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マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

ドクターG

2010-07-20 11:00:00 | おすすめ記事
 朝起きたら、たまらなく全身が痒かった。
虫にさされた覚えもないし、痒点がどこかもはっきりしない痒さだ。
お昼頃になったら、腕に湿疹のようなものが出てきたので、消えないうちにと急いで近所のかかりつけ医院に行った。

 この医院、昔は患者が入り口から溢れるほどの繁盛ぶりだった。
もう25年以上のつきあいで、家族全員なにかとお世話になってきた。


●息子が入試の前日に突然40度の熱を出した。
「何とかしてください!」と慌てて駆け込んだら、翌日にはすっかり回復して受験することが出来た(熱は下がったが試験は落ちた)

●電子レンジでゆで卵を作る実験をしていた私、ふたを開け中を覗き込んだ途端に大爆発。
ミクロに粉砕された卵の殻や黄身・白身などが毛髪や皮膚や衣服にべったりと張り付いた(危険です。絶対に真似をしないでください!)
見るも無惨な私の姿にドクターもナースも身体を揺らしながら笑いを噛み殺していたが、顔のやけどは五日間で跡形もなくきれいに治療してくれた。

●ここ数年来胃薬を処方してもらっている。
ドクター曰く「忘れてもよいから必ず飲み続けるように」
意味の解らない言葉だが、このように言われると却って忘れてはいけないと努力するので、私の胃はすこぶる快調だ。

●医療法の改定で、慢性疾患の場合の薬は何ヶ月分でも出してもらえるようになったと聞き及んだ夫。
2週間ごとに通院するのは面倒だし医療費も嵩むので「三ヶ月分処方してください」とお願いしたら
「あんたはなんて非常識な人間なんだ!」と叱られ衝撃を受けていた。
この歳になると、ご親切に非常識だなどと注意される事は滅多にないことだからよかったのか?


 最近はドクターが歳のせいか偏屈になって愛想も悪く、少々評判を落としている。


 さて、この日、全身の痒さに見舞われた私。
診察室で「どこが痒いのですか?」と聞かれたので
「どこが痒いかわからないけれど凄く痒いんです!」と訴えたら......
「自分のことなのにどこが痒いかわからないとは、なんてあんたはヘンな人なんだ!」
と、突然叱られた。

 私、なにかいけないことを言ってしまっただろうか?
「どこが痒いかわからないほどの得体の知れない痒さ」と言うのは、文学的表現すぎて、理科系の医師には通じない言葉だったのだろうか?
ヘンな人という自覚もない訳ではないが、ここまでハッキリ言われたら私も引き下がることは出来ない。
言われてもいないのに自らパンツを脱いで証明した。

 結局充分な説明のないまま(怖くて聞けないし)に注射され、飲み薬と塗り薬を処方されたが、その日のうちに症状は改善された。
なぜかこのドクターの見立ては正しく薬もとてもよく効くので、いろいろ文句も疑問もあるのだが、いまだに彼に替わるホームドクターは見つからない。


 NHKBS2及びHIビジョンTVで放送中の【総合診療医ドクターG】は、画期的な知的医療エンターテイメント番組だ。
Gは総合を意味するジェネラルの頭文字。
この番組を見ると、総合診療できるかかりつけ医の重要性がよくわかる。
患者のために日夜研鑽努力する医師や研修医の誠実な姿勢にも頭が下がる。

 我が町のドクターも年々立派な『ドクターG』(Gは傲慢のG)となりつつある。
我らも立派な『クランケG』となって対応していかなければならない。