意味)」は、14戸、1法人が集まり、16ヘクタールに作付ける。村長(代表)土屋喜久夫さん(60)は、「ブランド力があっても関税が撤廃されれば立ち行かなくなる。産地に担い手が育たない」と訴える。
県は4月、独自のTPP影響試算で県産「つや姫」の価格を、国内トップ産地の新潟「コシヒカリ」や有機栽培米と同様、3割近く下落すると算出した。
加えて2013年産米をめぐる全国的な販売環境の厳しさも、生産者の不安を色濃くする。
新米商戦は、卸などが例年以上に持ち越し在庫を抱えたまま突入。
過剰感から低価格路線が進み、ブランド産地は「高価格帯銘柄の販売環境が一層厳しくなる」(JA全農山形)と口をそろえる。
県は「TPPで輸入米が増えれば、今年以上の過剰になる」(県産米ブランド推進課)と危機感を抱く。
「つや姫」の生産意欲は、高い農家所得によるところが大きい。
全農山形が示した13年産の概算金は60キロ1万3700円。県主力銘柄「はえぬき」を同2700円上回る。
JAによると、10アール当たりの所得は「つや姫」が1万円以上高くなる。
国や県の試算は、ブランド米も一般銘柄もともに26%ずつ価格が下がり、「つや姫」の優位性は変わらないとする。
ただ生産者の中には違った見方もある。
食味を優先する県産「つや姫」は、一般銘柄に比べて生産のコスト圧縮が期待できない。
玄米のたんぱく質含有率を一定割合以下に抑えるなど、県の定めた出荷基準をクリアするには、収量減を覚悟し、窒素施肥を抑える栽培となる。
土屋村長は「低コストだけを求めれば、多収で直播(ちょくは)栽培できる品種に切り替える農家が出てくる」と推測。
銘柄米を旗印にした産地づくりは立ち行かなくなると危惧する。
「ブランド産地として生き残るには消費地と結び付きをより強める必要があるが、TPPの打撃をどれだけ食い止められるか分からない」と収穫期の水田を見詰める。
ヤマ場を迎えるTPP交渉。
農業生産現場では、極端な自由化が進めば、効率的で競争力があるとされる地域農業の担い手さえ無傷ではいられないとの懸念が広がる。
交渉の行方が見えぬまま、日々営農に向き合わざるを得ない各地のモデル的な経営体の「今」を報告する。
・業務用は輸入米に
政府試算では、米の関税が撤廃された場合、国産米と遜色ない品質の米国産米が210万トン、オーストラリア産米が60万トン輸入され、その分国産米の需要が失われる。
輸入米の価格は、米国産(中粒種)現地価格に輸入経費を加えた60キロ7020円と仮定。
割安な米の流入で、新潟「コシヒカリ」などのブランド米は60キロ1万7280円(06~08年の相対価格)から1万2840円に、その他銘柄は1万4460円から1万740円に下落するとしている。
大手輸入商社は「外食産業は経営環境が厳しく、仕入れコストを抑えられる輸入米を扱いたい会社が多い」と話し、関東の米卸は「業務用には輸入米を売っていくことが普通になるのでは」と指摘。
大量に流入する低価格米が米価全体を押し下げる構図が浮かぶ。
というもの。
山形の「つや姫」は、強い産地になるためのブランド米として誕生したはずである。
そのお米でも、TPPには勝てないという事だ。
各産地の生き残りについては、何とも言えないが、大変な事がお米という事だけは、ハッキリとしているのではないだろうか。
それと「業務用は輸入米に」というのは、当然の事だろう。
今まで業務用米に頼っていた産地は、国内での売り先を失くしてしまい、完全な敗北しかないだろうな。
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