沖縄を考える

ブログを使用しての種々の論考

詩395 「人間の国」でない国にいる我々 18

2012年11月04日 10時02分46秒 | 政治論
 沖縄近海久米島近在の入砂島で日米共同統合軍事演習をするはずだったが、度重なる米軍不祥事の沖縄県民に及ぼす悪影響、地元民の反対、及び中国の反発を考慮して中止になったことに来日中のキャンベル米国務次官補が激怒し、「対中尖閣対策としての威嚇的演習なのに何故中止するのか」といったとか。だがこれには多少の尾ひれがついて、米国務省辺の対中脅威も尋常ではなかったらしく、今やアメリカ合衆国は日米安保体制において対中的には完全に及び腰、あるいは退散傾向へ移行し始めたというニュアンスにある。つまり軍事演習ごときで「抑止力」効果を演出しようというペンタゴンの半可通は最早現今中国の威勢には通用しないことが暴露されたわけだ。数年前の対北朝鮮画策事件も徒労に終わったし、西太平洋の覇権はハワイまで押し切られる形勢にある。一方現政権の半可通もいずれ無駄に終わる「中道」路線へのシフトは、彼らにあって現憲法維持平和外交理念というのが本物ならば遅きに失したとはいえ政権維持期間の唯一の成果といってもいいのである。だが、これには公明党との相違点を見いだせず、党としては事実上有名無実の存在になり了したことを意味するし、野田政権において次期選挙対策としてマニフェスト化する事実は、決して二匹目の泥鰌は望めない厳しい民衆裁断にさらされることになる。いずれにしても国内74%の米軍基地を抱える沖縄島嶼は、常時戦時体制にある環境自体に劇的な変更があるわけでもなく、米中の覇権争いは周辺地域にとって多大の精神的痛苦を伴う尋常ならざる状況であり、違憲的に持つハメになった自衛隊という軍隊を武装解除させ災害に限定した救助隊に編成替えし、国内外に平和憲法遵守平和外交優先理念をアピール宣言して同時に日米安保条約破棄、平和友好条約に変更するという、この状況を早々に現出させないと、沖縄はリアルに戦火に巻き込まれ沖縄戦の轍を踏むことになるのは目に見えている。アメリカの深慮遠謀に乗せられてはならない。彼らは現在の普天間固定化状況にほくそ笑み、オスプレイ配備増強の産軍複合体実益を確保することに成功し、防衛省の馬鹿どもは自衛隊にもオスプレイ導入を図ろうという計画さえアメリカに押し付けられている。「民主化」しようとした民主政権潰しにあらかた成功し、小沢一郎を政治的に減退させ、安倍晋三軍国主義者亜流(安倍ならほぼ思い通りに牛耳ることができる、と踏んだ)を次期首相に就けようという魂胆であろう。安保容認の石原慎太郎も恐らくは御し易いタイプに違いない。つまり現状では国政への期待感はゼロに等しく、地方の一県知事がアメリカに直訴しなければならないというこのていたらくは、沖縄県民にとって自己保存と幸福追求の意志において(つまりは憲法に言う基本的人権の確保)何らかの抜本的対策を講じなければならない実態を示唆している。(中断)