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読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

P・マーゴリンの第6作『葬儀屋の未亡人』

2012年08月01日 | 読書

◇ 『葬儀屋の未亡人』(原題:THE UNDERTAKER'S WIDOW)
                                     著者: フィリップ・マーゴリン(Phillip Margolin)
                                      訳者: 加賀見 卓朗
                     2000.1 早川書房 刊
  
 

  富裕な実業家が自宅寝室で殺された。ベッドの傍らには拳銃を手にした妻が。そして夫を
 殺したと思われる男の死体が傍らに倒れている。
  葬儀屋を相続し、これを核に多角経営で財をなした男の妻となった野心家の女。州上院議
 員となって今は連邦議会の上院議員の党指名を狙って選挙運動中ンさなかの出来事。
  悲劇の候補者として同情を集める。
  ところが。

  夫を殺した侵入者を殺害した妻という立場であった州上院議員に夫殺しの疑いがささやか
 れ始める。先妻の息子が相続財産をめぐって乗員議員の夫殺しを主張し始めたのだ。
  妻は有能な女性弁護士をやとう。担当する公平清廉な判事に伸びる誘惑と魔手。裏で操る
 のは誰か。

  読者は最後までハラハラ・ドキドキさせられる。州上院議員は地位と金とを狙う悪女なのか、
 それとも彼女の涙は真に夫の死を嘆く涙なのか。
  ストーリーはエンターテイメント満点の展開であるが、珍しく法廷技術の応酬も随所に見られ
 るリーガルサスペンスでもある。
  どんでん返しを予感させながらも最後まで結果をスリリングなまま引きずるところがいかにも
 マーゴリンらしい。 

  『黒い薔薇』、『炎の裁き』、『暗闇の囚人』、『封印された悪夢』などノンストップスリラーの名手
 の作品は夏の暑さを忘れさせるかはたまたいや増させるか。

  (以上この項終わり)