「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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「母乳は安全」と断言する厚生労働省への反論を聞いてください。

2011-05-02 01:48:38 | 福島第一原発と放射能
 
母乳について問題がないと言っていた厚生労働省に対して、最初に母乳の調査をおこなった市民グループの代表から、国際的に母乳基準を調べられないかという依頼がきました。このブログで協力できる皆さん、是非メールか書き込みで情報提供を下さい。特に海外在住の皆さん、宜しくお願いします。
 
この団体からのメールでは、きのう私が厚生労働省の対応はおかしいといったとおり、きちんとした反論がもり込まれている中身です。ご紹介します。(中身は一部略です)
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 先だってはいろいろ情報をありがとうございます。
 
 記者発表の後、検査希望が殺到しましたが、今福島約30名、茨城約10名、千葉約10名の方の検査を順次進めています。(希望が出てくれば検査をしたいと思っています) 依然、飯館村や川俣町等非常に高いレベルで汚染されている地域の方の母乳を心配しておりますが、広い地域でセシウムが母乳に出る可能性も出てきました。

 昨日厚労省が母乳調査結果を発表しましたが、「いずれも数値が低いので安心」という内容ではなく、大変重要であると思います。かなり広く、母乳の汚染のある可能性が出てきました。そしてセシウムも出ています。 6週間を経過しているので、厚労省もヨウ素の数値が出るとは予期していなかったのではないでしょうか。
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001azxj.html
 
 また厚労省の発表では、母乳の基準が牛乳の基準値と同一になってしまっています。母乳しか飲めない乳児では、月齢によっても違い、その影響は幼児と比較してもかなり大きいのではないでしょうか?国際的に母乳の基準を持っているところがあるのでしょうか?是非調べて頂けませんか?
  とりあえず、厚労省の調査結果に対する、科学者である河田さん(内部被曝に詳しい専門家)の見解を聞きましたので、下記にはります。(中略)
 
  母乳の放射能汚染についての政府の責任も重大です。『母乳は安心』『野菜は洗えば大丈夫』『ミルクを溶く水のみを指導して母乳を与えるお母さんに指導がなかった』『汚染数値は低いので大丈夫』等々、許せません。 今頃検査して、母乳の汚染は幕引き?将来出る可能性の高い補償問題に証拠隠滅を諮っているとしか思えません。恐ろしいことです。                  
                                                               村上喜久子
 
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 厚労省の母乳調査に対して
 
厚労省は、ヨウ素の半減期を考え、出なくなってから測ったのでしょう。
牛乳から出たときにすぐに測るべきでした。
このデータを見ると、いわき市のかたは、水素爆発当時30Km圏内にいた、
ということですから、汚染した空気の吸引もあったでしょう。
母乳採取日が4月25日ですから、ヨウ素131の半減期から逆算すると、
直後はこの45.7倍(約50倍)はあったことになり、3.5×45.7=160Bqになり、基準を超えていた可能性があります。
茨城県内でも複数からヨウ素131が出ていることは事故直後の福島の風向きも見る必要があります。
また、牛乳や野菜、飲料水も基準を超えていたので、原因の特定は困難ですが、
何れにせよ事故直後はこれらの値を大幅に上回っていたと考えられます。
また、現在、野菜の規制解除が始まっていますが、現在の暫定基準は非常に高いので,
これらが市場を通じて広く出回れば、首都圏始め広い地域で母乳の汚染が検出されるようになる可能性もあります。(以下略)

                                                                 河田昌東
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この母乳の問題だけではありません。既に参加者が一日半で五百人を越えた、Facebookのグループに寄せられた情報の中に、伊達市の校庭で、表土除去作業をしてもなかなか線量が下がらないと言う話もありました。何回も言いますが、校庭だけ何とかすれば、事は終わるのでなく、子どもたちが遊ぶ、あちらこちらの場所に高濃度なところが放置されているのが現実です。子どもたちを、そういう環境でそのままでよいと言う判断をしてはもういけません。思い切った対応を国は取りたくないから、放置しているだけです。そもそも原子力安全委員会の委員ですら、一度10ミリシーベルトを言い出したのに、あれは総意ではなかったと撤回したではないですか。これは、国の意志です。官邸の意志です。何も決めない、菅直人が子どもたちを放置し続けている恐ろしい現実を、首都圏の親御さんたちもいい加減認識してください。ロシアンルーレットに、自分のこどもを引き当てるかどうか試すのがあなたたちの人生ですか。なんのために、子どもを育ててきたのですか。子どもが一流の学校に通うためですか。親の見得のためですか。お金のためですか。否、違うでしょう。子どもが元気で笑いながら過ごしてほしいだけじゃないですか。すくすく育ってほしいだけではないですか。その根幹が、福島県内の中通りや浜通りでは、僕は崩壊していると思います。これが、現実です。よろしいですか。これが、北関東や首都圏にも、じわじわと及ばないと、どうして断言できるのですか。科学的にも社会的にも、本当に心底、安心できるとあなたは言えますか。「大丈夫、大丈夫」と繰り返す役人や政府のその先にいるのは、菅直人です。彼を皆さんは心の底から、信頼して、子どもの命と健康を預けられますか。きちんと考えてください。

 すでに、一日半で五百人の方の参加になりました。大変活発な論議が始まっています。

  Facebookにまず僕は、自分の名前「木下黄太」英語表記が「Kinosita Kouta」という形で登録してありますが、さらに「福島第一原発を考えます」という公開グループを立ち上げました。http://www.facebook.com/home.php?sk=group_163985373661863このブログの読者や福島第一原発の問題を考えていきたい皆さんが、議論し、交流し、何かを創り上げていく場になれば、ありがたいです。イベントの立ち上げ連絡も含めてです。できる限りみなさんが、このFacebookにご登録していただき、この公開グループに参加していただければと思います。参加リクエストに気がついたらすぐに承認します。この問題に関心のある方は、勿論、全て承認いたしますので、よろしくお願いします。いろんな動きが出てくれば、ムーブメントになると思います。インターネットでのやりとりにとどまらず、今後、現実の動きとなることを想定しています。いろんなことを覚悟しながら、僕は動いているつもりです。このブログをよくご覧いただいている全ての皆さんに、是非入っていただき、何かのきっかけになればと切に願っています。尚、私への友達リクエストも構わないですが、先にこの公開グループへの参加リクエストを直接してからにしてください。そのほうが早いです。宜しくお願いします。 

 
 
 
「追記」
 コメントもしましたが、僕は人工地震説には全く関心がありません。
 何を言われても可能性はあまりに低く、意味のないものに関心は持てません。
 現在は、今まで起きなかったことが起きているという時代は認識しますが、
 それと人工地震は関係がありません。
 
 ただし、電離層の変動がおきていることは、地震の前兆として考えられる可能性も否定できず、
一応、注意はしたほうがよいと思います。
3/11の地震の数日前にも、太平洋の電離層に変動があったということが新聞報道されています。
勿論、電離層の変化が全て地震と結びつかないため、
電通大の早川教授による前兆であったと言う見解が妥当かどうかはわかりませんが。
 
これは別の話です。朝から、複数筋から入ってきているので書きます。
アラスカで測っている数値で、4/30に電離層の数値に変動が大きくあったようです。
ただしこの数値の変動が直接地震と結びつくと、限っている訳ではありません。
しかも日本に関係すると言う根拠はわかりません。
ただ数値変動が激しいという情報は事実です。一応、お伝えします。
 



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23 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
何かが動いている (あさたかし)
2011-05-02 02:47:25
マスネディアの中は弛緩しきっていて、ろくに被ばくの教育もせずスタッフを現場に出している。

いけない、これは。

木下氏の動きに何かを感じます。きっと大きな動きになりますよ。

今、この動きを笑っているメディアの連中は、カンが鈍っている。敗北の兆しだ

これは戦後のノモンハンだ。引き返すなら、今しかない


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Unknown (昼夜転倒)
2011-05-02 03:05:26
そもそも国際的に母乳の中に含まれる放射線物質に関する基準があるかどうかわかりません。そもそも存在しないのが基準であれば、基準値はゼロのはずです。ですから基準値を暫定基準値と言い直して、ある一定以上の放射線物質を許容させようともし政府がしているのであれば、言語道断です。ただ、ユニセフや世界保健機関では母乳に関する勧告を行っていると聞いています。こんな情報で役に立ってたらと思います。
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母乳 (TU)
2011-05-02 03:23:52
母乳を測りました。「数人から出た数値は低く大丈夫です」厚労省

こんな陳腐な説明でお母さん方が安心するでしょうか?納得するのでしょうか?

本来なら全く検出されないもの。『検出されず』が普通なはずです。

それが1ベクレルでも出てしまったお母さんはどう思うのでしょう。

原発で何もかもがおかしくなってしまった。
それとも前からなのか。
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真実 (応援)
2011-05-02 05:35:03
栃木に住み、東京に可愛い1歳の初孫がいる主

婦です。

真実を知ることは、勇気がいることですが

教えて頂いて、少しでも良い方向に行くことを

願っています。

それを支えてくださる木下黄太氏に

すごい敬意を持っています。

報道の現場におられた方というのが

なんと言って良いか

もしかして他の方もという期待と

何より木下氏が頼りになるのを実感していま

す。

フェースブックに登録して、申し込んだのです

メカに弱く今ひとつ良くわかりません。

夫が真実を見たくないタイプなので

できることから実行しています。

これからも色々な情報の発信

そして大きなうねりになることを

信じています。

よろしくお願いします。





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Unknown (lee)
2011-05-02 08:00:24
母乳について、関連のジャーナルを探してみました。

放射性医薬品と母乳の記事にこのような表現がありました。
専門的な分野になると、全体像が分かっていない場合、
ちょっとした読み違い・理解違いで、まったく違った意味になるのではないかと思います。

ですから、信頼できる放射線医療関係に精通した方に確認しないで使うのは、
不正確で無責任なことになると思いますので、
私は、専門家でもなんでもないのですから、
探し物があった“かも”ということはお知らせしますが、慎重にお願いします。

また、一つの記事だけというのは根拠として弱すぎだと思いますので、
いくつかの情報をつき合わせ、よくよくご確認くださいませ。

“Decay-corrected activity measurable in breast milk ranged from 5.54 to 19.3 Bq/mL/MBq injected. ‘Using a standard model of breast-feeding, the calculated maximum cumulative dose to the infant, 0.085 mSv with no interruption of breast-feeding, is well below the recommended limit of 1 mSv.’”

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11483686
Pattern of uptake and excretion of (18)F-FDG in the lactating breast
Rodney J Hicks, David Binns, Michael G Stabin. The Journal of Nuclear Medicine. New York: Aug 2001. Vol. 42, Iss. 8; pg. 1238, 5 pgs


さらに、現在低量被ばくの影響がでる値については意見が割れていますから、
放射性医薬品のことをフクシマの内部被ばくに当てはめるのも果たして適当なんだろうか?とも思います。

Radiation is everywhere, but how to rate harm? Science Desk Denise Grady.
The New York Times, April 5, 2011 pD1(L)
1. 低い被爆量でも高い被爆量での影響に比例した影響がある。
2. ある閾値以下なら、影響はない。
3. どんなに少量でもDNAを傷つけるので、影響はある。

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Unknown (lee)
2011-05-02 08:03:13
Peace Philosophy CentreにNYTに掲載された、“専門家による妊婦や授乳中の女性のリスクに対する懸念”部分の訳がでています。
http://peacephilosophy.blogspot.com/search?q=%E6%AF%8D%E4%B9%B3



Chernobyl
Consequences of the Catastrophe for People and the Environment
に母乳への影響の数値があります。
“Breast milk 110 Bq/liter (mean) Czechoslovakia Kliment and Bucina, 1990
Breast milk 55 Bq/l (mean Czechoslovakia Kliment and Bucina, 1990“

著者へのインタビュー
http://www.universalsubtitles.org/en/videos/zzyKyq4iiV3r/

Chernobyl
Consequences of the Catastrophe for People and the Environment
Google DocからDLできます。
https://docs.google.com/viewer?a=v&pid=explorer&chrome=true&srcid=0B-Ikqg4T4F30OWJmYjgwYWQtZmFiOC00NmM5LWI3NzYtMzVkODA2MmRmMmI1&hl=en&authkey=CLXh9bkN
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Unknown (lee)
2011-05-02 08:23:24
8ページ目のスライド。「幼児食」の変遷が何か参考になるかも?

飲食物摂取制限レベルの変遷
表:食品中のセシウムの対策レベル(Bq/kg)
*チェルノブイリ事故に起因した輸入食品に対する対策レベル“
「緊急事態対応判断基準等に関する調査」について

http://kokai-gen.org/html/data/20/2010317002/2010317002-27.pdf
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私も「0を厳守」だと思います (さえ)
2011-05-02 09:24:59
生まれたばかりの赤ちゃんにあげる母乳の基準値は、0でなければならないのではないでしょうおか。
僅か数キロの、しかも成長過程にある人間に、「ただちに」影響が無いと言って放射性物質を含む母乳を与えろとは。。。
「確率的影響」と言いますが、彼らの認めた一部の癌の確率が、成人の場合20msv以下では1000人に1人(これも可能性としてしか認めないのが公式見解)出るだけと言っている訳で、現実には因果関係が証明されていない白血病や癌、その他遺伝子が損傷を受けた事による肉体の老化、多臓器不全等、たとえ成人であっても現実には100人に1人は確実に異常が出ると思います。
知人の医師も完全に同意していました。
これは殺人行為だと思います。
結果発生の蓋然性がここまで高まれば故意も実行作為も認めざるを得ません。
もちろん責任もあります。

確かに大規模な移住は非常に困難でしょう。
しかし、方法を模索する姿勢も無く、「安全です」と嘘と責任逃れを繰り返す政府なら、もう要りません。
私達国民の命と権利を守るために、国家があるのですから。
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いつもの手段 (luca)
2011-05-02 10:00:45
ある程度数値が収まってから 発表するのは厚労省のいつもの手段です。
3.11後 3つの生き方に分かれたような気がします。
① テレビをまるまる信じる
② テレビや政府は嘘をいってるが どうにもならないので基準値を信じるしかない。
③  家族の健康を考えると不安でしかたがなく 情報を集めて対処

もちろん 逃げてしまったひともいます。
ともかく 事実を受け止め 真実を知り まわりにひろめ ひとつずつ対処してゆくしかありません。

地震についてはこのスタンスで書くしかないのだろうと推察しますが すべての根がここにありますので(これからどうしたらいいのかという選択も含めて) 地震の波形は読者のみなさまひとりひとりが確認だけはされたほうがいいと思います。
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多くの誤解があるようです。 (β)
2011-05-02 13:44:30
多くの方が誤解していらっしゃるようですが、母乳に含まれる放射能が0というのはあり得ません。なぜなら私たちの体を構成する主要元素である炭素がそもそも放射性同位体を含んでいるからです。その他カリウムやカルシウムなど多くの自然界の元素が放射性同位体を一定割合で含んでいます。地球上の多くの生物は体重一キロ当たり概ね100Bqの放射能を持っています。これは死ぬまでずっとです(これを利用して考古学では年代測定をします)。当然内部被爆し続けています。

ヨウ素でもセシウムでも人工物でも自然物でも放射能は放射能です。放射性のエネルギーなどの違いはありますがそれも実はヨウ素も炭素もあまり違いがありません。

母乳に原子炉由来の放射能が含まれる事そのものはゆゆしき事態ですが、それと健康被害が出るかどうかは別の問題です。放射能については標準教育課程で教育されていませんので発表される数値を理解しようがないと思いますがそんな物こそ正しく怖がる必要があります。

本来こういった事はマスコミが率先して勉強して正しい知識を報道しなければならないのですが、いまだに「よく分からない」なんてニュースで言うぐらいですから・・・。自分たちで勉強しましょう。
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