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マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

母のレシピ ~昆布巻き~

2008-03-07 12:40:02 | グルメ
                 

 『鮭の昆布巻き』を作りました。
ダイナミックに切り分けた鮭の頭やしっぽや骨が入っています。
爆弾?いや手榴弾かと見間違うかの大きさと不格好な形状で、たこ糸でぐるぐる巻きにしなければまとまらないし、骨まで柔らかく煮るのには6時間はかかります。

 例年、暮れの贈答品として北海道から大きな新巻鮭が2本届きます。
包丁と格闘して3枚おろしにし、身とそれ以外に分けておきます。
捨てる部分はひとつもありません。
一昼夜水に漬けて塩分を抜いた頭や骨を昆布で巻き、醤油・酒・味醂・砂糖で、数回に分けて味の調整をしながらことこと煮て完成です。
昆布は、太くてちょっといい昆布を使用しなければなりません。
鮭のあら1本分はお正月のお節用に使い、残りの1本は春先のご馳走用に冷凍しておきます。

 子どもの頃からお馴染みだった母親のレシピを踏襲していますが、母の味になるまでは、何年も無駄な時間と材料を投入しました。
今では母の味を超えたのではないかと自負しています。
友人たちにも好評なので、今回もM嬢とH嬢にお裾分けしました。

 数年前、お世話になったご近所の方に差し上げて、とても喜んでいただいたことがありました。
翌年その家のご主人が、末期癌と宣告され闘病生活に入りました。
食欲が減退し日に日に体力が衰えていくご主人に、奥様が何か食べたいものはないかと尋ねたところ
「nihao家の昆布巻きが食べたい。」
とおっしゃったそうです。折しも季節はクリスマスの頃でした。
奥様から
「ずうずうしいことは承知の上でお願いします。今年も昆布巻きを作るのなら、どうか1本だけ分けていただけないでしょうか。」
とのお電話がありました。
 
 奥様は泣きそうで、お気持ちを推し量ると私も辛くなりました。
もちろんその年の昆布巻きは、万感の思いを込めて作りました。
たくさん召し上がることは出来なかったでしょうが、思い出していただけたことが嬉しかったです。
それから数ヶ月後、ご主人は帰らぬ人となりました。
以来年末には、こちらのご家庭に昆布巻きを持参するのが私の習わしとなっています。
 
 母のレシピを受け継いでおいてよかったと...........昆布巻きを作る度に必ず実感する思いです。