文前大統領、「適者生存」の本を紹介しつつ
「私たちは成功しているのでしょうか?」
登録:2022-07-08 09:39 修正:2022-07-08 10:28
「協力的コミュニケーションで社会繁栄」
尹錫悦のリーダーシップを遠まわしに批判と解釈
尹錫悦のリーダーシップを遠まわしに批判と解釈
文在寅前大統領のフェイスブックより//ハンギョレ新聞社
文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は7日、フェイスブックに「適者生存」を扱った科学の本を紹介しつつ、「適者は強くて冷酷なのではなく、協力的コミュニケーション能力にもとづく親和力」があるとし、「いま私たちは成功しているのでしょうか」と記した。
文前大統領はこの日、フェイスブックで進化人類学者ブライアン・ヘアらの記した『ヒトは〈家畜化〉して進化した―私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか』を紹介した。身体的に優越したネアンデルタール人ではなく、ホモ・サピエンスが最後まで生き残った理由を進化人類学的観点から紹介した同書は、適者生存の法則によって生き残った存在は「強者」ではなく「互恵的存在」であることを強調している。文前大統領は「『適者生存』の進化において『適者』は強くて冷酷なのではなく、協力的コミュニケーション能力による親和力を持つ者だという意外な事実を多くの資料によって示している」とし、「興味深く温かい科学書」と記した。
続けて文前大統領は「社会と国家の繁栄も協力的コミュニケーション能力にかかっている」とし、「いま私たちは成功しているのでしょうか」という問いで文章を結んだ。絶えず前政権のせいにして野党とも対決的基調を維持している尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領のリーダーシップを、文前大統領が批判したと解釈される。出版社は同書の紹介文で「この本は憎悪を煽って権力を握ったトランプ時代に書かれた」としつつ、「私たちの種が生き残り、進化するために、私たちの正義を拡張しなければならない」、「私たちの人生はどれほど多くの敵を征服したかではなく、どれほど多くの友人を作ったかで評価しなければならない」という同書の文章を紹介している。
オム・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )