「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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リスクコントロールの概念から考える大阪ガレキ焼却からの防御。サッカー部員に異変、来阪幼児が喘息入院。

2013-06-09 17:58:55 | 福島第一原発と放射能

 大阪での講演には220人以上の方が詰めかけられまして、盛況でした。思っている以上に、橋下市長問題というよりも、大阪での健康被害をどうとらえるのかということについて懸念がある人、さらに通常の意味合いで、放射能による健康被害を感じている人が多数集われた状態でした。

 「大阪おかんの会」による健康被害の報告はすでに900人近くとなっています。しかし大阪市の人口だけでも268万人。症状報告が、数千人単位の報告になって、ようやく0.1%位の認識になります。これが、意味のある実数には、まだこれでも至っていません。可能性は否定はできませんが、健康被害がおきていると断定できる実数ではおそらくありません。

 これは、講演でもお話したことですが、そもそも大阪ガレキの焼却というのは、ごく微量の放射性物質が焼却によって、外部に流出するのかどうかということです。勿論、一定量放出されて、その放出されたものを継続的に吸い続ける状態にある場合、それを吸い続けた人が、放射性物質による健康被害は想定できるのかということです。これに同様の例はあまりありません。

 おそらく参考例になるのは、原子力発電所の周辺で何がおきているのかということです。原子力施設周辺では、恒常的にごく少量の放射性物質がでている状態はこれまでもありました。そうすると、数キロ圏内で、特定の風向きでおきることがあります。浜岡原発の周辺でも、東海村でも聞こえてくる話です。そうした近隣の特定のソーンの中で、白血病の発症が多くなるということです。勿論、因果関係が確認できるという話ににはなりません。しかし、周辺住民の中では、ある意味、常識として知られている話です。

 こうしたことと同様のことがおきるのかどうかを、今回は考えないとならないと僕は思っています。放射性物質の影響というのは、即座に出るというよりも、ゆっくりとじわじわ後でおきるかもしれないという想定でした。その危険は、あると想定していました。

 しかし、大阪おかんの会に寄せられている報告のほとんどは、身体症状がすぐにおきている話です。鼻血、のどの痛み、目の不調、頭痛、胸の痛み。初期被曝を関東でしている人からは反応が早い傾向にあります。

酷いケースでは、心臓の違和感⇒狭心症入院。脳梗塞から死亡なども報告はされています(一例ずつ位で、勿論因果関係は不明)。気管支肺炎も(ただし一年前に福島に入っている)。

のどの腫れに気がつき、甲状腺にのう胞がみつかった若い女性もいます(既往歴なし、勿論元々あった可能性が当然想定されますが)。リンパにしこりがみつかっているお子さんいます。

 これらの報告の因果関係はよくわかりません。しかし、そうしたことを感じている人がいるのが「ただの気のせい」の場合もあれば、「何かがおきていることの先駆け」の場合もあります。読んでいるだけで、さらに会場で話している人の中にも、あきらかに「考えすぎている」人たちはいます。しかし、「普通に考えている」人たちもいらっしゃいます。

 報告例の中で、注意すべきなのは、中部エリアで、これまで特に何もなかった幼児が、舞洲から近い、海遊館などに遊びに来て、突然に、重度の喘息⇒入院となった話です。気管支の弱いお子さんらしいのですが、喘息はそれまでおきておらず、突然この状態になったそうです。「幼児」「元々気管支が弱い」「居住は他の地方」、こうしたお子さんが、「舞洲近隣に来た」「重度喘息はじめて発症」というケースなのですから。ただし、大阪の大気汚染は元々酷いですから、それだけが引き金の可能性も当然にありえます。

 講演会場内の質疑で、もっとも気になったのは、西宮の海岸沿いの学校で、サッカーをしているお子さんたちに、同じような健康症状が出ているという話です。鼻血や咳き込みです。これは、おなじように外で部活動をしている生徒の中でおきていて、室内の部活動や、そのまま帰宅している生徒さんにはおきていないそうです。息子さんが「これはおかしい」と話している。その方は、「西宮や神戸では、ガレキ焼却が知られていないから、認識が広まれば、報告が増えるはず」と話されていました。学校で複数におきていることが気になります。

 こうしたことをどう考えるのかは、難しい部分もあります。本当にこの程度の放出でおきるのかどうかが、過去に放射性物質の焼却が非汚染地で大量に為されていない以上、分りません。しかし、基本的には、リスクコントロールの概念をあてはめていくしかないと僕は思います。つまり、何もおきていないことを前提に考えるのではなく、何かがおきえることを前提に考えて対応するしかないということです。このリスクが具体的に存在するのかどうかは、わかりません。わかりませんが、リスクは存在すると想定するしかありません(リスクコントロールというのはそもそもそういう感覚)。それによる健康被害が、一定程度に及ぶ可能性がある場合、他のいろんな事柄とのバランスを考えて、防御策はとるしかないということです。なぜなら、放射性物質を含んだものを、毎日100tも燃やしたことがないからです。普通の感覚でおこりえないことが、この日本、大阪ではおきていますから。放射性物質の故意の拡散です。

 その防御策は、マスクとか空気清浄器とかやれることはすべきと思います。もし関西のエリアでいることが危険と考えるなら、逃げることもありうるでしょうし、焼却期間が一定期間ですから、その間に汚染源から遠ざかることもあるでしょう。これは、その個人の生活とリスクコントロールとの兼ね合いになると僕は思います。

 いすれにしても、あきらかに放射性物質に汚染されている関東や南東北と違って、その汚染が確かめる術がほとんどないレベルの汚染による、健康被害をどう考えるのかという命題ですから、こうすべきという回答は僕にはありません。ですが、ご自身の中で、判断して、現実との兼ね合いで、リスクコントロールを取るしかありません。

 僕は、元々、大阪近辺にいないので、何とも言えませんが、もし大阪に住んでいて、このガレキ焼却があれば、僕自身は大阪には、いない気がします。実際、焼却後に、車移動や新幹線移動で通過する以外、舞洲清掃工場の20キロ圏内に、僕は行っていません。僕の中の、リスクコントロールはそういう考えです。

 今回、焼却休止期間だったため、大阪で動きましたが、僕は何も違和感はありませんでした。しかし、講演会の参加者の大半が、ガレキ休止期間になってから、体調不良が改善していると言っています。降雨量が少ない事で、心配もしていましたが、休止しているということの意味合いが大きいと皆さん思っていらっしゃるようです。

 いずれにしても、6/13以降に、また焼却は始まります。最善の形で、防御を考えられることが望ましいと、リスクコントロールの概念から、僕は思います。

 

 

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申込方法は、今週告知いたします。  

 

ユーリー・バンダジェフスキー博士が、1年4ヶ月ぶりに、来月、再度、来日して、日本の皆さんの前で話したいということです。

 

 

 

 博士は、チェルノブイリ被曝の影響もあって、体調が、完調ではない中で、日本の被曝に関して進行する状況を踏まえて、さらに本質的な話をしたいために、来日を決意されました。

 

 

 

「私の今回の日本講演は、去年の講演と同じく最善のものになると思っている。」バンダジェフスキー博士はそう話しています。

 

 

 

今回の開催地は、はじめての場所も多く含まれます。

 

申込方法も含めて、来週、詳細はあきらかに致します。

 

 

 

7/11(木) 新潟講演(福島避難者無料)

 

 

 

7/12(金)夜 福岡講演

 

 

 

7/13(土) 岡山講演

 

 

 

7/14(日) 京都 専門家&医師向けセミナー

 

 

 

7/15(月・祝)京都講演  

 

 

 

7/17(水)夜 徳島講演

 

 

 

7/20(土)東京講演

 

 

 

7/21(日)東京 専門家&医師向けセミナー 

 

 

 

 今回は、開催は、西日本に軸足を置いた形でおこないます。東京と京都をのぞいて、他の4県では、バンダジェフスキー博士は、はじめて話をされることとなります。九州・四国には初上陸です。

 

 

 

 また、前回、東京は一般公演が平日開催しかなく、土日にバンダジェフスキー博士の講演が、ようやく汚染地の首都・東京で開催することになります。

 

 

 

 また関西でも、前回は平日の開催しかありませんでした。今回の京都開催は、月曜日の開催ではありますが、祝日でありますから、より多くの皆さんが講演を聞きに来ていただけると思います。

 

 

 

 専門家&医師向けセミナーは、東京と京都で、おこないます。一人でも多くの医師が、この事態に立ち向かってくれるのかどうか。前回のテキストをリニューアルして、追加情報も踏まえて、バンダジェフスキー博士は、話をされるつもりでいます。

 

 

 

 1人でも多くの皆さんが、今の日本の現実を認識し、新たな道に進むためにも、バンダジェフスキー博士の講演やセミナーに参加されることを期待します。

 

 

 

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