隣接のスキー場が有名な安比（あっぴ）高原。
道ばたの蕗を採りながら登っていくと、優しい光と風に包まれたパノラマビューが出現した。
週末は屋台が出たり乗馬体験が出来るので人出があるらしいが、ウイークディはとても静かな癒しの空間となる。
天空でさえずる鳥の声の爽やかさ、名も知らぬ草花の愛らしさ。
森林浴を楽しみながらウオーキングコースを散策した。
立原道造の美しいソネットを思い出す。
夢はいつもかへつて行つた 山の麓のさびしい村に
水引草に風が立ち
草ひばりのうたひやまない
しづまりかへつた午さがりの林道を
......（略）......
【のちのおもひに】
ソネットというのは（4行・4行・3行・3行）からなる定型叙情詩。
学生時代に、このソネットの定型を使って甘い恋愛詩ばかり書いている友人がいた。
若さゆえの傲慢な日々、意地悪で生意気な私は
「時代はソネットを求めてはいない。こんなカビの生えたような定型から飛び出さなくては駄目よ！」
なんて言って怒らせてしまったが.......。
しかしこの友人は、いまだに詩人を続けている。
ソネットではなく叙情的な現代詩だ。
なんか賞を取ったりして、ちょっと有名になったみたい。
もし再会の機会があれば心から謝らなくてはいけないと思っている。
我が家の庭に、今年も山椒の葉が生い茂った。
食用で使う方法も知らない。鑑賞用にもならない。棘は痛いし.......
無用な上に厄介な植物だとの認識しかなかったが、すずめさんのブログを読んで目が覚めた。→【にしんと山椒】
会津地方の郷土食だそうだが、葉をたくさん使用するレシピによって、にわかに出番となった我が家の山椒。
山椒で香り漬けにする方法は、他の食材にも応用ができるかもしれない。
急に山椒が愛しく大切なものになった。
すずめさん、ありがとう。