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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

癌とカジノと

2014-06-12 09:55:20 | ギャンブル依存症
取りあえず新居探しが最優先課題になったので
ちょうど募集のあった市営住宅に申し込み、一発当選しました。
市営は何回も申し込まないと当たらないものだと思い込んでいたので
「ん、これで人生の運を全部使い果たしたか」とも思いましたが
気を取り直して、引っ越しまでがんばります。

引っ越し準備と並行して歯医者さんを受診。
長年の不摂生な生活で、癌だけではなくあちこちがボロボロ。
かなりのヘビースモーカーで、癌で受診した時の問診表にも
当然喫煙の項目はあり、さすがに一日一箱吸うと正直には書けず
「10本」と虚偽申告しましたが、診察では喫煙には
触れられず、胸をなでおろしました。
自慢ではありませんが、これまで体にいいことは何一つして
こなかったので、癌にせよ、虫歯にせよやっぱり自業自得です。

以前柳美里さん原作の「命」を映画化した作品で
トヨエツ演じる、劇作家で演出家の東由多加の「俺は癌で死ぬんだ。
煙草で死ぬんじゃない」というセリフにしびれました。
そんなこんなで、実は肺ガンだったらありかなと内心思って
いたのですが、まさかの乳がん。人生は分らないものです。

らちもない与太話を書いていますが
ニュースを見ていると毎日「う~ん」と考え込むことばかり。
一昨日NHKではカジノ解禁に向けて企業の動きが活発になっている
と報じていました。少し前に今国会でのカジノ法案の成立は
見送られるというニュースで少し安心したばかりだったので
水面下で解禁に向けた準備が着々と進んでいる様子に
結構衝撃を受けました。

長年ギャンブルの問題では想像を絶するほどひどい目に会ったので
ほんのわずかでもギャンブルが絡むことには敏感です。
見るからにうさんくさいパチンコのCMもそうですし
ドラマや映画でもパチンコのシーンが出てくると
心臓がきゅっと縮むような感じがして気分が悪くなります。
ドラマの「ストロベリー・ナイト」も
パチンコのシーンが出たので、1,2回見てやめました。

回復をめざしている依存症本人さんのブログでも
パチンコのシーンを見ると、記憶がフラッシュバックして
衝動が起きると書いてありました。
なので「ギャンブル依存症」を社会問題として取り上げる
報道にパチンコのシーンをはさむなんてのは無神経の極みです。

全世界の実に70%のとばく場があって
600万人近いギャンブル依存症者がいて
しかも公的な治療の体制が何もないこの国に
この上さらにカジノを作ろうとは、この国を動かしている
人たちは正気かと思ってしまいます。

最近は抗がん剤や、特にその使い方について
懐疑的な考え方をする人たちも増え
ネットで様々な意見を知る機会が増えました。
それで疑問に思ったのは、標準治療を勧める医師たちは
自分たちの治療に疑問を感じることはないのだろうかと
いうことでしたが「人類の悲願であるがんの撲滅」という
崇高かつ壮大な理想や理念が、目の前の患者さんの
苦しみや死に目をつぶらせることができるということを
知ってなるほどねと思いました。

カジノ構想で総理は「我が国の更なる成長戦略に不可欠」と
力説していました。ここでも「更なる成長戦略」という
魅力的で壮大なスローガンが掲げられています。

近年私が傾倒している某作家さんの小説の中に
こういう一文がありました。
「「国家」や「民族」という抽象を現実としてイメージできる
人たちがいる。(中略)国家を生々しくイメージできる人たち
が、ぼくのかわりに世界のことを考えてくれる」
けれどそういう人たちは、おそらく心や体や家族を持つ
名もなきひとりひとりの生きた人間の、苦しみや悲しみを
イメージするのは苦手なのでしょう。

余談ですがその作家さんは、2009年に癌のため34才という
若さで亡くなられました。ほんとに私のようななんの取り柄もない
ただのおばちゃんの命でよければ、3年分でも5年分でもその方に
振り替えて、新しい作品を世に出してほしかった。
本当に人生はままならないものです。




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