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マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

3・11 東日本大震災

2011-03-16 09:12:00 | 東日本大震災
 東北・関東地方に甚大な被害をもたらした国内史上最大の震災は、死者・行方不明者は数知れず、さらに原発事故までも誘発し、日を追うに従って残酷な全貌が明らかになってくる。
テレビの映像を見る度に目を覆い、悪い夢であって欲しいと願わずにはいられない。


 3月11日午後2時46分
この日、この時の恐怖を忘れることは決してないだろう。
静かに不気味に果てしなく揺れ続けた悪魔のゆりかご。
空も木も家も地面も大きく傾き、立っているのがやっとだった。
いつもならすぐ揺れがおさまるのに、いつまで経ってもおさまらず生きた心地がしなかった。
確実にどこかで、なにか取り返しのつかないことが起きているという予感がした。

 家の中は、棚から本やものが落ちてきたり、こわれた食器が散乱したり大型家具が倒れそうになっていた。
大きな余震が意地悪く繰り返しやって来て、その度に新たな恐怖心でいっぱいになる。
休みで家にいた夫は、職場のことが気がかりと言いすぐ車で出かけてしまい、私ひとりが取り残された。
何をしたらよいのかを考える余裕もなく、私は自分の車に乗り込んでぼんやりとラジオのニュースを聞いていた。

 すると隣家のマダムがやって来て
「あなた、のんびりしている暇などないわよ!
浴槽や鍋に水を汲んで、現金や貴重品や薬や食料品をひとまとめにしておきなさい。
また揺れて家が崩壊して、もう二度と家に戻れなくなることも想定しておきなさい。
暖かい服に着替えること。毛布を用意して車の中に運んでおくこと。
懐中電灯や携帯用コンロとカセットを用意すること。
明るいうちに今夜の晩ご飯を作っておきなさい。
ほらほら、ぼやぼやしていたらすぐ夜になるわよ!」

 マダム隣家のおかげで我に返った私。
確かに......夜はあっという間にやってきた。
長くて寒くて悲しくて心細い、我が人生最悪の夜だった。
携帯に子どもたちや兄弟や友人たちから次々とメールや電話がかかってくる。
みんなの励ましがとても嬉しかった。ありがとう。


 車のエンジンをかけて暖を取り、カーテレビで地震のニュースを見た。
あちこちで信じられないようなことが起きていた。
沿岸地域が巨大津波で壊滅状態!
あの美しい三陸の海辺の景色が、忽然と消えてしまったと言うのか?
こんなに多くのものを失って、人々は悲しみを乗り越えることができるのか?
はたして岩手県に復興する力はあるのか?


 日ごとに過酷な震災の現状が明白になるが、内陸部はライフラインも確保され元の生活に戻りつつある。
しかし物流は滞り、食料品店や燃料店の前には長い行列が出来ている。
買いだめが悪循環の元になるのは分かっている。
なのに行列を見ると加わらずにはいられない自分に自己嫌悪を感じながら並ぶ。


   


 外国人が一様に驚くという日本人のマナーのよさ、みんな静かに行儀良く順番を待っている。
そしてどこの商店でも限りある商品を、普段と同じか普段よりも安く提供しているのにはビックリした。
しかも牛乳とか野菜とか、全員に無料配布の嬉しい被災見舞いまでついてくる。
岩手の商人はなんと素晴らしいのだろうと心を打たれた。
この心優しき県民性があれば何とかなるかもしれないと思った。

 ガソリンが買えないので、今現在盛岡は、通勤や仕事用に自転車ブームとなっている。
みんな、物置から古くなった自転車を引っ張り出し整備して乗り回しているという。
自転車屋さんは大忙しだそうだ。
私も今回、キラリン・フワリン・ルンバのような全自動家電など、無用の長物であることを痛感した。
我が家で大活躍したのは『湯たんぽ』だった。
湯たんぽさえ抱いていれば、ひとときの寒さや心細さが不思議と鳴りを潜めるのだった。

 全自動より全手動! これが有事の際の常識だ。

 


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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (うらら)
2011-03-16 12:46:41
今回の地震では、私も自分の生活を考えざるを得ませんでした。
我が家は電気に頼る生活です。暖房も電気で、真冬の寒さでは不足だからと新たに暖房用エアコンを付けようかと見積まで取りましたが、再考します。

懐中電灯も乾電池が入っていない状態で、有事の備えもしていない我が家。
きちんと準備する必要がありそうです。
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うららさんへ (nihao)
2011-03-16 14:54:01
今回の地震では、先ずすぐ電気がとまりました。
私の住む地域では、幸いにもガスと水が大丈夫だったので、お湯を沸かして温かいお茶を飲むことなどはできました。
しかし...マダム隣家のお宅はオール電化。
マダムは我が家でお湯を沸かす羽目になりました。
憧れのオール電化ですが、この時ばかりはガス化(?)でよかったと思いました(^_^)

北海道の場合は寒さ対策が一番大切。
うららさんのお宅であらたに暖房器具を取り付けるのなら、充分お考えになった方がよいですね。
我が家も電池でつく旧式のストーブを用意しなくてはならないと痛感しましたよ。
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Unknown (kumasan114)
2011-03-16 15:47:58
大変でしたね。こんなときにもユーモアある文章、すばらしいです。がんばってくださいね。
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kumasanへ (nihao)
2011-03-16 18:43:11
昨夜はkumasanの住んでいらっしゃる方でも、大きな余震があったのではないですか?
お互いに無事で本当によかったです。

こちらは11日以降、一日に何度も余震があって常に揺れている状態です。
余震って...特にトイレとかお風呂に入っている時起きやすいのはなぜでしょうか?(^_^)
まだ夜もパジャマに着替えて、ゆっくり眠れるような現状ではありませんが、健康状態に留意して頑張ります。
ありがとうございます。
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復興できると信じたいです (ゆっかりん)
2011-03-16 18:53:38
テレビのニュースや、実際にnihaoさんの記事を見るにつけ、本当に大変な事が今起こっていると実感します。

特に原発のニュースを見ると、「これから日本は大丈夫だろうか?」と大きな不安を感じます。

でもきっと復興できると信じたいですよね!!

岩手県の心優しき県民性、そして日本人皆がお互いを思いやる気持ちがあればと信じたい。

まだまだ、nihaoさんも大変でしょうが、湯たんぽで乗り越えてくださいね。
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ゆっかりんさんへ (nihao)
2011-03-16 20:07:42
ゆっかりんさん、ありがとうございます。
日が経つに従って段々深刻さの度合いが高まってきましたね。
初めは「大丈夫か、岩手県?」のような感じでしたが、今では日本の先行きそのものが不安です。
一体どうなるのでしょう?
私たちは戦争を知らない世代だったけれど、それ以上の恐怖を知る世代になるのでしょうか?
とにかく事態が早く収束することを望みます。
そしてその先は...
>日本人皆がお互いを思いやる気持ちがあれば
それが一番大切なことではないかと思います。
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Unknown (風の又三郎)
2011-03-17 13:08:50
ブログが更新されていてホッとしました
構造系エンジニアは「想定外の」という
枕詞が流行りに成る程、本当に想定外でした
停電や物資不足は確かに大変ですね

昨夜、悲しい報せが届きました
この夏に東北ツーリングで会おうと思っていた
女川のバイク仲間が津波に呑み込まれて
遺体で見つかったという訃報に触れ
いつもシーズンになると生サンマを送ってくれた
明るい笑顔を思い出すとやりきれない思いで
言葉も出ないくらいです。暗い話でごめんなさい
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又三郎さんへ (nihao)
2011-03-17 17:14:30
いやはや大変なことになりましたね。
被災地だけではなく、その他の地域も想定外のことが起きています。
この先一体どうなるのか全く予測がつきません。
どうか最悪のシナリオだけは避けてほしいと祈るだけです。

そうですか。バイクのお仲間が......
やりきれないですね。
岩手、宮城の海沿いの人たちの防災意識はかなり高いのですが、今回は予想を遙かに上回っていましたから逃げ切れなかったのですね。
ご冥福をお祈りいたします。
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Unknown (panco)
2011-03-17 19:53:30
とりあえずよかったです。
ご無事で本当に良かったです!
私も今回の地震の被害者の(本当に)端っこにいるので多少不自由な生活をしていますが、被災地の方の事を考えると贅沢な生活といわざるを得ません。
あの日、心細い思いのとき友人知人が心配して送ってくれたメールや電話がとても心強かったです。
未だに余震や二次災害の可能性が拭えませんが、どうか前向きに!!
nihaoさんのことだから大丈夫だとは思いますが・・・(*^ー^*)
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pancoさんへ (nihao)
2011-03-17 21:27:27
pancoさん、ありがとうございます。
東日本大震災の前から、ちょっと行方の分からなかったpancoさんがご無事だったので私もすごく嬉しいです(^_^)

地震多発県に住み、さらに、最近大きい地震が多いなと思っていたのにも拘わらず、備えもせず危機感もありませんでした。
困ったことはたくさんありますが、一番困ったのはももちゃんのエサでした。
有事の際の売り出しは人間の食料中心で、犬のエサは並ばないの...
それに犬のエサのことなど訴えるような雰囲気でもない...
最終的には病院に行って、医療用の高い缶詰を売ってもらって解決しましたが。
ワンちゃんのエサも、乾電池同様普段から蓄えておかなければならないなと考えた次第です。
いろいろなことを学びました。
でももう二度とこのような体験はご免です。
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