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悲しみこそ永遠の力

2011-06-12 13:05:00 | 東日本大震災
悲みこそ とはのちから』 

 石川啄木の第一号歌碑の建立の際に生涯の友人金田一京助が寄せた言葉。
喜びや辛さは一時的な感情としてやり過ごすことが出来るが、悲しみはなかなか癒えることがない。
これは心の奥底に溢れ続ける「悲しみ」という感情を、新しい未来を呼び寄せる力に変えようとしながら生き抜いてきた啄木への応援メッセージだ。 

金田一京助の言葉は、没後百年を迎えた【2011・啄木祭】のテーマとなった。
このメッセージは、今回の東日本大震災にも大いに通じるものがある。
あまりにも多くのものを喪失した岩手県人の深い嘆きと悲しみ...もし力に変えることが出来たら新生イーハトーブが出現するのではないだろうか?
『悲みこそ とはのちから』 美しくかつ力強いメッセージだと思う。

 『2011・啄木祭』の講演者は、ご自身も新潟県中越地震を体験されている芥川賞作家の新井満氏
新井さんは『千の風になって』の訳詞、作曲でもよく知られている。
悩み多き青春時代に啄木の歌集と出会い、その後現在まで一貫して啄木の歌を人生の教科書としてこられたというお話はとても興味深かった。
死のうと思い詰めた時に啄木の歌で救われたことがあるそうだ。
 
 確かに...
苦境の中で生まれた歌だもの、生き抜くための参考になるものがたくさんあるはずだ。


新しき明日の来るを信ずといふ 
自分の言葉に 
嘘はなけれど (by 啄木)


 あれっ? ちょっと自信のなさそうな歌だが....
新しい明日がやって来るという信念も、時には揺らぐことがあるだろう。
辛すぎることが多すぎて自分を見失うこともあるだろう。
啄木は夢破れ不遇の人生に果てた。
しかし啄木の夢を我らの夢として引き継ぎ、この歌の続きを実現することが岩手人の急務ではないだろうか。
新しい明日は絶対にやって来るはずだ。




         


 大震災から三ヶ月経った6月11日、みちのくの初夏を彩る恒例行事『チャグチャグ馬コ』が、無病息災、五穀豊穣そして復興の祈願などの特別の思いを込めて繰り広げられた。
爽やかな風と美しい新緑の中を、華やかに着飾った九十頭の馬たちがチャグチャグと鈴の音をならして行進した。
沿岸部からも多くの児童が招待された。
岩手に元気と勇気を与えるお祭。
こちらも人々の悲しみを永遠の力に変えることが出来るきっかけとなったことだろう。








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6 コメント

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Unknown (風の又三郎)
2011-06-14 17:53:49
「一握の砂」に出てくる「朝の湯の 湯槽のふちにうなじ載せ ゆるく息する物思ひかな」

旅先の温泉で誰もいない早朝に薄暗い湯船につかりまどろみながら、
あれこれと思いを馳せて天井を見上げながら、ゆるく息をするという
又三郎の至福のひとときをうまく詠った詩だと思っています

先日、テレビで新井満さんが黒い帽子をかぶってのチャリティコンサートを
やってたニュースを見ました

「自由という名の お酒は美味しい もっとたくさん 呑んでみたいと」
「ワインカラーのときめき」たしかワインカラーのルージュのCMソングでしたね



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又三郎さんへ (nihao)
2011-06-15 08:37:12
>「朝の湯の....」
この歌知りませんでした。いいですね♪

新井満さんは、黒い帽子をかぶることで作家とミュージシャンのスイッチを切り替えるそうですよ。
現在は、大好きな啄木のお墓がある函館に居を移され、新しい活躍の場を見いだされていらっしゃいます。

私の記憶では、新井さんは現代の辻仁成さんとか水嶋ヒロさんのような、元祖イケメンアーティスト作家さんだったような気がします。
今でもすごく歌がお上手です。
講演中に自作の「千の風になって」とか啄木の短歌にメロディーをつけた作品を歌ってくれました。
「千の風になって」はさすが本家本元、秋川さんよりいい感じでした(^_^)
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皆が幸せになるために・・・ (ゆっかりん)
2011-06-17 20:04:15
「悲しみこそ とはのちから」
この言葉を、本当に日本中の人が胸に秘めてがんばらなきゃならないってことかなぁと勝手に思ってしまったゆっかりんです。

それなのに、今国会議員の方や霞ヶ関のお役人達は何をしたいんでしょうかねぇ?

↓ブログのパスワード、実は本当にわすれそうでした。トホホ・・・。
さすが、nihaoさん!!
千里眼ですね!!

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ゆっかりんさんへ (nihao)
2011-06-18 16:11:20
もし悲しみがとわの力になったら...もの凄く強大な力になりますよね。
震災後三ヶ月。
被災された方々は、復興が遅々として進まない現実に、悲しみよりはいらだちの方を募らせていることでしょう。
政治家たちが全く頼りにならない。
あのような体たらくを見せられては、傷口は癒えるどころか広がるだけです。

ゆっかりんさん、自分のパスワードを忘れるほどご無沙汰になってはいけませんね(^_^)
かくいう私もいつも忘れていますけれど。
最近の私、住所の所番地がすんなりと出てきませんわ
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Unknown (うらら)
2011-06-20 12:55:33
大沼国定公園には「千の風になって」のモニュメントがあります。
公園の景観を損ねないようにと高さを抑えて作られたそうです。

『チャグチャグ馬コ』のお祭りはニュースで見ました。
被災地では立ち上がる力を振り絞っているのに、国の立ち上がる力はどちらを向いているのでしょうか。
笑顔で「顔も見たくないと言われる」なんて発言される一国の代表にはびっくりです。
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うららさんへ (nihao)
2011-06-21 16:35:59
なぜ大沼公園に『千の風になって』のモニュメントがあるのかと思ったら...
新井満さんは大沼公園のある七飯町にお住まいなのですね。
そこで訳詞・作曲したのを記念してということで...う~ん、この関連づけはさすが北海道らしいです。
私も名曲誕生の地プレートを検索してみましたよ(^_^)

今年の『チャグチャグ馬コ』は、震災の関係でコースが変更になり 、我が家のすぐ側を通過しました。
そこで私も久しぶりにパレードを見学した次第です。
>国の立ち上がる力はどちらを向いているのでしょうか
仰ると通りです。やり切れない気分...
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