◇ 「#検察庁法改正案に抗議します」について思う
このブログの性格上、政治的発言は避けることにしていましたが、止み難く身辺雑記
の一環として、いま話題の中心となっている検察庁法改正案の問題について考えを記し
ます。
なぜなら国難ともいわれる新型コロナ対策に翻弄されているさなかに、まさに「火事
場泥棒」はともかく「どさくさ紛れ」に、検事総長ら検察幹部の任用を政治的に行こな
える道を開く法改正が如何にキナ臭いか、これは先の黒川東京高検検事長定年延長問題
の延長線上にあると思うからです(ゴリ押し法解釈の変更の合法化)。
なぜこの件に危機感を覚えたかというと、次のような信頼度が高いと思われる情報に
出会ったからです。
「なお同法案は、昨年秋に内閣法制局で審査されていた時のものに条文が追加されてい
る。昨年秋時点の内容は「検察官の定年を65歳に引き上げ、次長検事及び検事長は、63
歳に達した翌日に検事になる」というシンプルなもの。しかし今年2月末に改正された
内容では前述した「検察幹部の定年延長を内閣が決めることができる」といった条文が
追加されている。」
コロナ禍によって日本中が不安な日々を送っている真っ最中に、政権にメリットのあ
る条文が追加されているのです。しかも検察庁法改正案を国家公務員法改正案とともに
内閣委員会に諮り、本来審理すべき法務委員会での審理を省いて両法案を一緒くたに審
理し、短時間で採決する。まさに「どさくさに紛れて」、「火事場泥棒的」と言われ、
「関連する法案」とする反論が白々しく聞こえるのです。これまで森掛け花見と揶揄さ
れた事件の「公文書改ざん、公文書廃棄、虚偽答弁、恣意的法解釈の変更」に加えて、
司法官僚人事の操作にまで手が及んできたわけです。
国会では野党がこうした明らかな政権与党の横暴にか弱い声を上げていますが、絶対
多数を恃む与党は数の論理を押し通すでしょう。ツイッターでたとえ500万件超(5/11
現在)の声が上がっていても、いろんなご意見があることは承知しておりますがと流さ
れるでしょう。そして結局は隣国のM大統領の如く、権力からの検察の独立を否定し、
「法の正当な適用を請求する」検察官の邪悪への牙を削ぐ策謀が実現するのでしょう。
この現状は実に残念なことですが、これはかつての日米安保条約反対運動のような国
民的運動まで持っていけない野党の責任であり、驕り高ぶる現政権に批判的勢力も産め
ない保守党内勢力、政権協力党の責任であり、何にも増して自分の生活や人生に不安
を覚えながらこれを政治的表現(有権者としての権利行使)にまで持っていけない国民
の責任であると思います。多分今回のゴリ押しは現政権の大きな狙いのための小さな布
石なのです。
誰の言葉か忘れましたが(もしかして自分の?)、「大きな嘘はついても小さな嘘は
つくな。大きな嘘はすぐはわからないが、小さな嘘はみんなすぐに気付くから」。
憲法改正はおじいさんの形見だから自分が実現する。そのためには政権は絶対渡せな
い。打てる手はどんなことでもやる。そんな悪魔的な意欲があからさまになってきたよ
うな気がします。
この度の突然の新型コロナ来襲で我々の生活は多分激変します。当然経済活動が弱く
なり、生活水準を下げざるを得なくなる。そして寛容も思いやりも薄れ、人を恨み、人
を疑い、拒み、罵倒するような、ぎすぎすした社会風土が残るのではないか。そんな気
がします。それでも私は、自分だけは日本人らしく清貧と毅然さを守ろうと覚悟するも
のであります。
(以上この項終わり)