どこ吹く風

旅のことを主に書く。

夕焼け

2006年03月19日 18時06分34秒 | マニラの印象
 マニラの夕焼けは素晴らしい、毎日見ていても飽きなかった。夕方窓越しにマニラ湾を見るとキラキラと波が光るのが眩しい。その波がキラメクその向こうに真っ赤に焼けた太陽がある。
雲も染まっている、遥か彼方の空も燃えている、これがマニラの夕日だ、夕焼けだ。
「マニラ湾の夕日は世界一だ」と昔を思い出すように目は遠くを見ながら話していた戦前のフィリピン居住者を思い出した。

 私が滞在していたのはロハスブルバードとビトクルス通りの角にあるレガスピータワー300というマンションだった。会社が3ヶ月借りた部屋で、シャワー付きの主寝室の他に2部屋のベッドルームがあり、狭いがメイドルームもあった。
全体が広い割りにはキッチンは狭かったが単身赴任状態の我々には充分の広さだった。

 リビングは充分な広さがありベランダ越しにマニラ湾が望め、ソファーに坐ったままで夕日が眺められた。あの壮大な景色に色の変化を見ながら高校の教科書にあった志賀直哉の「城崎にて」の一瞬一瞬の描写に感動したことを思い出し、この瞬間この光景を何とか書いてみたいと思うも、思うだけで言葉が出てこない。

 ザンネンだ、カメラも持っていなかったので記録は記憶のみで、真っ赤な夕日もセピア色になりつつある。その後も何回かマニラへ行ったが、あのレガスピータワーから眺めた夕日ほど綺麗なものはなかった。

 昨年(2005年)家族で行ったとき海岸まで夕日を見に行ったがスケールや大空を染める色に物足りなさを感じた。あの真っ赤に燃える太陽が静かに彩度を落としながら、しかし燃え尽きずに遠くへ去り、名残の夕焼けが高い雲に映えていたあの夕日・夕焼けは何処に行ったのだ。
訪れた時期の違いなのか・・・
また夕日を見に行きたいものだ。

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