JCP市原時夫です

千葉県房総の睦沢町から、政治・経済・歴史・オペラ・うたごえを考えるgabuku@m12.alpha-net.ne.jp

一方的な建設による赤字を押しつける「九十九里医療センター」問われる千葉県の責任

2011年02月22日 | Weblog
 東金市と九十九里町による医療センター建設にともなう、運営赤字分の補填を長生郡市などへ求める文書が作成され、睦沢町にも「説明」なるものがなされていることがわかりました。
 この文書は「東金九十九里地域医療センターが担う三次救急医療に対する財政支援のお願い」と題する、一月五日付けの東金市と九十九里町からの文書です。
 睦沢町には、東金市だけではなく千葉県も同時に来たとのことです。文書では「平成26年四月開院を予定・・・・計画通り経営が行われたとしても、年間一億円程度の収支不足が見込まれ・・・・当該収支不足については、本市町と周辺市町村で、ともに支えていただきたい」「救急救命センター赤字額×1/2を周辺市町村にその利用率に基づいて財政支援をお願いできれば」とされています。
 失礼な「説明」なるもの
 睦沢町に訪れた、東金・県は、「要請ではなく、説明だ」とのことですが、提出された文書は、「財政支援のお願い」と見られます。口頭で説明と言っておきながら「財政支援のお願い」の文書を渡すのは、矛盾した行動ではないか。というより大変失礼な行いではないかということです。
 第二に、これまでただの一度も、要請や相談もなく、一方的に開院まで決めておいて、赤字間違いないので、財政支援をという身勝手さです。つまり、「口は出すな金だけだせばいいのだという」自治体同士の対等な関係を無視した、押しつけの態度であるとともに、より住民の立場に立った病院建設運営のあり方を広く関係自治体、住民、医療専門家などと話し合いながら作っていくという基本姿勢がないという事の表れでもあります。
 第三に、赤字額の二分の一ということで、額がどんどんふくれあがる可能性を持っていること、さらには、東金市・九十九里町の財政の今後によっては、いったん、言いなりになれば、二分の一ということも変更されかねないということです。
 第四に、さらなる、赤字が続けば、せっかく財政支援をしても、民間に安く売り渡すなどの問題も充分に考えられるということです。以前NHKがどうようの病院の赤字運営状態を報道したこともあります。
 第五に、この建設計画は、中心的な医療センタ-病院建設と長生病院などの周辺病院の出先化(サテライト化)とが引き替えに、身近な医療施設充実と矛盾する方向で進められており、睦沢町民にとっては、現状でも遠い長生病院の充実よりされに遠い病院充実への負担が優先されかねないという問題で、医療サービスの後退につながりかねないという問題です。
 第六に、現在の長生病院は、一時医師の退職などで、大変な事態がから脱却しつつありますが、二十四時間完全救急体制や施設のさらなる充実、産科、小児科など、早急に充実が求められており、ここにこそ全力を注ぐべきであるということです。
 第七に、三次救急の必要性では、医療圏という部分だけではなく、ドクターヘリなどを活用した、三次医療への搬入の時間などの実質的な実態を見た上で判断しなければならないということです。

写真は睦沢町と長南町のさかいにある素堀のとんねる、車が一台通れます。