読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

青木ケ原樹海と風穴・氷穴

2010年05月20日 | ウォーキング

富士北麓の樹海を歩く
  毎年「温泉付き山歩き」をテーマにしてきた7人のおやじグループ。全員が70歳
 以上となって、人騒がせな事態を招くとみっともないから、きつい山は止めようとい
 うことになって、今年からごく軽い行程を取ることになった。そんなわけで今年は手
 始めに富士北麓の「青木ケ原樹海」歩き。

  話には聞いていたが、樹海を縫う「東海自然歩道」から見渡しただけでとやかく
 言えないが、苔むした樹根・溶岩の連なりを見ていると、原生林の凄さが伝わっ
 てくる。
  溶岩が流れ出して冷えてから1200年に及ぶ。溶岩台地は水分も栄養分も少
 いので、容易に植生が進まない。樹種はと言えばツガ、ヒノキ、アカマツなどの
 針葉樹やミズナラなどの広葉樹が混生している。その広さおよそ30平方キロで
 東京の山手線内の広さに匹敵する。
  一度入ったら二度と出られないとか、自殺の名所などと言われているが、どこ
 であろうとこんな樹林帯に入ったら迷うのは必定。また磁針がくるくる回るとか、
 飛行機が樹海の上を飛ぶとジャイロが狂うとかいうのも取ってつけたような話で、
 まことしやかに言われるほどのことではないようだ。

    
        青木が原樹海                          異様な樹根   
    

  貞観6年(1140年)富士山の側火山・長尾山が爆発した際、古い寄生火山の
 間を溶岩流が流れ下っていくつものトンネル式洞窟が出来た。見学した冨岳
 風穴・鳴沢氷穴はその代表的なもの。

   


   「冨岳風穴」から樹海の中を25分ほど歩くと「鳴沢氷穴」に着く。いずれも天然
 記念物指定を受けている観光スポットになっており、観光客が絶えない。

   
          風穴内の氷                   昔は蚕の種をここに保存していた

   
        鳴沢の氷穴                           氷穴内の氷

   さらに進むと海抜1165mの「紅葉台」という山があって、鳴沢の富士山と樹海
 を俯瞰する観光スポットである。海抜1000mの地点からほぼ一気に登るので一
 緒になった中学生の団体もひぃひぃ言っていた。
  それにしてもこの時期の新緑は未だ瑞々しく、まさに身も心も緑に染まるようだ
 った。

    


    
                 鳴沢・紅葉台からの富士山

  宿舎のホテルは河口湖畔。部屋から湖水を隔ててドカーンと富士山が迫る。
 今日は幸い天候も良く、赤くはならなかったが夕映えの富士山を満喫した。
  鳴沢の富士山よりこのほうが姿かたちが美しい。

     
                部屋から見た河口湖と富士山
 
  翌日は近くの天上山公園にロープウェイで上がって、河口湖と富士山を鑑賞
 しようと思ったが、生憎と天候は下り坂。富士山は顔を隠していた。
  ちなみにこの天上山は昔話「カチカチ山」の舞台で、タヌキがウサギに騙されて
 泥船に乗って沈んだのが河口湖という。太宰治がこれを素材に「カチカチ山」と
 いう小説を書いていたとは知らなかった。

    

  (この項終わり)

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2 コメント

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青木ヶ原樹海 (ポレポレまゆ)
2010-05-20 21:23:29
素晴らしい富士山の写真ですね。感動しました。東海自然歩道「東京から大阪」まで7年かけて歩きました。
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青木が原樹海 (ごんべえ)
2010-05-22 08:46:35
コメントありがとうございます。
東海自然歩道は今、弟の嫁さんが歩いています。
(いま静岡あたりかな)5年前に旧東海道を22日かけて歩きました。自費出版し「旧東海道を歩く―東海道五十三次夫婦道中記ー」柏市図書館にもあります。時間がありましたらお読みください。
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