どこ吹く風

旅のことを主に書く。

鹽水の蜂炮

2005年09月30日 07時12分22秒 | 台湾-鹽水
 鹽水の花火大会は花火大会というにはあまりに優しすぎる表現だ、蜂炮(爆竹)をそれもロケット花火を群集に向けて水平撃ちするお祭りです。
鹽水は変換がタイヘンなので塩水と表記します。

 ある時台北でTVを見ていたらニュースの時間に爆竹が打ち鳴らされるのを背景に破れた衣類を自慢げに見せる若者の姿が写っている。何やら馬鹿騒ぎがあったようだ。言葉が分からないのでその程度しか理解できなかった。

 またその後日本のTVで台湾の花火祭りの様子をレポートする番組を見た、アッあれは台湾のTVで見たアレと同じだ・・・
それで図書館へ行き台湾関連の書物を広げた。探しきれない、旅関連のガイドブックを捲っても見つからない。

 ある時本屋で立ち読みをしていたら、コラムに塩水の花火大会の様子が書かれているのを発見した。そのとき塩水という地名を知る。是非見て見たいものだと思うようになり調べた。

 地名が分かると位置やお祭りは何時頃開かれるのかなど調べ易くなった。調べながら胸がワクワクしてきた。あのような馬鹿騒ぎは見ていても面白いが、自分がその渦の中に居るならもっと面白いだろう。

 妻に馬鹿騒ぎする爆竹大会の話をすると乗ってきた。今度の大会の日に合わせて見物へ出かけることにする。妻は大阪に住んでいる妹に連絡を取ると一緒に行きたいとのこと、娘も(我々から見ると姪)同行するという。
我が家夫婦と二人の娘、息子は日程が合わなかった。

 台北から台南へ飛んで、台南からの手段は現地で考える事にする。ただお祭り当日のフライトなので時間的にどうなるかという懸念は若干あった。妹とは国内線の松山空港で落ち合う事にした。

 出発の前に下準備がある、TVで見た様子からすると身の安全面は十分な対策を立てる必要がある。ヘルメットにマスク手袋は必需品のようだがヘルメットは嵩張るし、人数分揃えるのは金が掛かる、たった数時間使ったあとはジャマになるだけのシロモノだ。将来にわたっても使わない。それでフード付きのジャケットで代用する事にした。

 目の保護は作業用保護メガネを買った。目は絶対に保護しなければならないので金の問題ではない、幸いメガネは安物を見つけたので6個買った。あとは軍手にマスク代わりのタオル、フード付きのジャンバー。それぞれ用意をした、これほど気張って準備しなければならない程危ないお祭りなのだ。

 時期は元宵節の日、つまり旧暦1月16日である。
オキナワでもその日はジュールクニチーといい、グソウ(あの世)の正月である、宗教的に「まつりごと」のある特別な日は共通している。バカ騒ぎも台湾人の祖先供養の一つの現われか。

 胸はずむ想いで準備を進めた。

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