「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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子どもの二十ミリシーベルトを本当に決めたのは誰なのか?

2011-05-03 20:52:01 | 福島第一原発と放射能

 GWの中に入って、あまり情報がないのですが、子どもの二十ミリシーベルトを決めた、デュープロセスがよくわからないという声が、また官邸内から聞こえてきました。積極的にだれがこういう風に決めるように誘導したのかという答えが分からないと言う事です。原子力安全委員会の中の誰がどう賛成し、だれがどう消極的だったというプロセスではなく、これが、そもそも二十ミリシーベルトと言う結論あり気で、誘導されているとみられていて、その検証がうまくできないと言う話です。文部科学省がある意志を持って、このことを二十ミリシーベルトとして算段したのではないのかと言う疑いの声も聞こえてきました。つまり、子どもの健康よりも、省内的な事情、多数の学校の一時的な閉鎖への代替措置ということの経験値がないため、健康上の配慮よりもそちらを優先したのではないのかと言う声です。官邸内のなかでも、とにかく積極的な意志をもって二十ミリシーベルトにしていく、デュープロセスがみえないことが、よくないということです。どういう手続きをへて、これまで公衆被曝は1ミリシーベルトだったのが、二十ミリシーベルトと言う基準になり、子どもにも適用してよいと言う話しになるのか、内部でもよくわかっていないということです。もはや、一体何なんだろうと思います。民主党政権になって、官僚と政治家の連携に齟齬が起きている事は常識ですが、これまで自民党政権と官僚という機構しかなかった体制から、新たな体制へ移行していく途中過程の問題点なのだろうと、僕は考えていました。ところが、この上に、菅政権になって、菅直人のパーソナリティーの特異性、「イラ菅」と言われる対応の悪さを、ある意味、おそれている官僚が特に中枢部分に多くなっていて、どういう風に対応していいのかよくわからないという声がよく聞こえます。それでも、官僚は、当然為政者の意向を最大限くみ取って行動しようとしますから、そこも推察した上で、好まれる答えを探している様子もよく見受けられます。こうした感覚の流れも今回の状況に関係しているかはわかりませんが、こうするしか方法がないという思い込みを強く持った人々の阿吽の呼吸で、この策がきまったのではないかと見られると言う事です。そうなりますと、独立して判断するものであるはず言う原始力安全委員会の本来あるべき機能は、まったく果たされていないのではないかという疑いはもちろん強く出てきます。子どもの健康よりも、政府の中の、省庁の中の都合が圧倒的に優先される世界観が諸だしであるというのは、異様なものだということを、官僚も政府専門家もきちんと認識しないまま、続く状況ではないのかと思います。官邸の内部のある人は「子供の健康についての決定と、学校の都合はまったく別の問題で、優先されるべきは子どもの健康をどう考えるかなのに、それをどうやって決めるかというプロセスが分からない、特にきちんと決めようとしたのが本当は誰なのかが見えない、こういうことが、平然として進行している事はおかしいよ」とも聞きました。

 原子力政策に詳しい吉岡九州大学副学長は「大学の中で、学長がこのように思われているといって、いろんな人達によって、全然違う話がきまっている事がたまにありますが、似たような感覚ですね。安全と言う事を考えて確認しようとするプロセスの欠片もない。何が起きているのか、もう嫌になりますね。」と答えられています。

 こういう手続きの仕方を見ていると、放射能についての食品や水の安全基準や、避難をする基準がどのように合理性があるのかも疑わしく思えてきます。果たしてきちんと決定しているのかも疑問が残ります。元々、省庁の役人の特性として、都合の悪い事は、出てこないように調べないという癖があります。市民団体が先に調べた母乳のケースは、まさにそのもので、ヨウ素の半減期か短い為、物資がほとんどなくなってから、調べると言うのは本質的に意味を為さない行為です。こうした、子どもだましのテクニックを駆使する事で、「直ちに問題がない」というワードを連発されているのだとしたら、話しになりません。

 小佐古官房参与がさらに、具体的な過程に声を上げるという話も一時ありましたが、守秘義務というワードが、抑制的に飛び交ったとも聞きました。小佐古氏自身、官房参与に起用されながら、実は菅直人氏とは、直接関係性がなかったことも今回の遠因との声も聞こえてきました。事実、関係はほぼないらしいのですが、そうした事であっても、形式上は認めて起用した専門家見解をなんのために握りつぶすのかと言う事は気になります。

 

すでに、三日あまりで八百人の方の参加になりました。大変活発な論議が始まっています。

  Facebookにまず僕は、自分の名前「木下黄太」英語表記が「Kinosita Kouta」という形で登録してありますが、さらに「福島第一原発を考えます」という公開グループを立ち上げました。http://www.facebook.com/home.php?sk=group_163985373661863このブログの読者や福島第一原発の問題を考えていきたい皆さんが、議論し、交流し、何かを創り上げていく場になれば、ありがたいです。イベントの立ち上げ連絡も含めてです。できる限りみなさんが、このFacebookにご登録していただき、この公開グループに参加していただければと思います。参加リクエストに気がついたらすぐに承認します。この問題に関心のある方は、勿論、全て承認いたしますので、よろしくお願いします。いろんな動きが出てくれば、ムーブメントになると思います。インターネットでのやりとりにとどまらず、今後、現実の動きとなることを想定しています。いろんなことを覚悟しながら、僕は動いているつもりです。このブログをよくご覧いただいている全ての皆さんに、是非入っていただき、何かのきっかけになればと切に願っています。尚、私への友達リクエストも構わないですが、先にこの公開グループへの参加リクエストを直接してからにしてください。そのほうが早いです。宜しくお願いします。 

 


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32 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (二児の母)
2011-05-03 23:41:41
先日、栃木県那須町で線量計を購入し、独自の測定をするらしいと書き込みしましたが、
その結果が那須町HPに掲載されていました。

http://www.town.nasu.lg.jp/hp/page000001900/hpg000001815.htm

想像してはいましたが、保育園や小中学校の校庭での線量が結構高いです。
それでも、文部科学省のいう屋外活動の規制値の3.8マイクロシーベルト/時よりは低いので
町としては安全だという判断のようです。
国が言っているのだから、やはり市町村レベルではそう言うしかないのでしょうかね…。
悲しい現実です。

それでも、町民の不安の声を受け入れ、独自で測定を始めただけでも評価できるのではないでしょうか。
市民がいくら言っても実行に移さない自治体も多々あるのですから。
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木下さん頑張れ!! (元東京消防庁関係者)
2011-05-04 00:47:14
原発への放水作業を行った東京消防庁を含め、昔、IT関係で消防関連の仕事をした事がある者ですが、政府の対応については、消防への対応の時点から色々と酷いなと思っておりました。今は、まだメール環境が整っておりませんのでFaceBookには登録出来ないでおりますが、近日中に何とかしたいと思います。木下さん、頑張って下さい!!
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Unknown (うさ)
2011-05-04 01:01:38
http://infosecurity.jp/archives/9647

犯人は文部科学省でしょうか?
考え方の違いなんでしょうかね?
子供には影響がないと思い込んでいるとしか思えないですね。
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海外へ発信しては (あさたかし)
2011-05-04 01:30:57
日本のマスメディアより海外のメディアはチェルノブイリを経験しているので敏感です。

日本人は海外の反応に弱い。木下氏の主張は海外でこそ理解されるのではないか。

海外のメディアに情報を発信するべきではないでしょうか。

外国のメディアが動けば日本は必ず動く。たとえ不本意でも。

特派員協会で会見して世界に発信するのはどうですか?
これは原発殺人であるとー

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ツイッターですけど、ラジオ媒体の人ですです。 (KAT)
2011-05-04 02:31:09
TBSラジオ武田記者のつぶやきです。

〔放射能〕校庭20ミリシーベルトを要求してきたのは福島県サイド!
http://alcyone.seesaa.net/article/198892651.html

そしてこの流れになったのかと。
ttp://twitter.com/#!/Shueisha_int/status/65032198507601921

〔放射能〕校庭の表土処理は「除染しないマヤカシ方式」を採用へ
http://alcyone.seesaa.net/article/198915866.html

土壌の上下入れ替えは、チェルノの時
効果なかったって書いてる人がいるんですが、
そういう報告ってあるんですかね。
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畜生! (WX)
2011-05-04 02:31:39
畜生!畜生!
決めた奴、地獄へ堕ちろ!
管か、文科省か、安全委員か、どいつだ!

ちっくしょおおおおおお!これだけ言ってもスッキリしねぇ!!
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20ミリシーベルト撤回要求動画 (元東京消防庁関係者)
2011-05-04 03:23:45
YOUTUBE上に、こんな動画もありました。

20ミリシーベルト撤回要求
「文科省、原子力安全委員会との交渉」
http://www.youtube.com/watch?v=rwHr3jyeCsA&feature=related

7遍続きのようでして、続きや、厚生労働省への撤回要求の動画もあります。
この動画の中で、どうやら海外の環境保護団体の人達からの署名を集めたものも提出されているようです。
(私も先日ネット上で署名しましたが)日弁連の署名もきっとどこかで政府に提出されているのでしょうね。
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海外への発信を! (TH)
2011-05-04 09:13:14
http://t.co/6l5OKGP

福島に関して、また日本政府の対応に関して、海外ではかなり関心が高いです。ドイツ、オランダ、ハンガリー、アメリカに友人がいるので情報交換を行っていますが、彼らの大半は、東電が嘘をついていること、政府が情報を隠蔽していること、東電と政府の癒着、ばら撒きがこの惨事を生んだと理解しています。ただ、正確な情報はなかなか手に入らないと言っていましたが。
(20mSVの話をすると非常に驚き、怒っていました。どうやら海外ではあまり知らされていないようです。)
海外に向けて、情報を発信していく必要があると強く思います。
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基準値の理由 (さえ)
2011-05-04 09:16:14
福島の保護者たちが文科省等に20msvの撤回を求めた会議で、原発労働者の息子さんを、年7-8msv、累積50msvで白血病で亡くされたお母さんが「20msvは原発で働かせる人間を確保するために、その数値を安全とする必要があるから決められた数値だ」と仰っていました。野菜も管が「これじゃ食べる物が無くなる」と言った事から、流通量から逆算して決まった可能性があると思います。
そもそも食料自給率は30%を割る事が問題となっていたはずです。
輸出先から突き返されるから余ったのでしょうか?それを国民を騙して食べさせて、将来苦しむのは自分の責任ではないと。
もう黙っていて良い段階では無いと思います。
加工されて使われたら、自衛のしようがありません。基準値を元に戻させないと、日本のどこにいても無事では済まないと思います。
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Unknown (埼玉在住)
2011-05-04 10:17:41
小出先生のところから、こちらを知りました。
原発に関するブログを全部読ませていただいたわけではありませんが、コメントさせていただきます。
恐怖を感じているのは、家族の中で私一人です。大学生の息子は「何をしても仕方がない・知ったら怖い」と言います。「何もしない・しろうとしないのはのは原発を容認しているだけ、加害者と一緒」と言い続けています。原発のことなど何も知らなくて今回の事故で初めていろいろと知ることになりました。自分の無知が恥ずかしいですが知れば知るほど原発に対する恐怖を感じます。TVで流れる情報に安心感を持っていた頃もありましたが、枝野さんの「直ちに影響・・」と言う言葉に違和感を感じネットで色々と調べて今日まで来ました。何も知らずにいたら不安も恐怖も感じずにGWを楽しく過ごせるのでしょうが、日々、パソコンの前で情報を探していると政府は国民を守ってくれません。東電の会見は自分たちも被害者だと言う態度です。
このような事故が起こっても普通に生活している人たちの気持ちが分からないです。それとも、普通にしているだけで実際は恐怖の中で生活していると言うのでしょうか?
4月の始めに、政府は福島を地図から無くすような事を考えているのではないか・・と、話した事があるのですが本当に現実になりつつあるそんな気がしています。
お金があれば、日本からでも逃げ出したいです。いつ来るか分からない地震の恐怖を感じつつ、いつ収束するか分からない原発の恐怖。見えない放射能の恐怖。国民を守ってはくれない政府。日本には未来があるのか。そんな事ばかり考えて日々生活している人って少数なんでしょうね。
福島のこどもたちを守りたい。
日本の子供たちを守りたい。
パニックになる心配よりも、正確な情報を知らせる責任は政府にあって、行動を決めるのは国民にあるはず。政府が決める事ではないはずです。
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