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マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

見えない世界

2011-04-20 14:30:00 | 東日本大震災

            



 やっと咲いた庭の梅。梅が咲くと桜の開花も間近だ。
今年の桜は東日本の人々にとって特別な意味を持つことになるだろう。
いまだ瓦礫の片付かぬ被災地、いや、それでなくても北国の春の景色は汚い。
桜前線よ、縦横無尽に駆けめぐり野と山と里に魔法をかけよ!
北国の憂鬱な大地と空を美しい桜色に染め上げろ!


 さて、我が家のももちゃんのお話をひとつ......
人間同様に震災のショックで体調を崩したり心的外傷を受けて苦しんでいるペットたちもいるようだが、ももちゃんは相変わらず元気だ。
娘の愛犬ココアは突然歩けなくなってしまったという。
さすが、成熟している(惚けている?)ももちゃんは、地震などでは揺るがない。
度重なる余震の日々にも手がかからなかったことは大変助かった。



             


 こちらの写真のシーズー犬は、岩手県宮古市田老に住むバブ(12才)
先般の大地震の際、83歳の飼い主さんを津波の被害から守った立派な犬である。

[バブは本当は散歩が嫌い。
でもこの日バブは異常を察し、飼い主さんをぐんぐんと高台へ引っ張っていった。
飼い主さんの歩みが緩むと、振り返って歩みを促すようなしぐさを見せ、追いつくと勢いよく前へ出る。
そんなことを繰り返しながら自宅から約1キロ離れた避難所への急坂を上りきっていたという。 
振り返ると、歩いてきた道は津波にのみこまれ、自宅も濁流の中に消えていた。
普段は散歩も嫌がるバブの行動に、飼い主さんは「津波を予知してたのかも」と不思議がっている。]
 
 この記事を読んで、すごくショックを受けた私。
ももちゃんもバブと同じシーズーという犬種である。
(あっ、自分の犬だけをちゃんづけしている訳ではないのよ。正式名が『ももちゃん』だから...) 
ただただ元気よく愛嬌をふりまいているだけのシーズーだが、忠犬の素質があったのだろうか?
人命救助も出来るような利発な犬だったのだろうか?
その能力をはなから疑って、きちんと躾をしてこなかったことが悔やまれてならない。


 「駆け寄ってくる、寄り添ってくる、しっぽを振る」  

 ももちゃんが愛玩犬の三原則を行使しなくなってからすでに2年は経っている。
駆け寄ってこず、寄り添ってこず、しっぽを振らず.....愛玩犬というよりは孤高な日本オオカミでも飼っているような気分。
全身が愛と喜びに満ちていた若き日のことは、もう思い出すことも不可能だ。
しかし食事だけはまだ私の力を借りなければやっていけない。
時間になると私の足下にやってきて「ご飯をください!」とワンワン吠える。 

 最近ももちゃんに大きな変化があった。
僅かながらの視力も消え失せ、光なき暗闇の世界に突入した。
お掃除ロボット・ルンバのようにテーブルや椅子の脚にぶつかっては、ビックリした顔をして方向転換する。
室内をぐるぐる回ったり、長い散歩に出かけることもある。
徘徊? 玄関に落ちていたり風呂場で寝ていることもある。

 視力をなくしてからの彼女、お腹が空くと奇妙な行動を取るようになった。
なぜかキッチンの生ゴミの袋の前に立って「ご飯をください!」と吠えるのだ。
最初は生ゴミの匂いが食欲を刺激しているのだと思ったが.....いや、違う!
どうやら生ゴミの袋が私であると完全に思い込んでいるようなのだ。
いくら目が見えないとは言え、許し難い勘違いだ。

 生ゴミとマダムnihao、 一体どこに共通点があるっていうのだろう? 
少なからず、いやかなり私は落ち込んでいる。 ぷんぷん!!






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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
東京の桜は終わりました (燃える闘魂)
2011-04-22 09:08:55
> 駆け寄ってこず、寄り添ってこず、しっぽを振らず

非媚(コビ)三原則ですね。ももちゃんちゃん(敬称付き)は、「ご隠居さん」とか「長老」のおトシなのだから、それでよいのでしょう。

目が不自由になって、おそらくは鼻も若い頃のようには利かないだろうから、だから「わかりやすい」匂いのところに寄っていくのだと思いますよ。

相変わらずの名文ですね!
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燃える闘魂さんへ (nihao)
2011-04-22 12:18:46
>非媚(コビ)三原則
そうそう!
非核三原則をもじってそのように言いたかったのですが、どうしても「非媚」と言う言葉が出てきませんでした。
非媚...あはっ、すごくかっこいい!ぴったりです。
ももちゃん同様私も、常に非媚三原則を貫いております(^_^)

愛犬を観察していると聴力、視力、嗅覚の順番で衰えてきているように思います。
最近は鼻先に食事の器を置いてもすぐには見つけることが出来ないので、いよいよ嗅覚も弱くなっています。
>「わかりやすい」匂いのところに寄っていく
なるほど...
ご親切なお答、ありがとうございました。


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 (百子)
2011-04-22 13:20:04
また今回もムフフと笑わせていただきました♪
ゴミの臭いと加齢臭は似ているのかも?
なーんて、これは失言ですね~。
私なんて、夫に「お前に近づくとなんか臭う。。。加齢臭?」なんていわれ、
「私のは、華やかで麗しいほうの“華麗臭”よ!!」と言い返しましたが、ホントはちょっと気になってたりする。。。(笑)
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百子さんへ (nihao)
2011-04-22 14:29:40
匂いのお話ってちょっと微妙なのですが.....
加齢臭ではなく華麗臭とやり返すとは、さすが百子さん、ご立派
「臭い!」と言い合える夫婦は仲良き夫婦!

匂いの問題は夫婦間でも遠慮して禁句となっていますが、私はもっとおおらかに考えてよいと思っています。
夫婦・家族でなければ正直に言えないし、事実をキャッチしてこそエチケット対策もたてられるというものです。
我が家? もちろん正直に言うようにしていますが喧嘩になることの方が多い....
どちらも修行が足りないんです。
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Unknown (うらら)
2011-04-22 16:22:24
>全身が愛と喜びに満ちていた若き日
これは私たちにもあった日でしょうか。
余りにも遠くまで来てしまったので、もう覚えてはいませんが

ももちゃんちゃん←私も敬称をつけました  も若い情熱は忘れてしまったのでしょう。
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うららさんへ (nihao)
2011-04-22 19:02:01
ももちゃんは老化とともに、人間にサービスすることも甘えることもなくなりました。
飼い主からすると、しっぽを振って駆け寄ってこない犬は、ハッキリ言ってつまらない存在です。
でもあらゆる身体機能が衰えはじめているのに、まるで一匹狼のごとく頑張っている姿は感動です。
可愛がられるだけが身上の犬が、今、老いた身体をさらして黙々と一匹で生きている姿は、なんともかっこいいんですよ。
私も誰にも媚びずに老いて暮らしていくことは出来ないだろうか...とついつい考えてしまいます。
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Unknown (風野又三郎)
2011-04-22 19:23:10
新聞に管首相の復興三原則(3原則と書くと和尚にやられます)(^^)は具体性が
なく何を言ってるのかわからないという批判記事を読みましたが、中身はともかく
として、理念を共有するための原則はやはり3つがいいようです
2つでは少なく4つでは多いのですね和尚様の「非媚三原則」は名言です


普段は散歩も嫌がるバブが何故か飼い主を高台に誘導という記事は読みました
なんでもいつもの散歩コースとは逆方向に走り出したのだそうですね
動物が危機を事前に察知するようなことは聞いたことありますが
自分だけ走って逃げたといのではなく、大切なご主人を助けなきゃ!」
とばかりに、振り返っては立ち止まり顔をあげて飼い主に「こっち、こっち!」
「もっと、もっと!」安全なところへ導いて助けたというのは、言葉を出せない
ペットが飼い主を思う気持ちに胸が熱くなってしまいますね
ペットは避難所では同居しにくいのだけれど、バブはみんなにかわいがられているようで
なによりでした


そういえば。盲導犬が列車の中で眼の不自由なご主人様の横にちょこんと待機している
のを見かけますが、とても優し目をしていて、いますよね
電車が到着してドアが開くと、黙々とホームから階段に向かう道筋を
ご主人様をリードしてゆく姿は、当たり前ですが一言も、ものを言わないだけに
健気さにジーンとしてしまいます

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又三郎さんへ (nihao)
2011-04-22 20:18:06
3原則も4天王も5穀豊穣も、これは和尚様にやられても仕方ないです(^_^)
『非媚三原則』これは使える名言です。
いろいろな状況で考えると面白そう...
時と場合に応じて媚びることも必要かもしれませんが
私には非媚三原則まっしぐらのももちゃんがとても誇らしいです。
甘えてこないのは寂しいけれど、どこかすがすがしい感じがします。

シーズー犬がこんなに賢い行動をとったということが衝撃でした。
シーズーって、頭の悪い犬ベスト10に入っています。御多分に漏れずももちゃんも。
バブのような立派な犬がいるのかと驚きました。
飼い主さんが高齢だから、ここ一番で頑張ったのでしょうね。
猫には絶対に出来ない行動です。
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三つ (燃える闘魂)
2011-04-24 12:48:33
「3原則」は、私の見解としては「好ましくないし、出来れば使って欲しくないが、間違いとまでは言えない」限界事例、どうしても判定せよと言われればセーフだと思っています。

これは『四天王』や『五穀豊穣』ほどの定型ではないし、またこれ全体で一つの言葉(単語)を形成しているとまでは言えないから、というくらいしか説明のしようがありません。

つまり、一般的ではないけれども「4原則」があっても良いし実際にある可能性はある。
『四天王』や『五穀豊穣』は、「持国点、増長天、広目天、多聞天(毘沙門天)」とか、異論はあるようですが「稲、麦、粟、豆、麻、黍、稗など具体的な五つの重要な穀物」もしくは「主要な穀物たち」という意味や定義を持つ一塊りの言葉であるのに対して、『3原則』は、「原則が3つある。3つの重要な原則」という意味しかなく、「三」と「原則」とは不可分に結び付いた一つの言葉ではありません。

まあ、そういうことになるのでしょうけれど、でも私も「三原則」のほうがずっとベターな表記であると思います。
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燃える闘魂さんへ (nihao)
2011-04-24 18:45:25
私も「3原則」が好ましくないとは思っているのですが、その理由は説明出来ません。
私の語感が「注意せよ!」と警報を出してくるだけです。
語感は大切なものではありますが危ういものでもあるので信用するには足りません。

でも闘魂さんの説明を読むとなるほどと納得させられます。
ありがとうございます。
おそらく私も...言葉には出来ないけれど、同じように考えていたのではないかと思われます(なんちゃって)
ああ、私も感覚に頼るだけはなく、理屈で裏打ち出来るようになりたいです。
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