山の日記や日々のたわごと
ちゃたろう山日記+
南アルプス:赤石~茶臼へ
今年のお盆は、約10年振りに南アルプス南部へ向かいました。
お盆ピーク過ぎの南アルプス南部には、山ボーイ&山ガールも
全然見あたらず、それは静かな山旅を堪能しました。
一つ一つの山を越えていく感があり、
花がたくさんあり、
静かな南アルプス南部。
テント床下浸水などのトラブルも有りましたが
北アの見慣れた風景と違う、久しぶりに新鮮な山旅でした。
大沢岳から聖へ向かう
聖より兎岳振り返り
今年のお盆はマッチャンの発案で栂海新道を白馬へ向け登ろうかと
計画していたのだが直前に天気が不安定となり、お盆休暇の初日から
挫折して初日は山に行かず計画練り直しとなった。結果、約10年ぶりとなる南アルプス南部へ出かけることとした。
2012年8月17日
朝1時30分に自宅をでて新東名を金谷ICまで走る。そこから畑薙ダムまでは約100kmの下道だ。おまけに道がクネクネの超しんどい道。ヘロヘロになって5時半過ぎに畑薙ダムの駐車場に到着。始発のバスは8時となっているが情報では人が多ければ7時発があるとの事なので少し寝て、6時過ぎからゆっくりと準備を始めた。7時前に荷物をとりあえずバス停に持ってゆくと、いきなりバスを出しますといわれ慌てて残りの荷物を取りに車へ戻り何とかバスに乗車。
7時45分。さわら島に到着。2003年に来た時よりも小屋がこぎれいになっていてなんだか良い雰囲気の場所になっていた。
今回はここからまず赤石小屋を目指す。久しぶりの3泊分装備のせいか、やけに背中の荷物が重いように感じるが。いきなりの急登で最初からたっぷりと汗をかく羽目となった。ここの登山道は小屋までの間を5区画に区切っていて、1/5~5/5までの休憩地が設定されていた。僕たちは2/5、4/5と2回の休憩で赤石小屋に到着したのだが、到着する30分ほど前から雲行きが怪しくなり、最後は笠をさしながら滑り込みセーフで到着した。テント場は小屋の正面の下方に何区画かあるのだがさほど大きなテント場ではなかった。
テントの幕営地は広くてフラットなサイトを選んだのだが、テントを張った後急激に天気は悪化してひどい雨とカミナリの様相となった。気が付くとテントの床のあちこちがブカブカし始めて来た。 まずい床下浸水状態である。
そのうちグランドシートの縫い目から水がじわじわと浸水し始めてきた。
ロールマットの上だけが何とか安住の地となり、その他はかなりやばい状態となってきた。想定外の状況に一気にモチベーションは下がり、明日このままの天気であれば下山して、向かいの山でも登ろうかと考えたりしていた。
それよりも今日どうして寝るかが問題だ。寝返りを打とうものならシュラフが水浸しになる危険性があり、防寒技の上にゴアの雨具を着込んでそのまま寝ようとしたが、途中でやはり寒くて無理。寝袋を出して上にかけて寝る状態となった。もしこのまま悪天が続くかと思うと気が気でなかったが翌朝起きると見事に晴れ上がった空となっていて一転、行く気満々となった。
8月18日
3時起床4時45分出発。テント場から樹林帯の中を一登りすると富士見平という見晴らしのよい高みに到着した。早朝の澄み切った空に周りの景色が綺麗に見えた。ここから先はらくだの背と呼ばれる冬季ルートは行かずにトラバース道が夏の登山道となっている。トラバース道だけあって、小尾根を幾つも越えるので道は案外に悪く細かいアップダウンを繰り返して行く。水場のある沢を超えるとそこからは稜線に向かってジグザクの道が続いていた。コースタイムからすると途中一回の休憩を含もうかと思っていたが、マッチャンの快調な足取りに富士見平からは休憩無しで一気に稜線である。稜線も近づく頃右手を見ると小赤石のピークがとても綺麗に見えていたので、稜線でザックをデポして、空荷でまずは小赤石を目指した。ほんの片道10分の道を往復したあと、今度は赤石山頂を目指す。20分ほどで赤石山頂に到着。10年ぶりのピークはとても新鮮で、南ア南部の山々を十分に堪能した。山頂から直ぐ目の前には赤石小屋がある。小屋を覗くとアンデスのかわいい土産を売っていて思わず購入。
気さくの良いお母さんと、面白いおじさんの山小屋でした。
赤石岳山頂からしばらく行くと、ガレガレの大下りが待っていて、そこを下ると馬の背尾根を緩やかに行く。目の前に百間平の台地が近づいてきてそこで振り返ると赤石はジャイアントのような風情で立派にたたづんでいた。
百間平を過ぎると百間洞のテント場目指して最後のひと下りである。
百間洞には一番の到着で、小屋にテントの申し込みに行くとどこでも良いからと言われ、思わず小屋に一番近い低い平地にテントを張ることとした。
今日の天気は予報とははずれ、案外良い天気が持っていたため安心していたのだが昼飯を食べているうちに雲行きが怪しくなりだんだんと雨脚が強まってきた・・。昨日の雨に懲りたので水みちをテント場に作ったのであるがそれ以上に今日は雨がさらに強くなってきた・・。心配していた床下浸水がまたもや始まり今度はテントの中にしっかり浸水が始まった。強い雨脚にテントを張りかえる余裕も無く、二日続きでロールマットの狭い上に身を固める羽目となった。
沈没船ではないが、ここは水をかき出すしか思い浮かばず、マットの上からコッフェルで水をすくっては外に出す作業を続けた。雨脚が弱まったと思ったらまた強まり、水は引いたと思ったらまた引き返してきて、いよいよ昨日よりまずい状態となってきた。が、何とか神様は我々を見捨てず時間とともに少しずつ雨は引いてきた。コッヘルでの水かきのせいもあり、最後は何とかシュラフで普通に寝れる状態となりホッと息をつく。それにしても昨日の同じ失敗を今日もしてしまうとは、あまりの自分のアホさ加減につくづく嫌になってしまった。正直に言うとテント場の一番下のこの場所は水はけは少し悪そうだったが百間洞小屋のトイレに行くには他のテントよりもだいぶ近いのでリスクを甘くみて張ってしまったのだ。それでも結局バカな目にあい、山をなめた自分につくづく嫌気が差して飯をくう気にはなれなかった。 それでもようやく寝られる状態となると現金なもので、ウィスキーで一息をついて、そして明日に期待つつ寝入ることとなった。
8月19日 晴れ、午後曇り
3時起床4時半出発。
今日は聖平を目指す日である。天気予報では今日は晴れ予報であったが、テントを撤収する時には驟雨のようなイヤーな感じの霧に包まれていて、重い気分で出発の準備を行った。百間洞からはトラバース道で大沢岳をパスするコースもあるのだが前回この山はパスしていたので今日はテンと場からの直登コースを登ってゆく。道は樹林帯から直ぐにハイマツ帯に抜け、しばらく登ってゆくとそれまでの霧雨も無くなり雲の上に突き抜けた。 やった!今日は良い天気だ。ダイヤモンド赤石となった朝日を途中でみて、ジリジリと大沢岳頂上目材して登っていった。大沢岳は地味なピークではあるが、実際には北側はすごいガレとなっていて、道もあまりよくない感じである。頂上にはコースタイムより少し早めに着いて少し休憩。北アルプスまで広がる遠望を楽しんでからコルまで下がって行く。ここからはとても分かりやすいピークである中盛丸山を越え小兎岳、兎岳と一気に上ってゆく。兎岳手前の鞍部には水場とテントが張れそうな小広場があった。兎岳頂上に到着すると早くも聖から降りてくる人にもすれ違う。少しの休憩のあと出発してしばらくで兎岳避難小屋である。避難小屋は外観こそ以前と変わらないが、内部は少し整備されてこぎれいな内部になっていた。ここから聖岳へ登る尾根まではしばらくアップダウンが繰り返す結構疲れるところだ。ようやく本登りの下に到着して、気合をいれてじっくりと登りだす。兎岳を出て1時間半、ようやく尾根の開けたところにでてここで一呼吸して登ろうと休憩を申し出るが。先頭のマッチャンは「行きまーす」と、私の休憩要求を無視してそのまま山頂を目指して行く。仕方なく綱に引かれたロバのごとくあたしも重い足取りで登っていった。
とはいえ、兎岳からコースタイムより随分早く2時間で聖山頂に到着。
ようやく今日のメインイベントは超えた。時間もまだ余裕があるのでここは奥聖へ向かおう。 空荷で少し下り気味の尾根を南に向かい誰もいない奥聖岳に到着し記念撮影。 南アルプス南部は本当に随分久しぶりなので景色が新鮮だ。
少しの休憩でまた聖岳へとってかえると、百間洞組が続々と到着するところであった。ここからは荷物をまとめて何度も来た聖への長い尾根を下って行く。
西沢渡の分岐をへて小屋へは丁度2時間あまりで聖平へ到着した。今日もテント場は一番乗りである。今日こそは絶対に浸水しない場所を選んでテントを張った。早速お昼からビールをのみ今日こそは午後のひと時をくつろぐこととした。行こうと思えば茶臼までいけないことは無いが、南アルプスは必ず午後はガス模様。そんな中必死こいて歩くより、テント場でのんびりくつろいで、清らかな空気の中を歩いてみたい。そんなわけで今日はまったりの日だ。
そうしてまったりとしていると、来る道すがらで何度か前後したオジサンもテントを張っていて、一緒にお酒を飲むこととなる。関東のかつてクライマーのオジサンも僕らに負けず劣らずお酒好きで、酒を交わしつつ山談義に延々と花を咲かせていると、いつの間にか夜の7時過ぎとなり、ついには「そろそろ寝ませんか!」と近所のテントから指導を受ける羽目になってしまいました。
ゴメンナサイ。
8月20日 晴れ
今日は下山の日である。とはいっても、まずは茶臼まで行かねばならず、ロングコースの一日だ。なわけで、早出とすべく2時半起床で4時出発とした。
暗い中聖平を出て、稜線を目指して行くが、真っ暗な中歩いていると本当に道は正しいところを歩いているんだろうかと少し心配にもなった。それでも徐々に明るくなり、丁度稜線にでたところで日の出に出会うことができた。南アルプスの稜線から登る朝日はそれはそれは綺麗で、山にいる幸せをつくづく感じた。日の出をみたあと上河内岳のコルに向かって少し登ってゆく。二重山稜気味のところを登ってゆくとコルにでて、少し離れた場所にはビバークの人がいた。コルで荷物を置いて山頂を往復する。
山頂はこれまた360度の展望が広がる綺麗なところだった。景色を楽しんだ後またコルまでおりて茶臼目指して稜線を緩やかに降りて行く。
名残惜しい南アルプス南部の山々を見ながら降りて行く道すがらは、綺麗な林とお花畑の広がる、日本庭園のような場所であった。亀甲状土と呼ばれる窪地をすぎて一登りすると茶臼小屋への分岐に到達した。下りの道は長いが、茶臼まで一登りでいけるとすれ違った人に聞いたので、ここまできたら行っておこうと茶臼を往復。南アルプス深南部は光、池口まではわかるがそれより南の山塊は未知の山で良く分からなかった。北を見ると聖を正面に歩いてきた山々が見え、感慨ひとしおである。頂上でのんびりした後ザックデポ地まで降りると
南アルプスの山々に別れを告げ、下りの徒についた。
茶臼小屋は分岐から10分ほど下ったところにある小屋だ。この時間一張りだけのテントがあった。小屋は盛況なのか、増設された小さな屋根裏小屋風ロッジ?がいくつか本棟の前に建ててあった。
小屋から1時間少しで横窪沢小屋に到着。ここからさらに2時間でヤレヤレ峠だった。最後の下りを降りると大吊橋だ。風が強くてゆらゆら横にゆれる吊橋を恐々わたり、最後に林道を50分歩くとゲートについた。
久しぶりの南アルプス南部の新鮮な景色と雄大な山体に触れることができ満足な山行であった。
◆2012年8月17日 曇り~小雨、夜雷雨
1:30自宅発
5:40畑薙第2ダム駐車場
7:00バス発 7:45さわら島
8:00さわら島出発
13:05赤石小屋到着
◆2012年8月18日 晴れ~午後小雨夕刻雷雨
4:40赤石小屋cs
5:20富士見平
7:20主稜線(小赤石を往復)
7:30小赤石
7:45ザックデポ地
8:15赤石岳、赤石小屋8:35
9:40百間平
10:20百間洞cs
◆2012年8月19日 晴れ
4:40百間洞cs
5:55大沢岳
6:20百間洞トラバース道分岐
6:38中盛丸山
7:23小兎岳
8:22兎岳8:32
10:10聖岳
10:40奥聖岳10:45
11:10聖岳
12:13西沢渡道分岐
12:30聖平cs
◆2012年8月20日 晴れ
3:35聖平小屋cs発
5:10 2702ピーク(日の出)
5:45 上河内岳分岐(上河内岳ピストン)
6:10
6:50亀甲状土
7:10茶臼小屋分岐
7:40茶臼岳7:50
8:10茶臼岳小屋分岐
8:19茶臼小屋
9:30横窪沢小屋9:40
10:40ウソッコ沢小屋
11:35ヤレヤレ峠11:50
12:10畑薙大つり橋
13:00林道ゲート(自動車とりに行く)
13:30畑薙ダム駐車場
お盆ピーク過ぎの南アルプス南部には、山ボーイ&山ガールも
全然見あたらず、それは静かな山旅を堪能しました。
一つ一つの山を越えていく感があり、
花がたくさんあり、
静かな南アルプス南部。
テント床下浸水などのトラブルも有りましたが
北アの見慣れた風景と違う、久しぶりに新鮮な山旅でした。
大沢岳から聖へ向かう
聖より兎岳振り返り
今年のお盆はマッチャンの発案で栂海新道を白馬へ向け登ろうかと
計画していたのだが直前に天気が不安定となり、お盆休暇の初日から
挫折して初日は山に行かず計画練り直しとなった。結果、約10年ぶりとなる南アルプス南部へ出かけることとした。
2012年8月17日
朝1時30分に自宅をでて新東名を金谷ICまで走る。そこから畑薙ダムまでは約100kmの下道だ。おまけに道がクネクネの超しんどい道。ヘロヘロになって5時半過ぎに畑薙ダムの駐車場に到着。始発のバスは8時となっているが情報では人が多ければ7時発があるとの事なので少し寝て、6時過ぎからゆっくりと準備を始めた。7時前に荷物をとりあえずバス停に持ってゆくと、いきなりバスを出しますといわれ慌てて残りの荷物を取りに車へ戻り何とかバスに乗車。
7時45分。さわら島に到着。2003年に来た時よりも小屋がこぎれいになっていてなんだか良い雰囲気の場所になっていた。
今回はここからまず赤石小屋を目指す。久しぶりの3泊分装備のせいか、やけに背中の荷物が重いように感じるが。いきなりの急登で最初からたっぷりと汗をかく羽目となった。ここの登山道は小屋までの間を5区画に区切っていて、1/5~5/5までの休憩地が設定されていた。僕たちは2/5、4/5と2回の休憩で赤石小屋に到着したのだが、到着する30分ほど前から雲行きが怪しくなり、最後は笠をさしながら滑り込みセーフで到着した。テント場は小屋の正面の下方に何区画かあるのだがさほど大きなテント場ではなかった。
テントの幕営地は広くてフラットなサイトを選んだのだが、テントを張った後急激に天気は悪化してひどい雨とカミナリの様相となった。気が付くとテントの床のあちこちがブカブカし始めて来た。 まずい床下浸水状態である。
そのうちグランドシートの縫い目から水がじわじわと浸水し始めてきた。
ロールマットの上だけが何とか安住の地となり、その他はかなりやばい状態となってきた。想定外の状況に一気にモチベーションは下がり、明日このままの天気であれば下山して、向かいの山でも登ろうかと考えたりしていた。
それよりも今日どうして寝るかが問題だ。寝返りを打とうものならシュラフが水浸しになる危険性があり、防寒技の上にゴアの雨具を着込んでそのまま寝ようとしたが、途中でやはり寒くて無理。寝袋を出して上にかけて寝る状態となった。もしこのまま悪天が続くかと思うと気が気でなかったが翌朝起きると見事に晴れ上がった空となっていて一転、行く気満々となった。
8月18日
3時起床4時45分出発。テント場から樹林帯の中を一登りすると富士見平という見晴らしのよい高みに到着した。早朝の澄み切った空に周りの景色が綺麗に見えた。ここから先はらくだの背と呼ばれる冬季ルートは行かずにトラバース道が夏の登山道となっている。トラバース道だけあって、小尾根を幾つも越えるので道は案外に悪く細かいアップダウンを繰り返して行く。水場のある沢を超えるとそこからは稜線に向かってジグザクの道が続いていた。コースタイムからすると途中一回の休憩を含もうかと思っていたが、マッチャンの快調な足取りに富士見平からは休憩無しで一気に稜線である。稜線も近づく頃右手を見ると小赤石のピークがとても綺麗に見えていたので、稜線でザックをデポして、空荷でまずは小赤石を目指した。ほんの片道10分の道を往復したあと、今度は赤石山頂を目指す。20分ほどで赤石山頂に到着。10年ぶりのピークはとても新鮮で、南ア南部の山々を十分に堪能した。山頂から直ぐ目の前には赤石小屋がある。小屋を覗くとアンデスのかわいい土産を売っていて思わず購入。
気さくの良いお母さんと、面白いおじさんの山小屋でした。
赤石岳山頂からしばらく行くと、ガレガレの大下りが待っていて、そこを下ると馬の背尾根を緩やかに行く。目の前に百間平の台地が近づいてきてそこで振り返ると赤石はジャイアントのような風情で立派にたたづんでいた。
百間平を過ぎると百間洞のテント場目指して最後のひと下りである。
百間洞には一番の到着で、小屋にテントの申し込みに行くとどこでも良いからと言われ、思わず小屋に一番近い低い平地にテントを張ることとした。
今日の天気は予報とははずれ、案外良い天気が持っていたため安心していたのだが昼飯を食べているうちに雲行きが怪しくなりだんだんと雨脚が強まってきた・・。昨日の雨に懲りたので水みちをテント場に作ったのであるがそれ以上に今日は雨がさらに強くなってきた・・。心配していた床下浸水がまたもや始まり今度はテントの中にしっかり浸水が始まった。強い雨脚にテントを張りかえる余裕も無く、二日続きでロールマットの狭い上に身を固める羽目となった。
沈没船ではないが、ここは水をかき出すしか思い浮かばず、マットの上からコッフェルで水をすくっては外に出す作業を続けた。雨脚が弱まったと思ったらまた強まり、水は引いたと思ったらまた引き返してきて、いよいよ昨日よりまずい状態となってきた。が、何とか神様は我々を見捨てず時間とともに少しずつ雨は引いてきた。コッヘルでの水かきのせいもあり、最後は何とかシュラフで普通に寝れる状態となりホッと息をつく。それにしても昨日の同じ失敗を今日もしてしまうとは、あまりの自分のアホさ加減につくづく嫌になってしまった。正直に言うとテント場の一番下のこの場所は水はけは少し悪そうだったが百間洞小屋のトイレに行くには他のテントよりもだいぶ近いのでリスクを甘くみて張ってしまったのだ。それでも結局バカな目にあい、山をなめた自分につくづく嫌気が差して飯をくう気にはなれなかった。 それでもようやく寝られる状態となると現金なもので、ウィスキーで一息をついて、そして明日に期待つつ寝入ることとなった。
8月19日 晴れ、午後曇り
3時起床4時半出発。
今日は聖平を目指す日である。天気予報では今日は晴れ予報であったが、テントを撤収する時には驟雨のようなイヤーな感じの霧に包まれていて、重い気分で出発の準備を行った。百間洞からはトラバース道で大沢岳をパスするコースもあるのだが前回この山はパスしていたので今日はテンと場からの直登コースを登ってゆく。道は樹林帯から直ぐにハイマツ帯に抜け、しばらく登ってゆくとそれまでの霧雨も無くなり雲の上に突き抜けた。 やった!今日は良い天気だ。ダイヤモンド赤石となった朝日を途中でみて、ジリジリと大沢岳頂上目材して登っていった。大沢岳は地味なピークではあるが、実際には北側はすごいガレとなっていて、道もあまりよくない感じである。頂上にはコースタイムより少し早めに着いて少し休憩。北アルプスまで広がる遠望を楽しんでからコルまで下がって行く。ここからはとても分かりやすいピークである中盛丸山を越え小兎岳、兎岳と一気に上ってゆく。兎岳手前の鞍部には水場とテントが張れそうな小広場があった。兎岳頂上に到着すると早くも聖から降りてくる人にもすれ違う。少しの休憩のあと出発してしばらくで兎岳避難小屋である。避難小屋は外観こそ以前と変わらないが、内部は少し整備されてこぎれいな内部になっていた。ここから聖岳へ登る尾根まではしばらくアップダウンが繰り返す結構疲れるところだ。ようやく本登りの下に到着して、気合をいれてじっくりと登りだす。兎岳を出て1時間半、ようやく尾根の開けたところにでてここで一呼吸して登ろうと休憩を申し出るが。先頭のマッチャンは「行きまーす」と、私の休憩要求を無視してそのまま山頂を目指して行く。仕方なく綱に引かれたロバのごとくあたしも重い足取りで登っていった。
とはいえ、兎岳からコースタイムより随分早く2時間で聖山頂に到着。
ようやく今日のメインイベントは超えた。時間もまだ余裕があるのでここは奥聖へ向かおう。 空荷で少し下り気味の尾根を南に向かい誰もいない奥聖岳に到着し記念撮影。 南アルプス南部は本当に随分久しぶりなので景色が新鮮だ。
少しの休憩でまた聖岳へとってかえると、百間洞組が続々と到着するところであった。ここからは荷物をまとめて何度も来た聖への長い尾根を下って行く。
西沢渡の分岐をへて小屋へは丁度2時間あまりで聖平へ到着した。今日もテント場は一番乗りである。今日こそは絶対に浸水しない場所を選んでテントを張った。早速お昼からビールをのみ今日こそは午後のひと時をくつろぐこととした。行こうと思えば茶臼までいけないことは無いが、南アルプスは必ず午後はガス模様。そんな中必死こいて歩くより、テント場でのんびりくつろいで、清らかな空気の中を歩いてみたい。そんなわけで今日はまったりの日だ。
そうしてまったりとしていると、来る道すがらで何度か前後したオジサンもテントを張っていて、一緒にお酒を飲むこととなる。関東のかつてクライマーのオジサンも僕らに負けず劣らずお酒好きで、酒を交わしつつ山談義に延々と花を咲かせていると、いつの間にか夜の7時過ぎとなり、ついには「そろそろ寝ませんか!」と近所のテントから指導を受ける羽目になってしまいました。
ゴメンナサイ。
8月20日 晴れ
今日は下山の日である。とはいっても、まずは茶臼まで行かねばならず、ロングコースの一日だ。なわけで、早出とすべく2時半起床で4時出発とした。
暗い中聖平を出て、稜線を目指して行くが、真っ暗な中歩いていると本当に道は正しいところを歩いているんだろうかと少し心配にもなった。それでも徐々に明るくなり、丁度稜線にでたところで日の出に出会うことができた。南アルプスの稜線から登る朝日はそれはそれは綺麗で、山にいる幸せをつくづく感じた。日の出をみたあと上河内岳のコルに向かって少し登ってゆく。二重山稜気味のところを登ってゆくとコルにでて、少し離れた場所にはビバークの人がいた。コルで荷物を置いて山頂を往復する。
山頂はこれまた360度の展望が広がる綺麗なところだった。景色を楽しんだ後またコルまでおりて茶臼目指して稜線を緩やかに降りて行く。
名残惜しい南アルプス南部の山々を見ながら降りて行く道すがらは、綺麗な林とお花畑の広がる、日本庭園のような場所であった。亀甲状土と呼ばれる窪地をすぎて一登りすると茶臼小屋への分岐に到達した。下りの道は長いが、茶臼まで一登りでいけるとすれ違った人に聞いたので、ここまできたら行っておこうと茶臼を往復。南アルプス深南部は光、池口まではわかるがそれより南の山塊は未知の山で良く分からなかった。北を見ると聖を正面に歩いてきた山々が見え、感慨ひとしおである。頂上でのんびりした後ザックデポ地まで降りると
南アルプスの山々に別れを告げ、下りの徒についた。
茶臼小屋は分岐から10分ほど下ったところにある小屋だ。この時間一張りだけのテントがあった。小屋は盛況なのか、増設された小さな屋根裏小屋風ロッジ?がいくつか本棟の前に建ててあった。
小屋から1時間少しで横窪沢小屋に到着。ここからさらに2時間でヤレヤレ峠だった。最後の下りを降りると大吊橋だ。風が強くてゆらゆら横にゆれる吊橋を恐々わたり、最後に林道を50分歩くとゲートについた。
久しぶりの南アルプス南部の新鮮な景色と雄大な山体に触れることができ満足な山行であった。
◆2012年8月17日 曇り~小雨、夜雷雨
1:30自宅発
5:40畑薙第2ダム駐車場
7:00バス発 7:45さわら島
8:00さわら島出発
13:05赤石小屋到着
◆2012年8月18日 晴れ~午後小雨夕刻雷雨
4:40赤石小屋cs
5:20富士見平
7:20主稜線(小赤石を往復)
7:30小赤石
7:45ザックデポ地
8:15赤石岳、赤石小屋8:35
9:40百間平
10:20百間洞cs
◆2012年8月19日 晴れ
4:40百間洞cs
5:55大沢岳
6:20百間洞トラバース道分岐
6:38中盛丸山
7:23小兎岳
8:22兎岳8:32
10:10聖岳
10:40奥聖岳10:45
11:10聖岳
12:13西沢渡道分岐
12:30聖平cs
◆2012年8月20日 晴れ
3:35聖平小屋cs発
5:10 2702ピーク(日の出)
5:45 上河内岳分岐(上河内岳ピストン)
6:10
6:50亀甲状土
7:10茶臼小屋分岐
7:40茶臼岳7:50
8:10茶臼岳小屋分岐
8:19茶臼小屋
9:30横窪沢小屋9:40
10:40ウソッコ沢小屋
11:35ヤレヤレ峠11:50
12:10畑薙大つり橋
13:00林道ゲート(自動車とりに行く)
13:30畑薙ダム駐車場
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中ア・権現づるね~駒ヶ岳へ
お盆前の中アへ ちょっと登って来ました。
中アもメインルートを外せば静かな山です。
今回は 伊那スキーリゾート上部から権現づるねの長いクラッシックコースをへて駒ヶ岳へいって参りました。
稜線まで誰にも出会わず、笹深い尾根をクマ避け鈴をガラガラ鳴らしながら登ること5時間半、
ようやく西駒山荘のある稜線にたどり着くと、そこはコマクサの群落が広がるお庭になっていました。
権現づるねコース。 かなりマイナーなコースです。
権現山までは良い道が続く。眼下に広がる伊那谷がとても綺麗でした
長い笹原、ハイマツ帯をすぎ将棋ノ頭からようやく稜線漫歩が始まる
将棋ノ頭から西駒山荘はすぐです
コマクサ
西駒山荘周辺はコマクサ群落が広がりピンクに染まる。 地元の中学生により植生復旧したそうです
駒ヶ岳で迎える朝日
御岳も厳かに染まっていました
将棋頭山に有る天水岩。やはり水は涸れていませんでした。
◆2012年8月4日
------------------
1:30 自宅発
5:30 伊那スキーリゾート上部
5:55 出発
7:25 権現山
9:00 西山
9:30 2196m(休憩)
11:00 長尾根の頭2532m
11:40 西駒山荘
13:25 駒ヶ岳CS
◆2012年8月5日
------------------
6:20 駒ヶ岳CS発
6:45 宝剣山荘
7:05 駒飼ノ池
7:50 濃ヶ池
8:10 稜線分岐
8:50 将棋頭山往復 9:20
11:15 五合目 11:35
12:25 権現山 12:35
13:30 駐車場到着
中アもメインルートを外せば静かな山です。
今回は 伊那スキーリゾート上部から権現づるねの長いクラッシックコースをへて駒ヶ岳へいって参りました。
稜線まで誰にも出会わず、笹深い尾根をクマ避け鈴をガラガラ鳴らしながら登ること5時間半、
ようやく西駒山荘のある稜線にたどり着くと、そこはコマクサの群落が広がるお庭になっていました。
権現づるねコース。 かなりマイナーなコースです。
権現山までは良い道が続く。眼下に広がる伊那谷がとても綺麗でした
長い笹原、ハイマツ帯をすぎ将棋ノ頭からようやく稜線漫歩が始まる
将棋ノ頭から西駒山荘はすぐです
コマクサ
西駒山荘周辺はコマクサ群落が広がりピンクに染まる。 地元の中学生により植生復旧したそうです
駒ヶ岳で迎える朝日
御岳も厳かに染まっていました
将棋頭山に有る天水岩。やはり水は涸れていませんでした。
◆2012年8月4日
------------------
1:30 自宅発
5:30 伊那スキーリゾート上部
5:55 出発
7:25 権現山
9:00 西山
9:30 2196m(休憩)
11:00 長尾根の頭2532m
11:40 西駒山荘
13:25 駒ヶ岳CS
◆2012年8月5日
------------------
6:20 駒ヶ岳CS発
6:45 宝剣山荘
7:05 駒飼ノ池
7:50 濃ヶ池
8:10 稜線分岐
8:50 将棋頭山往復 9:20
11:15 五合目 11:35
12:25 権現山 12:35
13:30 駐車場到着
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南アルプス:北岳~間ノ岳~仙塩尾根~仙丈ヶ岳へ
相変わらず忙しい仕事の隙間を縫って、
避暑に南アルプスへ逃亡。(たった三日間ですが・・)
南アルプスはなぜか 若い山ガールも少ないちょっと前の
夏山でした。
7/28:大樺沢→八本歯コル→北岳山荘CS
7/29:北岳山荘CS→間の岳→三峰岳→仙塩尾根→仙丈ヶ岳→ビバーク
7/30:仙丈ヶ岳→大平山荘→北沢峠
仙丈山頂からの朝日が綺麗でした。
大樺沢は雪が多く、下りはアイゼンが必要です。
北岳山荘へのトラバースは花が綺麗でした
仙塩尾根途中から遙か遠くに仙丈を望む。二つ目のピークが伊那荒倉岳
◆2012年7月28日
自宅1:30-戸台口5:00
バス発5:30-北沢峠6:30
北沢峠7:00-広河原7:30
二股 9:45/9:55
八本歯コル 11:25/11:35
北岳山荘テント場 12:20
◆2012年7月29日
北岳山荘 3:35
中白根山 4:10
(日の出4:52)
間ノ岳 5:10/5:25
三峰岳 6:05
野呂川越 8:15/8:25
横川岳 9:00
高望池 10:07/10:45
(池下に水汲み&昼食)
伊那荒倉岳10:54
2755m 12:10/12:20
大仙丈ヶ岳 13:20/13:30
仙丈ヶ岳 14:05/14:15
某尾根ビバーク地
◆2012年7月30日
仙丈ヶ岳日の出 4:52
ビバーク地 6:00
馬ノ瀬ヒュッテ 6:55
大平小屋 8:30
北沢峠 8:50
避暑に南アルプスへ逃亡。(たった三日間ですが・・)
南アルプスはなぜか 若い山ガールも少ないちょっと前の
夏山でした。
7/28:大樺沢→八本歯コル→北岳山荘CS
7/29:北岳山荘CS→間の岳→三峰岳→仙塩尾根→仙丈ヶ岳→ビバーク
7/30:仙丈ヶ岳→大平山荘→北沢峠
仙丈山頂からの朝日が綺麗でした。
大樺沢は雪が多く、下りはアイゼンが必要です。
北岳山荘へのトラバースは花が綺麗でした
仙塩尾根途中から遙か遠くに仙丈を望む。二つ目のピークが伊那荒倉岳
◆2012年7月28日
自宅1:30-戸台口5:00
バス発5:30-北沢峠6:30
北沢峠7:00-広河原7:30
二股 9:45/9:55
八本歯コル 11:25/11:35
北岳山荘テント場 12:20
◆2012年7月29日
北岳山荘 3:35
中白根山 4:10
(日の出4:52)
間ノ岳 5:10/5:25
三峰岳 6:05
野呂川越 8:15/8:25
横川岳 9:00
高望池 10:07/10:45
(池下に水汲み&昼食)
伊那荒倉岳10:54
2755m 12:10/12:20
大仙丈ヶ岳 13:20/13:30
仙丈ヶ岳 14:05/14:15
某尾根ビバーク地
◆2012年7月30日
仙丈ヶ岳日の出 4:52
ビバーク地 6:00
馬ノ瀬ヒュッテ 6:55
大平小屋 8:30
北沢峠 8:50
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