「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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「爪検査は、放射能による被曝の確定に本当に役に立つのか?」ドイツの検査会社とのやりとりから考察。

2012-06-03 23:15:06 | 福島第一原発と放射能

 放射能の被曝に関して、爪検査がどの程度有効なのかという事について、米国在住の日本人の医療関係者、平沼さんにドイツの当該検査会社とやり取りをして頂きました。僕らの、予想通りの結論ですが、この会社の所長さんの話から、爪検査も、髪の検査も被曝の確実な指標ではないという事がわかりました。      

 参考資料のさらなる参考資料的な側面しかないということは、このやりとりを読めばわかります。              被ばくのことを考えると、WBC(ホールボディカウンター)か尿検査、さらに医師のもとでの血液検査や甲状腺検査などで異常を探すことの方がやはり有効です。

 そもそもセシウムの土壌検査で五百グラムから一キロの土壌がないと正確にわからないという話からすれば、数グラムもない爪ですべての核種を見るのには、ものすごく無理があるという事です。

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「爪ミネラル検査を被曝の間接的指標として用いる事に疑問を感じたので、その正当性に関してドイツの検査会社であるマイクロ・トレース・ミネラルズhttp://www.microtraceminerals.com/ に問い合わせる事にしました。下記はマイクロ・トレース・ミネラルズの研究所所長で臨床金属毒学者であるBlaurock-Busch博士とのメールのやり取りの和訳です。

最終的な印象は、爪検査も髪検査も、この会社の分析方法では、確実な被曝の指標とは言えないと言う事です。

Blaurock-Busch博士はとても丁寧に答えて下さり、体内の有毒金属を検出するための爪ミネラル検査、そしてその治療法に関する検査や分析を提供する会社としては知識が豊富で優秀なのだな、と感じました。自社でも尿検査は提供しているが、単純な理由で地元で検査機関を探した方が良いと言われたのは、良心的にも思えました。
しかし、最後に頂いた、米国では毒物センターかEPAに問い合わせたらどうかと言うアドバイスから察するに、実際の放射能検査に関してはあまりご存知ないように伺えました。

原発事故前から爪ミネラル検査をしていて、事故後に検査結果に変化があった方達がいらっしゃるようです。それが完全に放射能被曝のためかどうかは不明かもしれませんが、個人の体の変化としてはある意味有益な情報なのであろうと思います。しかし、医師としては、ただの推測に過ぎない検査よりも、確実に被曝が分かる検査を追求するべきであると感じます。被曝と言う言葉は、私達の現実の一部になりつつありますが、大変な重みを持つ言葉です。比較的手頃な料金で申し込みやすい検査に縋りたい気持ちも分からなくはないですが、結果が確定的でないような検査を推奨する事は倫理的でないと思います。」


5/12/2012
こんにちは。
体内の放射能汚染の検査の仕方について興味があります。何をお勧めされますか?
髪の毛や爪の検査が放射能汚染のサインとして使われているのを見たことありますが、そういう検査はされるのですか?

5/14/2012
私共は、セシウム・ストロンチウム・ヨウ素など、放射性であるかもしれない元素を髪や爪で検査しております。
ストロンチウムやウランのような元素の、自然同位体と放射性同位体の区別はつけないと言う事と指摘させて下さい。その元素の総量を検査するのみです。
髪と爪の検査結果のサンプルを添付しました。 
髪 http://microtraceminerals.com/fileadmin/uploads/pdf/en/2012-05-05_Sample-Patient_1H120001.pdf
爪 http://microtraceminerals.com/fileadmin/uploads/pdf/en/2012-05-05_Sample-Patient_1N120002.pdf
これはP10と言うプロフィールです。料金は私共のサイトをご覧下さい。研究所のカタログをダウンロードして頂いてご覧になって頂く事もできます。他に情報をご所望であれば、お知らせください。

5/14/2012
早速のお返事をありがとうございました。
と言う事は、爪と髪の検査は、被曝の確認にはならないと言う事でしょうか?「放射性であるかもしれない元素」とは必ずしも原子力事故による被曝を意味しないのではないですか?

5/14/2012
その通りです!

5/15/2012
それでは、被曝したかどうか不安に思っている患者に爪や髪検査を勧めるのは、倫理的と言えるでしょうか?

5/15/2012
これは難しい質問です。
例えば、セシウムやユーロピウムだと、(体内に)あるべきではありません。
また例えばウラン・ストロンチウムやヨウ素だと、どこから由来したのかが分かりません。この場合は既往歴が重要になります。
例えば、髪か爪に通常よりも高い数値のウランが検出され、患者が自然由来のウランが通常よりも多い場所に住んでいるわけでないのなら、どういう由来なのかを問わなければいけません。また、自然由来のウランには放射性ウランが含まれていることも認識しなければいけません。
もしも被曝を疑うのであれば、(ウランを)特定した核種検査をする事ができます。
もしも放射性ウランが通常よりも多く見つかったとしたら、次にどうするかと言う問題が起こります。
正直、私共はそれに対しての答えを持っておりません。

要するに、これは、倫理的な質問というよりも、優先度の質問なのです。福島近辺では、放射能に曝露された人々は被曝をしたことになります。多分、放射性ヨウ素はもう検出されないでしょうが、セシウムはまだ検出可でしょう。そういう人に対して、すぐに特定の放射性核種を調べる高額な検査をするか、または、もっと安価な検査から始める事ができます。でも、(検査結果に対して)どうするかと言う問題が起こります。

私の意見では、最善の方法は、(体内の)生化学バランスを取り、体に余分な負担をかけている、そういった有毒な物質を排除し、全身の健康をサポートすることです。例えば、カルシウム代謝が健全であれば、ストロンチウムと鉛のバランスが取りやすくなります。

鉛はウランの崩壊核種です。特に患者が既に非放射性の鉛を体内に多量に蓄積しているなら、鉛を体から排除する事を目標にできます。

要は、バランスの問題です。
分かって頂けるといいのですが。

5/15/2012
特定の核種検査はどのように行うのでしょうか?そういった検査は提供されていますか?

(ここで連絡が途絶えました。お忙しかったのでしょうか。昨日、またメールしてみました。)

5/31/2012
こんにちは。まだ、どのような放射能検査を提供されているのかのお返事をお待ちしています。
よろしくお願いします。

5/31/2012
特定の放射性核種検査には、ガンマ線スペクトル検査が可能です。しかし、その検査には大量の検体が必要です。(当方で)尿検査はできますが、尿が3リットル必要です。
単純な理由で、近場の検査機関を利用するべきです。

5/31/2012
わかりました。3リットルとはものすごく大量の尿ですね。
要するに、爪検査と言うのは、尿検査と比べると、被曝の指標としては良いとは言えないと言う事ですね?

5/31/2012
髪と爪は有害金属への過去の曝露の検査としては一番良い検体と言えます。セシウムの場合、通常は人体に存在しないものであると間違いなく仮定できます。セシウムが検出されたら、それは警告です。その場合、既往歴の詳細を調べ、どのような検査や治療が必要であるかを決定できます。

放射能に関しては、私共では、毒物学者でない医師に手頃に利用してもらえる診断法が限られています。毒物センターかEPAに問い合わせてみて下さい。放射性金属を含む金属毒性に関しては、こちらをご覧下さい。
https://www.smashwords.com/books/view/156817

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6/16(土)「わたしたちが岡山へ逃げてきた理由」木下黄太講演 in 岡山】

◎日時:2012年6月16日(土) 14:00~16:00 (開場13:30)

◎会場:岡山市勤労者福祉センター (体育集会室)
    岡山市北区春日町5-6 TEL086-233-8311

◎料金:前払い800円 当日1,000円(中学生以下無料)

◎託児:受付終了
 ※近隣の一時保育をご利用ください。すぐ近くの保育園などであるそうです。

 


◎お申込み
 http://kokucheese.com/event/index/37227/

◎お問い合わせ
 メール:info★rdp-okayama.net ★を半角の@に変えてください
 TEL:090-4170-0736 中山

◎主催:放射能防御プロジェクト 岡山

 

◎協賛:さよなら原発1000万人アクションin岡山実行委員会/あかいわエコメッセ

◎後援:岡山市教育委員会/赤磐市教育委員会/財団法人おかやま環境ネットワーク
/山陽新聞社/朝日新聞岡山総局/毎日新聞岡山支局/産経新聞社/RSK山陽放送/
TSCテレビせとうち/OHK岡山放送/FM岡山

 


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 広島にいてもひとごとではない放射能汚染
「健康にはただちに影響はない」
「基準値内だから問題ない」はほんとう?
「震災がれきを受け入れて痛みを分かち合」って大丈夫?


【6/17(日)昼 木下黄太 講演 in広島

 

     13:00~15:00 (開場12:30)広島市南区民文化センター2階 スタジオ
     広島市南区比治山本町16-27 082-251-4120

 

広島会場申込:http://kokucheese.com/event/index/38422/

 

 

【6/17(日)夕 木下黄太 講演 in呉

 1830~20:30(開場1800)呉市広民センター5階広公民館大会議室

 呉市広古新開2丁目1-3 0823-71-2151JR新広駅前)

 

  呉会場申込:http://kokucheese.com/event/index/38324/

 

◎参加費両会場ともそれぞれ:前売り900円  当日1200円
 ※申込サイトでご予約の上、当日、会場にて前売料金をお支払いください。
 ※予約の方で満席の場合は、当日券の販売は行ないません。
 ※託児は応相談。

 
◎主催:木下黄太氏広島講演実行委員会(ヤマムラ・アラカワ・キムラ)

 協賛:放射能防御プロジェクト中国&放射能防御プロジェクト岡山
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首都圏の健康被害の状況を話します。大掛かりな講演になります。

「木下黄太講演 in 品川 首都圏の今!!」

6月30日(土) 品川区荏原文化センター(大ホール)

講師 木下黄太

主催 「品川区の子どもたちを守る会」

場所 品川区荏原文化センター



午前の部 開場10:00 開演10:30~12:00(木下氏講演会)


午後の部 開場13:00 開演13:30~16:00
(午後の部「チェルノブイリハート」を上映+木下氏講演会)

申し込み受付  5月23日 2012-05-23 18:20:00 から開始

申し込み締切日 6月20日 2012-06-20 18:20:00で終了 

(最終入金6月21日まで)

お申し込みなど、詳しい詳細はこちら・・・木下黄太氏 講演会のお知らせ