古文書の会の今回のテキストは、
森田柿園の『(前田 斉泰の)能州御巡見記』
斉泰一行が総持寺へ入った時の様子から
「一
寺口惣持寺殊之外御馳走仕候由書院に
厚畳ミウンケンヘリ寶物不残錺置何も拝見揃候處
又臺子を新出来新茶碗幾所も錺建御付勢軽キ
者ニ至迄銘々ニ蒸菓子干菓子ノ両品
夥敷包ミ出し薄茶煎茶など振舞轉番
、、、、、、
御免無之乃此度惣持寺ハ千両余も物入之由
、、、、、、」
門前町の総持寺が斉泰一行総勢七百名ほどの接待に千両余り(現在の金額にして1億円以上)を使ったという。
単に御馳走を振舞っただけでなく、高級畳を入れ替えたり、宝物を陳列したり、新品の茶碗を用意したり、
何ともはや、盛大なことである。
藩の役所から各宿所(お泊り本陣)、各休憩所(御中休本陣)へ指示書が送付され、その指示にしたがって準備したらしい。
日本がもてなしの国になるわけだ。