「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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東京電力は本当のことをどこまで言っているのか?どこまで事前に説明するのか?

2011-03-28 04:46:07 | 福島第一原発と放射能

  とにかく東京電力が一体、本当のことをどこまで言うのか、まったくよくわからないと思っている人が多分、世の中の大半の人々が思っていることのような気がします。僕も同じ見解です。恐らく、きのう伝わってきた、ヨウ素134の半減期が五十分くらいとかなり短いため、1000万倍というニュースが、間違いかもしれないという話になり、再調査するという感じでつたわってきています。もちろん、単純ミスの可能性もありますので、大変な現場にそういう間違いだけでしたら、詰めよる必要はないかもしれません。しかし、これがもしも間違いでなく、情報をきちんと精査せずに出したところ、ある状況を説明しなければならないために、情報を変えようとしているだけかもしれません。つまりどういうことかというと、このくらい半減期の短い放射性物質が、もしこれだけ大量に出ているとしたら、活発な核分裂反応がおきつづけている疑いを否定できないということです。これが、一定の条件が揃った再臨界というところまで、すすむのかどうか、僕には現在のところわかりません。しかし、活発な核分裂がもしおきているのなら、再臨界に進む可能性を全面的に否定することは難しいと僕は思います。そうとしたならば、この最初の発表が本当に間違いなのかどうかきちんと検証をする必要があると思います。というのも、今回の具体的なデータに関しては、実際、ほとんど東京電力が握っていて、ある意味彼らのコントロール下で情報が出されていることは否めません。ここを突き崩して、きちんとした生のデータがとれるかどうかは、実際は東京電力内部で志があって漏らしてくるような極めてまれな人物がいない限り、恐らく大変厳しい取材になるということです。ディープスロートになりうる協力者が内部にいないと本当に厳しいと思います。とすれば、ここでおきているミスが本当にミスなのかどうなのかを具体的に検証することが今の時点では難しいです。だから、疑う姿勢を僕自身は持ち続けるしかないと感じています。

 僕が、なぜこのようなことを言うのかというと、ここまで、既におかしな話があるのです。東京電力は15日午後に、3号機の周辺で400ミリシーベルトの高濃度の放射線量を計測と発表したのですが、これは午前中に枝野長官が同じ数値を発表したものです。しかし当初、東電はその内容を知らないと言い続け、事実上、否定していたのですが、結局後で、渋々認めたということがあったからです。なかなか気づかれにくい話ですが、要はできる限り、都合の悪い情報を、小出しに後出しにしていく感覚が東京電力の人々から、垣間見えてくるのです。このような状況は、大きく情報を開示するスタンスを東京電力が取っていないのではないのかという疑いを持つことにつながっています。

 どうして、きょうこんなに、東京電力の情報の取り扱いを気にしているかというと、実はこれから行う可能性があることを、東京電力が、国民に対してあきらかにしないまま、おこなう可能性も否定できないと感じているからです。官邸の当局者ときょう一番、議論になったことはドライベントをもし行う場合に、それをきちんと、国民に事前に伝えることがなされるかどうかということです。僕の知人の当局者は、ドライベントを国民に告げずに行うことは「裏切り行為」という認識をもっていますから、必ずおこなう日時を事前に告げるように、政権最高首脳に働きかけるとは確約してくれていますが、まず最高首脳が適正な判断ができるかどうかが一つのポイントになると思います。その上で、もう一つのポイントは、政府側にきちんと通告せずに東京電力サイドのみで、ドライベントをおこなう可能性があるかないかが、ギリギリ分からないのではという恐れが完全に否定できない気がするのです。

 もちろん、多くの国民の身体の安全を守るために、ドライベントの事前通告は、不可欠です。これを政府や東京電力がおこたらないよう監視の目を強くするべきですし、少しでも志がある記者の皆さんは、官邸や東京電力、保安院の会見でしつこく確認することをお薦めします(性格が悪い僕の与太話と思っていただきたいのですが、官邸にしろ、保安院にしろ、東京電力にしろ、会見に出ている記者の皆さんの大半は、詰め寄るというよりも、常に紳士淑女的な応対に終始されていて、こんな問答で相手から言質を取ることができるのか本当に不思議な気がします。国民の身体安全がここまで侵されている状況に直面している状況だから極論言うとどうやっても構わないと思いますが。まあ、僕があまりにも性格の悪い人間で、人を詰め寄るのが平気だからかもしれませんが)。

 ドライベントは当局者は放射能が最大現在の100倍といわれましたが、ある別の専門家からは10倍程度におさまるかもといわれました。それでも、避難範囲はやはり、50キロから60キロが妥当という見解でした。いずれにしても、情報開示を事前にした上で、避難範囲を適正な範囲まで広げることが必要だと感じています。

 現在の放出された放射能は、専門家によれば既に数万テラベクレルともいわれています。これは間違いなく、レベル6です。レベル7のチェルノブイリは、200万テラベクレルが放出されたともいわれています。そして福島第一原発の原子炉の中には、それよりも多い放射能が含まれています。爆発しなくても、これだけ長期間、放射能が出続ける状態が続けば、どのくらいの周辺環境に影響が出るのか、本当のところはわかっていません(チェルノブイリ以外に類例ケースはありませんし、共産圏ですから当初は情報が隠蔽された話ですから)。僕の懸念は、おさまっていません。

 

 

 

 


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