「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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「放射能ミスト」、視認できる大量の水蒸気がどの程度放射性物質を含んでいるのかは懸念するべき。

2011-06-05 13:07:29 | 福島第一原発と放射能

 1号機の1階床の気体を運ぶための配管周辺から、水蒸気が出ていて、周辺が四千ミリシーベルトであることが報じられています。これは、尋常なレベルではありません。水蒸気の量が多くない事を信じたいですが、このような高濃度に汚染された放射性物質が、水蒸気のような感じで、大気中に放出されている可能性が否定できません。そうすると、夜に視認できる事の多い、大量の水蒸気がどの程度放射性物質を含んでいるのかをやはり考えなければなりません。ぼくが大量の水蒸気を気にしているのは、そういうことを懸念していたわけで、水蒸気を、普通にみなすものばかりではないということを言っているだけです。もちろん、水蒸気がすべて高濃度に汚染されているという意味ではありません。

 ただし、ここ数日書いていますが、粒子が小さい放射性物質の懸念ということも、こうした水蒸気として、とけこんでいるものが、もやのような形でもれだしていて、空気中に拡散していっているのではないのか。この場合、軽い放射性物ほど、風の流れに乗って運ばれていきやすくなるかもしれないと、考えています。放射能の水蒸気というか、ある意味霧状のもの、「放射能ミスト」ということを気にしているという事です。「黒い雨」という形で、わかりやすく、雨を注意するだけでなく、こうした水蒸気の放出も、そのときの風向きや風の強さも気にしながら、警戒しなければならないのではということです。

 核燃料の状況がまるで見えない中で、判断が難しいのですが、検査関係者と話していると、関東圏でも、ヨウ素の検出がまだ多くて、そのことが、半減期を考えると分からないと聞きました。別の専門家は、間欠的に核物質の反応がおきているのではないのかという見立てを僕に述べています。こうした反応の場合、粒子のきわめて細かい物質が出やすくなるのではという見解も米軍関係では、あるとも言われました  

 大阪の対話集会は会場が満員になるくらいの数でしたし、積極的に行動したいという意志が強い関西の皆さんの熱気が、土地柄もあって大変に強かったです。その中で、チェルノブイリを当時ヨーロッパで住んでいて、その立場で知っている方と話しましたが、千キロ以上離れたヨーロッパでは、連日風向きや雨の警告が新聞やテレビで恒常的に行われ、どこの地域でこういうものが検出されたから、これは食べてはならないということが、連日報じられ、そのことについての警告が、学校内でもあたりまえのように先生から行われていたディテールを詳しく伺いました。

 はっきりいって、一週間程度でおさまったチェルノブイリの影響を、年単位で心配していたヨーロッパの状況を伺うと、数ヶ月継続している福島第一原発の状況を懸念しないようにしようとする日本人の感覚が、僕にはさっぱり理解できないです。これは、政府機関をはじめ、自治体、あらゆる公的な団体、マスコミも優先順位を間違えていると思います。3/12や3/14の爆発以降は、広域に放射性物質が拡散する可能性を、強く警告し、具体的な防御策をとるように主張しなかった事は、本当は犯罪なのだなと痛感していますし、そうしたことを未だにあいまいにしていくことが許されるとも思えません。というか、許せません。

 自分自身もこのブログでお伝えするまで、三月には、数日の心理的な葛藤があり、それが遅れた事は、ものすごく反省しています。大状況がかなり見えていたわけではないですし、証拠が明確ではありませんでしたが、直感的に気づいていた事だけでも、自分の直感を信じて、もっと早く書き進めるべきだったと思っています。組織内でできなかったことも僕の力不足ですし、数日の葛藤も、今にしてみれば、遅れただけマイナスだったと反省しています。すいませんでした。

 関西で討議で懸念が出たのは、放射性物質を含んでいるガレキの処理問題です。これの解は一つです。放射性物質を含んでいるかどうかの懸念を厳密にチェックする事。これに曖昧な基準を適用しない事。その厳しい判断に基づいて、放射性物質が残留している可能性があるガレキは広域に処理しない事。それしかありません。放射性物質は広域に、拡散させないようにするほうがよいのは言うまでもありません。細かい粒子による懸念が高まっている状況がおきてきていることを踏まえて、地域的に拡大させない努力が必要と思います。

 

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一人でも多くの方が参加し、行動してください。Facebookのグループ「福島第一原発を考えます」は行動する皆さんの参加を期待します。参加は→ http://www.facebook.com/home.php?sk=group_163985373661863

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①「6月11日(土)午後から官邸や国会周辺にお散歩しましょう」

②「黄色のリボンや黄色の帽子など黄色の物を身につけましょう」

  

 


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42 コメント

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Unknown (幸一)
2011-06-05 14:56:56
大阪の講演会では非常に丁寧な説明を頂けました。開催して下さった方々共にありがとうございました。
汚染が広がっている今、一人一人の認識と繋がりが大事だと改めて思い知らされました。

各地での放射性廃棄物の受け入れ、汚染食品の意図的普及は止められない事を前提に、個別で吊るし上げて行くしかないという悲しい現状の様です。
政府は一体何をやっているのでしょうか?しかし責めるだけでは意味もなく…。東電には何とか補償をして貰おうと訴訟を準備をしている方もいました
国民の認識が低い内に起こる611のデモですが本気で考えている方も多く、参加をしてみようと思えました。
国民にとって今は無政府状態です。私達はいつまで毟り取られなければならないのでしょうか?狭かろうと結局は、自分達でやるしかない事も実感しました。

参加されていた吉田明彦さんの説明も非常に分かり易く、大変参考になりました。やれる事は少ないというのに問題は山の様にあります
彼は自身も惑わされて来た政府の対応について、素晴らしいノートを書かれています。少しでも疑問に思っている方は是非読んでみて下さい

なぜ騙されるのか。「不幸の均霑」プロパガンダについて
https://sites.google.com/site/livingwithfukushima/literature/critics

放射性廃棄物でも"基準値以下"とされ、持ち込まれているのは確実です。
スーパーの食材でも裏で金が流れているかも知れないという事を、一体何人の方が認識しているのでしょうか。

今は時間のある人しか事実を知らない、皆は見たくないだけという情けない状況。上辺の発表や数値に惑わされないで下さい
放射性物質は微量で危険です。「仕方ない」 「気のせい」 放射能は人の気持ちに食い込んで来ます。
正しい認識が必要です
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SPEEDIの予測結果の即時発表を要請しました (Unknown)
2011-06-05 14:57:30
木下さんのブログをいつも拝見しております。

私は茨城県北部に住んでいます。
3月、SPEEDIの予測結果が発表されていれば、被曝せずに済んだのです。
何も知らず、子供と外にいました。

私たちはSPEEDIで予測ができるということを知らなかったのです。
知らなかったとはいえ子供たちを被曝させてしまったことに、後悔と悲しみと悔しさの中にいます。


先ほど文部科学省にSPEEDIの予測結果の即時発表の要請をメールしました。
原発事故の終息のめどが立たない今、これ以上の被曝を防ぐためヨーロッパの様な予測結果の発表は必要だと思います。

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見えない現実 (マリア)
2011-06-05 15:55:31
私たちは自身の土地を愛する気持ちが無意識に強いのだと感じます
だから認めたくないし真実は受け入れたくない
自らに降りかかるまだ見えない被害を想定するのはおそらくいやなのではないでしょうか
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清水社長 (ai)
2011-06-05 17:28:27
日々あまりにもいろんなニュース(原発関連)が続き、感覚が麻痺したかのように、ちょっとやそっとのことでは驚かなくなってましたが、これはめまいがしそうでした。


【311地震の4ヶ月前に日本初の放射能性セシウム体内除去剤が承認されていた】
 
日本メジフィックス社
 ・出資比率  住友化学(株) 50%
        GEヘルスケア 50%
         
 ・東電の清水社長が副会長

http://ccplus.exblog.jp/14623170/
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ヨウ素 (事務局①)
2011-06-05 17:39:59
要するに再臨界しているということなんでしょうね。
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放射性ミスト (千葉県東部在住)
2011-06-05 18:07:56
放射性ミストのお話、なるほどと思わされます。

わたしは千葉県東部在住で成田空港が空中24mで測定して公開しているデータを参考にしていますが、0.1マイクロシーベルト/時以下にまったく下がらず、被曝が続いています。
放射性物質の放出が続いていて、それが影響していると思っていましたが、放射性ミストのお話を聞いて、その一つが放射性ミストであろうと思いました。

http://www.narita-airport.jp/jp/radiation.html

上で「幸一」さんが紹介されている「なぜ騙されるのか。「不幸の均霑」プロパガンダについて」は大変示唆深いものでした。
計画停電が人々の目をそらせる情報操作であったこと、さまざまな被害者の「分断」が行われていること(福島の人々を避難させなくて被害者に階層を作っていることもその一つだと思います)、その通りだと思います。
首相官邸内の奥深いところには情報操作の専門家がいて操作しているのではとすら思ってしまいます。
そのからくりを明らかにして、多くの人が操作されていることに気づかないといけないと思いました。
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ぜひ調べて下さい。 (木下さんへ)
2011-06-05 18:52:15
福島第一の1から4号機の使用済み燃料が
建物の倒壊の危機のなか、
大変な状態だと聞きます。
爆発、海水注入による鉄骨の錆、
台風、再度の地震などによってこれらの建物が倒壊して中にある使用済み燃料500tほどがすべて爆発したらどうなるのでしょうか。
関東などもろ危険だし、そうなったら海外に脱出しなければならないと思うのですが。
菅直人民主党大臣は、原発は収束に向かっていると嘘をつき、関東の人たちはマスクもしていないようですが、大丈夫なのでしょうか。
この福島第一原発の爆発して傾いている4号機などがネットでとても話題になっています。
もしこの、4号機が倒壊すると建物の中にある1330本ほどの核燃料が爆発してしまうのでは!?
ぜひ、記事にしてこの問題を追ってください。
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Unknown (埼玉在住)
2011-06-05 18:54:28
幸一さま
吉田明彦さんの”「不幸の均霑」プロパガンダ”を読みました。ご紹介くださりありがとうございます。納得です。

怒りを持ち続けることに疲れてきて、最近は自分の感覚が徐々に鈍くなり「もう仕方ないのか」と思い始め袋小路に入ってしまいそうでした。

気持ちを新たに、考えていきます。

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Unknown (mi)
2011-06-05 19:46:23
いつもfacebookでもブログでも、有用な情報をありがとうございます。

後出しジャンケンの政府ですら抑えきれないくらい、耳を疑うようなバッドニュースが毎日あふれてきます。

今回の震災では調べれば調べるほど、政府というものの本質、原発管理のずさんさ(わざとなの?)、そして日本人の平和ボケっぷりに絶望してきました。今まで東京に住む普通の主婦として暮らしてきて、何も気付かず、関心すら持たなかったことが本当に恥ずかしい。

たくさんの人がつながって大きな行動を起こすことで、この状況の中でも頑張らなきゃ!って気持ちがわいてきます。6.11も参加します!






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内部被曝した人の体内からの放射線? (カイト)
2011-06-05 20:36:38
こちらにもコメントさせて頂きます。

一つ前の記事とこの記事の両方に関連することですが、要するに「内部被曝した人の体内から放射線が出ているのは?」と思うのです。

毎日、汚染された空気を吸い、水を飲み、食物を食べている人が、体内に放射線物質を蓄積しているとします。

その体内に蓄積された放射性物質から、放射線が出ている。

服や髪や皮膚や荷物に付着していることも考えられますが、お風呂に入って、洗濯している限り、かなりの放射性物質は洗い流されます。

つまりいろんなサイトで噂されている、放射化人間が既に存在しているかもしれません。

関東の人が集まる場所で、いつまで経っても1mくらいの高さの空間線量が変わらないのは、かなりの関東人が内部被曝していて、体内から放射線を放射しているからではないでしょうか?
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