◇「ばんどり」の語源
「なるほど、そうだったのか。」
積年の疑問が解明され、快哉を叫ぶ気分だった。
我輩の購読紙は20代から「日本経済新聞」であるが、朝刊の32ページは文
化欄で、連載小説(ただ今高木のぶ子の『甘苦上海』)のほか「私の履歴書」
(ただ今ドトールコーヒー名誉会長鳥羽博道氏)、文化人の随筆などが載ってい
て毎日熟読を欠かせない。
また九百字ほどのコラムがあって、普段は著名人の「交遊録」であるが、日曜
日は歌人の小池光氏が「うたの動物記」と題して、動物にまつわる短歌をいくつ
か紹介している。2月22日は「ムササビ」について2首紹介されていた。
―「空飛ぶ座布団」の神秘―
「ムササビ」はご存知のとおり空を飛ぶ。大きさも座布団に近いところから「空
飛ぶ座布団。」少し小振りのモモンガは「空飛ぶハンカチ」と上野動物園の檻に
説明書きがあるとか。
むささびは木末(こぬれ)求むとあしひきの山の猟夫(さつを)にあひにけるかも
―志貴皇子―
三国山木末にすまふむささびの鳥待つごとく我待ち痩せむ ―読み人知らず―
上の歌は愛の歌。
さて、ムササビは「バンドリ(晩鳥)」、「ノブスマ(野衾)」、「モミ」、「モモ」、「モモ
ンガ」などと地方によってさまざまな呼び名がある・・・。
「なるほど、そうだったのか。」
越後の片田舎で育った我輩が幼少の頃は、農用具に「ばんどり」という背負子
の一種があった。今でも山登りの諸君はアルミ製の軽い背負子を使っていると
思うが、当時は木と枝の骨組みに、藁や木の皮を編んで作った。形は言われて
みればまさに「バンドリ」が両手両足を広げた形にそっくりかも。
齢七十になんなんとしてついに「ばんどり」の語源にたどり着いた。
◇推理
パソコン講座が縁でお知り合いになってブログの「ブックマーク」に登録している
某氏。ご自分で広大な敷地内に井戸を掘ったり、菜園を耕し、花園を作り、
バーベキューコーナーを作るなどし、「ぜひご利用を」とブログで紹介していられ
るのだが、名前、住まいなどを明かさないブログの性格上どこにお住まいかトン
と分からなかった。
ところが、某日「球根サービス」の記事があり、そこに載った写真で重要なヒント
を発見。某武道館の写真が映っている。もしかしてホームページがあれば住所が
・・・と思ったら。ありました。
今度秘かに訪ね、驚かせよう。
推理小説などで、写真の片隅に映った小さな映像がヒントになって事件が解明
されるなどということはよくあるが、皆様もゆめゆめご油断めさるな。