どこ吹く風

旅のことを主に書く。

2009年08月26日 17時50分03秒 | チロル~シャモニ
 峠という言葉の響きが好い、我が島ウチナーに峠はあるのだろうか、あまり聞いた事が無い。ヤンバルの山は深いので道を切り開いて道を作るよりもサバニで行き来するのを選んだのだろう。

 初めてスイスへ行ったとき案内してくださった先輩が、フルカ峠を通りアンデルマットへ行きたいとポストバスの始発マイリンゲンまで行った。しかし時期が早やすぎて運行していなかった。その時アルプスは山を見るだけでなく峠を通るのも楽しみ方の一つだと学んだ。フルカ峠という名前も聞いたことがあるような無いようなその程度のものだった。
 それで峠に興味を持ち次ぎの機会にフルカ峠を通る計画を立てようとした。しかしポストバスの峠巡りは、”日”という漢字の中棒をフルカ峠とすると周囲をグルッと回るコースだ。フルカ峠が外れるのは残念だったけどそのコースに乗った。
マイリンゲンーグリムゼル峠ーヌフェネン峠ーアイロロ(昼食休憩)ーサンゴッタルド峠ーアンデルマットースーステン峠を通りマイリンゲンに戻る一日がかりのコースであった。今では整備されて車が通るがそれでも峠へは天まで届くのじゃないかと思えるほどの九十九折の道が続き、着いたらそこには池とホテルがあった。旅人はホッとしたことでしょう。

 今回はドロミテの峠道を幾度となく上り下りした。峠を越えて人・物が行き来した往時の苦労が車に乗っていても分かる。人間はエライものだと改めて感心する。
これまで通った峠はバスやレンタカーだったが、ゲンミ峠は下りだけだが歩いた。殆んどの峠みちは整備されて車両の通行ができるようになったのにゲンミ峠だけはその地形の所為か今でも昔のままだ。峠への両側の取っ付きのロープウェイが設置されているがその間は歩くしかない。物流のルートはとっくの昔に外れただろう。人の往来もレジャー客だけと思われる。ロイカバードとカンデルシュテックのロープウェイの中間にホテルが未だ営業していた。石造りの立派なホテルだった、営業が成り立つほどハイカーなのでレジャー客が多いのだろう。トイレを借りたのでお礼の意味もあり杏のパイを注文した、フワーッと口に優しく疲れを癒す味だった。断崖絶壁に作られた道を上ってきた人たちもこのホテル(Hotel Schwarenbach)でひと休みしたのだろうか。

 3時間のハイキングでカンデルシュテックへ下りるロープウェイ乗場に着いた。下りなのでこの時間で歩けたけど、逆コースなら・・逆なんて最初から考えなかったので旅程を立てるとき苦労したのだ。

 峠のイメージは上りだ。ましてや下りだけの峠なんてものは無い、それでも敢て私は下りだけを歩くのだ。
これまでに峠をバスや車で何ヶ所も越えた。それぞれ特徴があり景色も素晴らしい。峠巡りはアルプスの一つの楽しみ方である。


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