◇開花から90日目の落花生
昨年は収穫時期が遅くなって良い落花生の収量が少なかった。
今年は教科書通りに開花から80~90日目に試し掘りをした。その年の降雨量、日照など
気象条件が違うので、試し掘りが必要とされる。
2株掘ってみた。まだ乳幼児のようなのがいくつもあるが、80%くらいはほぼ成熟した実と
見て取れた。明日から3日ほど雨という触れ込みなので、そのあとに収穫しよう。
◇なま落花生の塩茹で
自家製落花生を作る醍醐味は、生の落花生を塩茹でして味わうこと。
・ 鍋に落花生がひたひたになるくらいの水を入れ、海水程度の塩分にする。(およそ3~5%。)
・ 沸騰するまでは強火で、沸騰したら中火でおよそ40~50分茹でる。火を止めたら30分ほど
そのまま鍋においておく。
炒った落花生もうまいが、採り立ての落花生の塩茹でビールを飲むのも乙なものである。
◇ 秋大根を蒔く
いつもより少し早いが、近所の畑で大根を蒔き始めたので早速トマトの木を始末し、その後に
畝を作った。石灰で土を中和し、堆肥と少しの化成肥料にボカシを混ぜて耕す。大根は土をよく
耕さないと二股の大根が出来たりする。
種蒔きは11日。品種は「秋さかり」どういうわけか種の生産国は「アメリカ」だ。こんなところまで
アメリカの厄介になっているのか、情けない。
種は4日で芽を出した。まだひ弱なので、強い雨や風が吹くと折れたりするので土寄せが欠か
せない。
(以上この項終わり)
◇『処刑人の秘めごと』 著者:ピーター・ラヴゼイ(Peter Lovesey)
訳者:山本やよい 2008.6早川書房刊
昔気質の刑事(昇格し警視)ダイアモンドシリーズ第9作目。3年前に最愛の妻ステフを亡くし、
猫のステファンとの独り暮らし。そんな彼に”秘密の崇拝者”と名乗る女性から手紙が届く。また
ある日スーパーの駐車場で美人のビジネスウーマンと知り合いになった。心騒ぐダイアモンドに
は次々と起こる首吊り殺人の解明が目下の大仕事。手掛かりがなかなかつかめないまま新しい
恋人の家で一夜を明かすところまで進展を見るのだが。
意外やこの恋人パロマと事件とに微妙な係わりが出てくる。
P・ラヴゼイの作品もイギリス人らしいウイットに満ちた会話が多く、楽しい。
◇ 『禁猟区』 著者:乃南アサ 2010.8新潮社刊
今までお目にかかったことのない警察内部監察が主役の小説。”本邦初の警察インテリジェンス
小説”は本書の帯の惹句。
権力行使の中で酒と女と金の魅力に抗しきれなかった警官が堕ちていく過程はかなり似通ってい
る。
この単行本は2008年から小説新潮に載った短編4編を収録している。
「禁猟区」子持ちの婦人警官。かつて補導したことのある少年は今はホストクラブのホスト。この子に
入れ上げる金はホストクラブにはまり込んで借金を作った少女らの親たちから騙し取る。クラブと交渉
し、バンス(借金)300万円を1割くらいで手を打たせるからといって預かった金は懐に。「娘の危機が
救われたと」一部の親から警察本部に礼状が届いたことから発覚。恐喝、詐欺、収賄容疑で逮捕。
「免疫力」暴対班警部の悪性リンパ腫の息子が、ある薬のおかげで回復した。その薬を、白血病で苦
しむ姪がいるという親しい暴力団組長に勧めた。そのうちに暴力団は会社を興し、その薬を「奇跡の
クスリ」と説明会付きで売りに出す。警部はそこで体験談を話し、その都度お礼として30万円ほど貰
う。ところがこの薬は10倍に薄めたまがい物で効果も疑わしいものだった。この偽薬販売は暴力団の
資金源に育っていた。
「秋霖」長年刑事畑で仕事をしながら一向に成果を上げることなく定年間近となった偏屈刑事。専従と
なっている殺人事件が1カ月後に時効を迎えることになった。功を焦り、証拠ねつ造したりブログを使っ
て犯人煽りなどを企てる。その悪事を相棒の若輩刑事はいやがるが・・・。
「見つめないで」監察調査担当警官沼尻いくみはストーカー被害に遭って、以前所轄署で一緒だった
金津に相談する。実は金津は沼尻がかつて付き合って別れた内野の友人。金津は沼尻を憎からず思
っていて交際を申し込みたいが、内気なため次の一歩が踏み出せない。女遍歴の多い内野の助けを
借りてなんとか沼尻を振り向かせようとするのだが、内野がまたぞろ色気を出したりして…意外な結果
に。
思いつめた男もこわい。
(以上この項終わり)
◇ 悪果 著者:黒川博行 2007.9 角川書店刊
刑事も本物の悪(わる)だとここまでやるのか。あきれるばかりの悪行である。
大阪府警といえば時折新聞などで不祥事が話題になるが、暴力団担当班は伏魔殿か。ある
程度やくざとの付き合いがないと内部情報が獲れないなどと言って、飲食いや麻雀・ゴルフな
どの付き合いが半ば公然とも聞くが、「オレは本物のマル暴担だぞ」とうそぶくだけに、主人公
の堀内は半端ではない。たかり、強請りをはじめ、赤業界紙に情報を流して企業を強請らせて
上前をはねるなどやりたい放題。最後は職をなげうつ覚悟で元学校法人の理事長から1億円
を脅し取る。どうやら相棒も上司もそれぞれ金づるがあるらしい。癒着・横領・隠蔽・強請・暴力、
権力を笠に甘い汁を吸う警察官。警察のすべてがこうとは思わないが、話半分でも相当ひどい
ことをやっているのだろう。
この道25年という著者が構想10年でまとめた警察の捜査の実態。とにかく面白い。
◇ カウントダウン 著者: 佐々木譲 2010.9 毎日新聞社刊
北海道を舞台にした作品が多い佐々木譲。今回は北海道警ものではない、至極真っ当な小説。
夕張市の財政破綻は有名であるが、その近くにある幌岡市という架空の市が舞台。炭鉱閉山後
リゾート開発による再興を目指すも過剰投資のつけが赤字累積を招き、夕張市同様の赤字再建
団体転落の瀬戸際に陥ったが、現市長は赤字を巧みに隠し5選をめざす。これに果敢に立ち向
かい市長選に立候補する若き司法書士。突然現れた現れた得体のしれない選挙コンサルタント。
その妻をも巻き込んだ醜いネガティブキャンペーン。試される夫婦の信頼。
この小説には根っからの悪人は登場しない。安心して大団円の結末をを迎えることが出来る。
◇ 盗まれた貴婦人 著者:ロバート・B・パーカー(RobertB.Parker)
訳者:加賀山卓郎 2010.11 早川書房刊
スペンサーシリーズ第38作目。相変わらずスペンサーと恋人である精神科医スーザンの機智
に富んだ会話が楽しい。しかし本筋はアクションとサスペンスに満ちた内容。17世紀の名画『貴
婦人と小鳥』が盗まれ、犯人から絵の身代金の要求が来た。スペンサーが介添えを請合うが、金
は盗られ、受け渡し人は爆殺される。面目丸つぶれのスペンサーは名誉回復とばかりに自前で
調べ回るが何者かに何度も命を狙われる。
ユダヤ人ホロコーストの悪夢がひそむ財団の秘密が明らかになり・・・。
作者のロバート・B・パーカーは2010.1執筆中に亡くなった。享年77。残されたスペンサーシリー
ズ『Sixkill』は本国で出版予定で、いずれ日本でも翻訳出版されるだろう。
(以上この項終わり)
◇ またも葡萄と桃を描く
栃木県は小山市在住の妻の親友Kさんが、近くのぶどうの産地「大平町」から鮮度のいい葡萄
を送ってくださった。孫のMちゃんがぶどう大好きと聞いたから、「Mちゃん用に種なしも入れたよ」
とのご親切。箱の中には「大平町観光ぶどう園協議会」から「放射性セシウム、放射性ヨウ素は
検出されませんでした(栃木県が8/2に検査)。」というチラシが入っていた。これから当分の間、
農作物はこんな安全証明をしないと買ってくれないらしい。
妻はちょうど三女の家に用があって、このブドウは翌日には無事Mちゃんの口に納まった。
恰好のモチーフとばかりに、残りの種ありの巨峰(濃紫)とハニービーナス(緑色)を描いた。
色面を考え桃を1個だけ買ってきた。まだ画面が空いていてバランスが悪いので、育苗中のシン
ゴニュウムを脇に据えた。
果物は器に入れてもよいが、新聞紙を使っても結構味があって面白い。そこで2月にアメリカを
訪問した際もらった、オスカー賞授賞発表のロサンゼルスタイムズの新聞がまだ捨てないで残
っていたのでこれを使った。英字新聞は日本語の新聞よりもごまかしやすい。
小生にとって、水の入ったガラス器の描き方は永遠の課題。
ブドウも独特の白い粉っぽい「こう」をふいたようなところがなかなか表現できない。ハイライトと
新聞紙などからの反射を受けた明るい面も旨く表現できない。課題だらけである。
CLESTER F8
(以上この項終わり)
◇ 夜明けの街で 著者:東野圭吾 2007.6初版 角川書店刊
東野圭吾らしく、ちょっと推理っぽい部分もあるが、基本は「不倫」が巻き起こした騒動が
一段落するまでの顛末記。
「不倫する奴の気が知れない。不倫する奴なんて大馬鹿だ」と思っていた妻も子もある
40男(僕ちゃん)が、派遣で入って来た31歳の女の子と、ひょんなことから抜き差しなら
ない仲になって、妻と離婚まで決意する羽目になる。
何となく不可解なところがある彼女。
時効目前の殺人事件の容疑者であることが明らかになって、「もしかして殺人者かもし
れない…。」腰が引きかけると「あなたはあたしのものだと思うことにしたわ」と告げられ、
ついに・・・。
そもそも夫婦の間で「信頼と誠実」が失われたら一緒にいる意味がない。不倫を維持しよ
うとしたら多分うその連発だろう。不倫は出来心で出来るもんじゃない。相当の覚悟がいる
と観念せよ。
男は結婚したとたんに「おとこ」でなくなるのだ、には妙に納得する。
◇ 無実(上/下) 著者:ジョン・グリシャム 訳者: 白石 朗 2007.4 ゴマブックス刊
リーガルサスペンスの巨匠ジョン・グリシャムが著したノンフィクション作品。全米ベストセ
ラーで大変な反響を呼んだ。
アラバマ州の田舎町で強姦殺人事件が発生、2人の容疑者が逮捕される。いずれも微罪
の前科があるが物的証拠はなく証言だけ。しかし、ずさんを通り越してでたらめな捜査とでっ
ち上ゲの自白強要、証拠ねつ造の繰り返しながらついに裁判まで持ち込まれる。
この間容疑者の一人ロンは精神的な病が悪化し公判維持も危うくなったりする。あろうこと
か公選弁護士まで辞任を申し出る始末。田舎町とはいえ無能な警察と傲慢な検察のせいで
人生を狂わされる。結局強引な法廷作戦で一人は終身刑、一人は死刑の判決が下る。
死刑囚のロンは真面目な上訴弁護士等に出会い、死刑執行の4日前に人身保護令状が
認められ危うく冤罪死を免れる。 最新でDNA鑑定の結果無実が証明され、晴れて自由の身
になった。
折しも「東電OL殺人事件」で、このほど東京高検は残された唾液のDNA鑑定を指示したと
いう。検察側の証拠隠しの疑いがあり、無期懲役の犯人に冤罪の疑いが出たとのこと。
このアメリカのひどい冤罪事件ほどではないにしても、日本でも似た事件がいくらもあるのか
もしれない。
なお、膨大な資料調査に辟易したのか著者のJ・グリシャムは「もうノンフィクションは書かない」
ことにしたとか。
◇ 泥棒は深夜に徘徊する 著者: ローレンス・ブロック 訳者: 田口俊樹
2007.7 早川書房刊
前作「ライ麦畑で追いかけて」から5年ぶりの<泥棒バーニーシリーズ>
泥棒稼業(のび師)のバーニーが、抑えがたい職業心に負け忍び込んだ部屋に持ち主が帰
ってきた。あわててベッドの下にもぐった彼の耳に、睡眠薬を飲ませ朦朧とした部屋の持ち
主の女性を乱暴する暴漢の声。目的を遂げ宝石を盗み去った男は何者か。声だけが頼りだ。
そのバーニーを刑事が訪れる。あろうことかその時間帯に近くで殺人事件があり、防犯カメラ
に彼の姿が映っているという。アリバイを証明するには真犯人を見つけ出さなければならない。
バーニーは泥棒はお休みにし副業の古本屋の仕事をこなしながら犯人探しに奔走する。
最後にはお得意の関係者全員を集めての謎解きと犯人指摘がある。
<泥棒バーニーシリーズ>は30年に及ぶという。
(以上この項終わり)