どこ吹く風

旅のことを主に書く。

マニラの二階建てバス

2006年03月18日 06時15分15秒 | マニラの印象
 リサールパークを発着しパサイまで往復するバスツアーに誘われた、日本語達者なUP(名門フィリピン大学)出身のベリーさんから。
 
夕日ツアーにしたかったが出かけたのはとっぷり日が暮れた後だった。リサール公園は夕涼みなのか人出が多い。マニラは何処でも人が溢れかえっている状態だから公園に人がいても不思議ではない。人がいるところには屋台がでる、アイスクリームを舐める。フィリピンのアイスクリームは美味しい、椰子を半分に割って果肉を削りながら食べさせるところもあるようだが私はそれに遭遇したことはない。

 公園の正面入口にバスが止まっている。鼻付きのオンボロバスで後に梯子があり屋根に登れるようになっている。出発の予定時間だがお客が少ないのかまだまだ出そうにないのでリサール像を見に戻る。建国の英雄を称える公園で広く野外音楽堂や庭園がある。

 バスに乗り込むがお客は少ない、二階建てバスがウリなので屋根に上る。フツーのバスの屋根に床を敷いて周りに鉄パイプの手摺が廻らされているだけである。木のベンチが並んでいる。オープン、吹きっ晒しの二階建てバス、言葉は悪いが如何にもフィリピンらしい二階建てバスだ。
梯子も手摺も配管用パイプを溶接して作ったもので、ベンチもその辺りの工場で作ったようでデザイン仕上がり共に実用本位の代物、かえってこういうものが旅情をそそられるというところか。

 イチバン前に陣取る、右側通行なのでパサイ向けは海側を走る。ロハスブルバードは幹線通りで中央分離帯の両側に3車線の車道がありさらに並木に歩道がある。椰子や大木が植えられている。木はクァーデーサーのように葉っぱが大きい。
世も更けてきているので前方は暗くハッキリは見えない、何かサラサラとかザワザワとかいう音が聞こえてくると同時に何かが現れた、首を引っ込めると木の枝が頭の上を通り過ぎた。

 車道に突き出た枝がところどころにある。そのままボケ~ッとしていると枝にアタマを打つ羽目になる。それ来た~と首をすくめる。海に浮かぶ光、遥か彼方の光、通りの反対側のビル家並みを見ながら木の枝に注意を払うという面白いツアーだ。
屋根の上だから涼しく見物する位置も良い、このような観光は何処彼処で体験できるわけでもない。
ただ乗ったというだけ、それだけでも自慢できるというツアーだった。その証拠にこのような経験をした人に未だ会ったことがない。
少なくとも私の周囲には自慢できる、二階建てバスに乗ったぞ~と。

今ではこのツアー、このようなバスは無くなったらしい、無くなっても当然という感じのバスにコースだ。
フィリピンらしいバスだったのに惜しい気もする。

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