柏市の甲状腺検査で補足的な情報が出ていました。ただ、補足というよりも、本質的な話です。こんな話は最初から明示する話だと思いますが。。。
--------------------------------------------------------------------------------------------------
Q1 C判定が福島県「県民健康調査」と比べて多いのはどうしてですか。
C判定につきましては、結節やのう胞に限らず、比較的よく見られる甲状腺の疾患が疑われる場合も含まれます。確実に二次検査が受けられるように判定の対象としたため多いと考えられます。現時点では最終的な結果は出ておらず、福島県「県民健康調査」 と単純に比較できるものではありません。また、現時点ではがんと診断された方はいません。今後も継続的な調査をし、結果につきましては、まとまり次第、ホームページ等で公表していく予定としています。
--------------------------------------------------------------------------------------------------
つまり、このC判定は単純性甲状腺腫、腺腫様甲状腺腫、バセドウ病、橋本病をうたがうものも含んでいること。
がんを疑っている事例のほうが、相当に少ない可能性が高いと思います。現時点ではありませんし。
しかも、もしかするとB判定てある、のう胞20.1ミリ以上や結節5.1ミリ以上というサイズに達していなくても、C判定としている事例があると考えるべきかもしれません。
これはいろんな意味で、全く考え方が違うことをしていたということです。
あまりにもC判定が多いため、通常ならB判定に入れるべきものを広く考えているのかと思っていましたが、どうやら全く違う考え方で行われている模様です。
この考え方に関しては、リスクを広く捉えるという意味で理解できるものですが、福島検査との比較は殆どできない公開データになっていると思います。
こうした一般的な甲状腺疾患の可能性がある情報と、甲状腺がん可能性を考えた情報の区分をしないと、大きく誤解を招く原因となると思います。広くリスクを取っていることは評価できますが、そのリスクをどう考えているのかという内実をきちんと伝えないと、一般に大きな誤解を生じさせると思います。
僕は最初の時点で、C判定が多すぎることに違和感があり、その判断に慎重な記述をしていましたが、やはりという思いもあります。今回の説明でおおよそは了解しました。被曝を懸念する医師たちの感覚でも、こういうことなら理解はできると思いますから、あとは、C判定とB判定との関係性に関して、連休明けに電話取材で確認はしておこうと思います。
しかし、正直に言うと、市町村レベルの広報は、そもそもレベルが高くありません。ですから、いつもいつもは、常識的なやり方で情報提供はなされていないと考えるべきだと思っています。しかし、どんな形で実際の情報と、広報で公開する内容がずれているのかを、こちらが確認できない状況も多いです。今回はそういう事例と思います。少なくとも、福島県民調査と考え方を変えて判定基準を作っているならば、そのことは最初から明示するべき事例であると思います。
なお、性別は、B判定は男女比は男性4人と女性3人。
判断基準が県民調査とはまるで違うC判定は男女比は男性2人と女性9人。
年齢区分の表も掲載しておきます。
幼児や小学生にC判定があることをどう考えるのかは判断が難しいです。甲状腺がんではなくても、甲状腺疾患が幼い子にもおきている兆候と考えられなくもありませんが、あまりにも広い判断基準のC判定なので、原発事故前との比較も難しいでしょう。こういう数字はあるけれども、更なる判断ができないと現時点では考えておくべきでしょう。
=======================================================
【 国立がんセンターのがん予防・検診研究センター長が唱える「福島の甲状腺がんは過剰診断」をどう考えるのか 】
僕の情報発信をきちんと読みたい方は、メルマガを購読してください。発信している内容密度も、情報量もあきらかに違います。
毎週金曜配信「木下黄太メールマガジン」 (月4回)
被曝関連の健康症状等、重要情報はメルマガでのみ配信、ぜひ購読を⇒⇒⇒http://www.hoshanobogyo.com/
=======================================================