読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

描き初めは「祝い酒」

2019年01月14日 | 水彩画

描き初めには新春祝い酒を

 
  clester F6

  今年初めての水彩画教室は1月12日。新春ということで酒器を描きました。1のテーブルは日本酒組、
 もう一つのテーブルは洋酒組。
  この壺(あるいは甕)は昨年も対象素材に取り上げました。中身は紅芋の焼酎でした。甕の形と色合
 い、そして甕に張り付けてある銘柄と能書きを描いた和紙が何となく雰囲気を出しています。
  あまり根を詰めないであっさりと仕上げました。
                              (以上この項終わり)


 

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新春恒例の七福神巡り『東海七福神』

2019年01月10日 | 里歩き

◇ 旧東海道に沿った『東海七福神』
  いまや恒例となった我が家の東京七福神巡りはいよいよ区内の七福神では
 残り少なくなっって今回は「東海七福神」。
  七福神巡りは「七難即滅七福即生」といって良いことがあるいうことで昔
 から人気がある。
  10年以上前に東海道五十三次を歩いた最初の宿場なので懐かしい。記憶も
 かなり薄れてきたが街道筋の印象はずいぶん明るくなった感じであるものの、
 八ツ山橋、泪橋、鈴ヶ森刑場跡など歴史的構造物などは流石にそのままだった。

  さて七福神巡り。当初八ツ山橋を渡る案もあったが、東海道を歩いた折に
 「開かずの踏切」だった悪印象もあって品川駅で京急に乗換えて二つ目の
 「新馬場(しんばんば)」で降りて最初の大黒天がが品川神社。

<品川神社=大黒天>

   
  1187年源頼朝が創始。室町時代に太田道灌がスサノオノミコトを祀る。急な階段を上がる。

   
  大勢の男女がお祓いを受けるためにたむろしていました。

   
 境内の小型の富士山。山頂からの眺めはこのありさま。昔だったら富士山も見えたことでしょうが。

     

     第一京浜国道を渡り品川神社参道を経て次の養願寺へ。

<養願寺=布袋尊>
   
  参道を200mほど行ったところで左折。すぐに養願寺に突き当たります。 ご本尊は虚空蔵菩薩。
 鎌倉時代作の阿弥陀如来三尊、江戸時代作の不動三尊、布袋尊を安置。
  

<一心寺=寿老人>
  お次は一心寺。すぐ近くです。人がたむろしている道は旧東海道です。
  

    
  ご本尊は不動明王。住職は代々成田山、高野山、智積院の弟子がつとめているとのこと。
 

<荏原神社=恵比寿神> 
 和銅2年(709年)創建の由緒正しい神社。品川宿総鎮守。天皇の行幸は4度に上る。
  
   
                         近くの稲荷神社の大イチョウ樹齢800年。品川区の天然記念物
   
 このように立派な恵比寿様の石像は珍しい。          

<品川寺=毘沙門天>
 しながわでらにあらず。ほんせんじと呼びます。寺宝の大梵鐘から「鐘の寺呼ばれています。青物横丁駅が近い。

   
 再び旧東海道へ。 品川寺はこの並び。
                        

   
  鐘撞き堂の大梵鐘                        毘沙門天像 


   
 此処にも名物大イチョウが。樹齢800年。       この先は江戸時代の鈴ヶ森刑場。処刑される人の家族はここで
                                  涙の別れ。ゆえに名付けて「泪橋」。立会川に架かる。


   
 立ち合い川に架かる「泪橋」 

<天祖諏訪神社=福禄寿>
 浜川町と元芝の鎮守社。神明宮・諏訪社と称し並び立っていた氏神様。

   

   
 福禄寿は幸福・財運・長寿の、御頭をなでると
ご利益を     大経寺住職小住師が「喝」文を記しています。
頂けるとあって10円のお賽銭でしっかりと撫でてきました。    「世相正に紊乱し老若共に礼節を忘れ歴史探訪と称し
                                         物見遊山の如き有様嘆かわし。心あらば受刑者の冥福
                                         を祈るべし。可惜惰眠を貪りて時を失うことなかれ。世に
                                         奉仕して恩に報ぜよ。今行わずして明日の命をたれが
                                         保証するや。諸行無常は世の理、時はまさに命なり。


   
 鈴ヶ森刑場跡。大経寺が処刑者を弔った。         火炙り台跡:八百屋お七(天和の大火の後恋人に
                                       会いたくて自宅に放火し火炙りの刑に処せられた)

 
  磔台の跡:丸橋忠弥(油井正雪らと幕府転覆を企てた
として磔の刑に処された。出羽の侍)

<磐井神社=弁財天>
 
   
  1400年の歴史がある神社。鈴ヶ森八幡宮とも称される。大森海岸駅が近い。


<あがり>

 
このコースは普通に歩けば1時間半ほどで歩ける距離です(およそ7キロ)。ただ境内で探訪などし
いると時間を食って、2時間はかかります。

 ちょうど昼食をとる時間ネットで調べたところJR大森駅に近いところに鰻では知られた「野田岩(本
店は飯倉)」大森店があるらしいのでそこに寄りました。

 久しぶりにおいしいウナギを食し大満足の七福神巡りとなりました。
                                      (以上この項終わり)
 

  

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ジェフリー・ディーヴァー『スティール・キス』を読む

2019年01月08日 | 読書

◇『スティール・キス』(原題:THE STEEL KISS)
       著者:ジェフリー・ディーヴァー(JEFFERY DEAVER)
       訳者:池田 真紀子    2017.10 文芸春秋社 刊

   

   おなじみのリンカーン・ライム・シリーズの第12作目。
   今回は日常の道具を凶器に変える連続殺人者にリンカーン・ライムとNY市警の刑事
  アメリア・サックスが挑む。
        今に華やぐIoT,AIoT時代の危うい効率主義をあざ笑うかのようなシリアルキラーと
  の息詰まる戦いが、リアルな臨場感を持って読者に迫る。

         身体障碍者で車椅子生活のライムは、NY市警重要犯罪捜査課で科学捜査の捜査顧問
  を務め、サックスと絶妙のコンビとして難事件を解決してきた。しかしライムはこの
  ほど事情があって顧問を退いた。

   現在某大学で犯罪捜査の講師をしているが、やはり身体障碍者である受講生のジュ
  リエット・アーチャーの能力を高く買い助手として使うようになった。ライムとは恋
  人同士のような濃密な関係にあったサックスは、しばらく会っていなかったライムに
  寄り添うアーチャーに、いっとき女性としてこだわりを持ったのであるが…。

   なぜサックスがライムと再び会うことになったかといえば、未詳50号と呼ぶ殺人犯
  を追っている現場で、ショッピングセンターのエスカレーターが突然停止し、開いた
  昇降板から乗客が墜落し死亡した事件に遭遇、この事故と未詳50号とに密接な関連あ
  りとみて追及を始めたサックスと、事故死した被害者の民事訴訟を担当することとな
  ったライムが協力しあうこととなったからである。

   未詳50号というシリアルキラーは、痩せたのっぽの身体的特徴からコンプレック
  スに囚われた社会的不適合者である。度重なる殺人・殺人未遂の特徴はAI機能搭載の
  電子機器に不正侵入し、いわゆるスマトコントローラーを自由に遠隔操作し、事故
  を誘発させるところにある。
   彼は警察捜査陣に挑戦的なメッセージを送る。
   「・・・モノに対する執着は、おまえたち全員に死をもたらすだろう。…もっと所有
  せずにいられないお前たちは、やがて間もなくモノに所有されて、冷たいスティール
  ・キスと一緒に地獄に送られるだろう。<民衆の守護者>


   未詳50号は、ライムらとともに微細残留物等を分析し、自分の居場所に向かって執
  拗に追い迫るサックスに的を絞って反逆しようと策を凝らす。 
        しかしライムのチームは犯人を割り出し追い詰める。犯人は行方をくらますが…。
  
   ネタバレとなるので明かさないが、終局に至り意外性と緊迫場面で、手に汗握る展
  開となる。
   あとはぜひ読みください。
                            (以上この項終わり)
 
   
  

 

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池井戸 潤の『オレたちバブル入行組』

2019年01月05日 | 読書

◇ 『オレたちバブル入行組

          著者:池井戸 潤 2013.10 文芸春秋 刊(文春文庫)

      

   「やられたらやり返せ、10倍返しだ」で知られた半沢直樹シリーズの第1作。
  つまり半沢が銀行業界に就職したスタート編である。
   半沢は就活で見事意中の大手銀行・産業中央銀行の内定を取り付けた。時あ
  たかもソウルオリンピックの1988年。バブル景気の入口にあたった。 
  
   半沢は後年大阪西支店の中間管理職・融資課長として赴任するのであるが、
  上司の命で行った融資案件で不正貸付けの汚名を着せられた半沢の逆襲を描く。
   支店長のゴリ押しで行った融資先の西大阪スチールが倒産し5億円の焦げ付
  きが発生した。社長は浅野支店長の知人で融資案件は何とも胡散臭かったが融
  資課長半沢の慎重な審査をすりぬけて稟議が回ったのだ。
   
   このころはすでにバブルが弾け、融資資金回収もままならない状況にあった。
  西大阪スチールの倒産を本部に報告する段階になると支店長は一転半沢に責任
  をなすり付け、しかも本部各所に手をまわし半沢の追い出しを図る。

   作者池井戸潤は銀行で働いたことがあり斯界に詳しい。自身のキャリアに何
  かあったのか、
銀行の体質に対して抜きがたい不信感を抱いているふしがある。
  バブルが弾け、華やかであった銀行が見る影もなく凋落した姿をかえりみて、
  「銀行というところは、人事がすべてだ」、官僚体質で事なかれ主義、幼稚園
  ながらの管理体制で傲慢な体質…と口を極めて厳しく糾弾している。

   半沢は、職責上非難に対抗するには資金回収しかないという友人の示唆もあ
  って、西大阪スチールの計画倒産の裏金つくりのからくりなどを暴き、資金回
  収に成功する。そして不正融資に加担した浅野支店長の弱みを逆手に取り、融
  資課の部下の希望部署への配属、自身の本店営業第二部次長への昇任をとるつ
  ける形で復讐を遂げる。やられたらやり返す。まさに10倍返しである。

                           (以上この項終わり)
  

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今村昌弘の『屍人荘の殺人』

2019年01月02日 | 読書

◇『屍人荘の殺人』  
       著者:今村 昌弘  2017.10 東京創元社 刊

     

 第27回鮎川哲也賞受賞作品(2016年)。前代未聞のクローズド・サークルを創り出した本格推理小説として大評判
を得た。綾辻行人、
有栖川有栖、青柳碧人など斯界の人気作家が高く評価する。


 主人公の”俺”(葉村譲)は神紅大学の1年生。ミステリーが好きで大学のミステリー研究会に入ろうと思ったがレベ
ルが低く、結局明智恭介という理学部3回生が主宰するミステリー愛好会に入ることになった(とはいうもの
の部員は会長の明智と葉村の二人だけ)。

 その年の夏休み。ひょんなことで二人は映研の夏合宿に同行することになった。誘いをかけたのは探偵少女剣崎
比留子(2回生)。映研の部長進藤と部員ら6人。それに映研OBが4人。2泊3日の予定で某避暑地の湖畔にある「紫
湛荘(しじんそう)」というペンションの出かけた。メンバー13人と菅野という管理人の14人が泊まるこの3階建てのマン
ションがまず第一のクローズドサークルである。
なんといってもページをめくるとのっけから建物の見取り図が現れる。
「うひゃー本格推理だ!」と先ずは興奮する仕掛け。

 映研の合宿ということであり廃墟の建物でホラービデオの撮影会が行われる。そして初日のバーベキュー。なんと
いっても女性6人、男性7人のグループのこと、部屋割りやセクハラ騒動などでごたごたするが、男女のペアで余興の
度胸試しに出かけるところから状況はがぜんヒートアップする。
 近くの湖畔でやっているロックフェスタの会場からゾンビ集団が押し寄せてきて、13人はゾンビの襲撃に備えペンシ
ョンに立てこもることになる。携帯も通じない。
これが第2のクローズドサークルである。

 この閉鎖空間となったペンションで2つの殺人事件が起こる。厳重にガードした扉やエレベーターをゾンビはどうや
って通り抜けたのか。何人かの住人がゾンビの餌食になってゾンビ化した。葉村の師匠明智まで。

 終盤に至り剣崎比留子名探偵が明快な推理を披露し真犯人を指摘する謎解きの第六章。フーダニット。ハウダニ
ット。ホワイダニット。ほとんどすべて剣崎の推理通りであったが、実は深刻なホワイダニット。
 とにかく面白く、まさに一気読みの傑作です。

 大学生の女性たちがいくら先輩後輩の間柄とはいえ品のない男言葉でやり取りするのが気になって仕方なかった。
皆美人だという設定なのに。
 羽村君は尊敬する明智先輩を失ったものの、憎からず思う間柄になった剣崎比留子と一緒に動くことになって幸
せ。

  
                                                        (以上この項終わり)

 


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